すれ違う本当の凄いランナー達に声を出して、拍手して応援するデビルマン。こうなったらすれ違う人みんなに声をかけてやる…。
この時デビルは失い掛けていた走る事への情熱を取り戻したのかもしれない。奥武蔵にはデーモン一族だけでなく、ウルトラランナー達の熱き思いが潜んでいるのだ。ここを走ったらそれを感じないわけがない。デビルは手を叩きすれ違うみんなを応援する。
一期一会
一瞬の出会いと別れが永遠に続いていくのだ…。

(提供:オールスポーツ)
気がつくと、重かった足取りが不思議と軽くなっていた。もちろん、坂道なんて物ともしないすれ違う速いランナーに比べれば月とすっぽんではあるが…。それでもデビルは確実に勇気を取り戻していた。
「ナイスラン!!」
「ありがとう!!」
今体の中で一番熱を持っているのが両手の掌だ。でも、これだけは止められない。大会の平和を守るのはやっぱりこの俺なのだから…。
人を応援するのが知らず知らずに自分を応援しているのだ。体力的にはきつくても、精神的にはちっともきつくない。肉体を支配するのは魂…。トキよまたひとつデビルは悟ったぜ…。
やがて、狩場坂ASに辿り着く。
ここではメイド姿の『アモ』さんがボランティアスタッフとして働いていた。ここを過ぎればフルマラソンの距離まであと少し。きついアップダウンもほとんど無くなる。登り坂デーモンの攻撃から真のウルトラデーモンの攻撃が始まる
地点なのだ。
走り出すと対応車線にカメラを構えてデビルを撮影しようとしている娘さんがいらっしゃる。物好きだな~と思いつつ曇って見えないデビルアイを拭き吹きしてみると
姫
ではありませんか!!
この時間帯にここにいるとは恐るべし姫子!
D:「はえ~なぁ!!」
H:「はえ~だろ」
更に行くと、デビルに先行して平和を守ってきたガッチャごんにすれ違う
D:「脚大丈夫か?」
G:「つっちゃったよ」
そんな会話を交わしつつ、デビルはスペシャルビキニ娘が待つ折り返し地点に向けてひた走る(歩く)。きっとあの黒ビキニ娘よりも凄い方がいらっしゃるのだろうと思うと俄然やる気が沸いてきた。
まだ、この時は幸せでした…。
≪続く≫

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