スタートしてからすぐは緩い登り坂。
この道は…
そう、あの屈辱のDNFを味わった『チャレンジ富士五湖 100キロ』で走った道…。
この位なら何とかなる!と思った矢先にT字路で直進できないと思っていた筈の道がコースになっているではないか!
そう、色気で釣っておいて金銭を要求してくるような『美人局』のような、旦那がだらしないからと同情を買っておいて実は自分も逃走していた碧いうさぎのような、そんな裏切り行為を目の前で見せられたデビルマン、いきなりのダートコース突入にただとまどうばかり…。
しかも道幅は狭く、足元はボコボコで石もゴロゴロ…。他のランナーさんに比べて異常なまでに視界の悪い
デビルアイ
で、とにかく転ばないように慎重に慎重に歩を進めるデビルマン。この時ばかりは自慢のデビルウィングもただ幅を取る邪魔もの以外の何物でもないわけで…。
いきなりの不意打ち・悪路・登り坂デーモンの複合ワザを受けてしまうものの、登りはひたすら我慢我慢。
と思いきや、こんどはいきなり下り坂デーモン(舗装路)がその姿を現す。
ここで飛ばすと後が辛くなるとわかっているものの、ついつい最初の鬱憤を晴らすかのようにデビルマンは気持良くスピードアップ!!
ここで一気に先行していた『おやじさん』を抜き去り、デビルマンは突き進む。しかも木陰に覆われた道はここまで暑さデーモンの攻撃を防いでくれていたようだ。
調子に乗ったデビルマンであったが東富士五湖道路をくぐり右折した瞬間、下り坂は終わり、いままであった木陰が無くなったことに恐怖した…。悪路と下り坂で削られた脚に加え、灼熱地獄へ誘うデーモン一族がついに牙をむいて襲いかかってきたのだ!
なんか、後頭部に軽い寒気を感じるかも…。
そう思いながらも、これは幻覚?いやあぶりはやってないぞ…。
などとおよそ走っているときには考えもしないようなことを考えながら進むデビルマン。かろうじて意識が薄れる前に給水ポイントまで辿り着き、水分をきっちり補給。
携帯の微弱電波はなんとかとらえられたようだ…。
などと訳もわからず走っているともう一度ダートコースに突入。視界の悪いデビルマンは足場の悪いコースは苦手なのだ…。しかもまた登り…。
それでもなんとかここまではデーモン一族の攻撃にも屈せず突き進んできたのだ、ここまでは…。
次回『あとどれくらい傷ついたならあなたに辿りつけるのかしら…』に続く!