D:「了解。」
やっぱりあの脚は仮病だな…。颯爽と走り去るガッチャごんとK氏を見送るデビルマン。
さすがにVFFの疲労蓄積度は半端ではない。脚が重くなり、栗ご飯でおなかが重くなり、もともと体は重いデビルマンには厳しい状況だ。
しかし、ここから先は急なのぼりは無く、緩やかなのぼりとくだり坂があるだけだと言うことは判っていた。
ゆっくりとゆっくりと亀の歩みのように遅いペースではあるが走り続ける…。
暫く行くと、不思議なことに脚の痛みは治まり、最後の激下り坂部分に突入した。ここから先はゴールまで7キロを一気に下る箱根のくだりにも匹敵する激下り坂。クッションのある靴ならば少々脚を強く突いてでもスピードにのれる訳だが、VFFでそれをやったら確実にかかとが砕ける…。
膝と太ももの筋肉を柔らかく使って衝撃を吸収する走りが求められる!!
下り始めて程なく、最終のハロウィンエイドに到着した。
「ガッチャごんがデビルマンは置いてきたって言ってたよ」
「あの人は速く走る変態さんですから…」
ここではソーメンを食す。程よい塩気に絶妙の茹で加減でこれまためちゃくちゃ美味!!楽しみにしていたエイドでの食事も全て平らげ、ゴールめがけて再び走り出す。
スピードは出ない。
下り坂では前半に抜いた美ジョガーさんたちに抜き返されるデビルマン。情けないかもしれないが、これが実力。ただひたすら膝と太ももを柔らかく使った走り方を心がけ、ぺたぺたと音をたてながら一歩一歩丁寧に脚を運ぶのだ…。
やがて、下界に降りてくると
ぶどう狩り りんご狩り しいたけ狩り
のノボリ旗が。
「ああ、お土産でも買って帰ろうかな…。」
と思ったものの、先に行って待っている皆をこれ以上待たす訳にはいかないので、泣く泣くスルー。来年は必ず買って帰ろうと心に誓いつつ、激坂下りを終える。
すると、先にゴールしたガッチャごんがコースに戻って待ち構えてくれていた。
G:「あんまり遅いんでリンゴ狩りでもしているかと思った。」
D:「ばれた?」
すっかりデビルのやろうとしている事はお見通しのようだ。
(撮影:赤アフロレンジャーこと走る整体師さん)
ついにVFFでフルの距離を走りきった…。
恐らくこれで奥武蔵の平和は守られたはずだ。来年の夏の祭典までデーモンの活動はおさえられたはずだ。
ありがとう奥武蔵。スポーツエイドジャパンの皆さんも本当にありがとう…。