2回目のトレイルを抜ける頃にはペースはがた落ち、脚はガクガク、デビルスーツは汗で変色し、日陰で風にさらされれば気化熱でひんやりするものの、それ以外では単なる蒸し風呂状態…。
それでもデビルは最近覚えたこのポーズをALL SPORTSのカメラマンに向かってするのだ!!
提供:ALL SPORTS
ウサイン?
結局10キロ通過は約1時間1分。この時点で密かな目標タイムとなっていた2時間を早々に諦め、すこしでも2時間オーバーの時間を少なくすることだけを考えてデビルマンはひた走る。
アスファルトでは日射しが照りつけ、木陰で涼しくなると下り坂デーモンが容赦なく脚を削り、時折後頭部が寒くなると言うとっても
ドM
な人には至福の時を味わいながらデビルマンは走り続けるのだ…。
やがて、スタート前に老師から言われていた、ラスト5キロの地獄の登り坂へと差し掛かる。
もし、この坂のことを知らずにここまで闘い続けてきていたら、一気に心が折れていたであろう…。延々と続く地獄の登り坂に潜むデーモン一族は、わずかに残ったデビルマンの力を根こそぎ奪っていこうとした…。
「富士に潜むデーモンよ、チャレンジ富士五湖のDNFだけでは飽きたらず、ここでもデビルマンを潰すというのか…」
視界の先はひたすら登り坂、前行くランナーは次々と歩き出し、デビルマンも今すぐにでも歩いてしまいそうだ。
しかし、わずかながら沿道にいる地元の人々から声援を受けるとデビルマンは心に誓う
正義のヒーローは決して歩いてはいけないのだ!!
そしてデビルマンはゆっくりではあるけれども絶対に走りを止めず、逆に歩いている普通の格好をしたランナー達に一旦背後にピタッと付いてから無言でプレッシャーを与えて無表情で抜き去っていくのだ!!
(おうおう、涼しそうなカッコして歩くんじゃねーや!!)
別に普通の格好で走れば良いのに、わざわざ真夏にデビルマンになっている人にこんなプレッシャーかけられる筋合いは無いだろうなになぁとちょっと反省。
そんなこんなで、辛さを楽しむように登り坂をひたすら登っていくとついに北麓公園の入り口まで辿り着いた。
おぉ!!すげぇ!!
あの格好で走ってきたのか!!
たちまち北麓公園は阿鼻叫喚の巷と化す…。競技場のトラックをまさしくウィニングランのごとく手を振りながら走ると、隣のランナーさんから
一緒にゴールして良いですか?
と問いかけられる。
ふふふ、果たしてデビルスパートに着いてこれるかな?
デーヴィール!!!
提供:ALL SPORTS
最後の最後まで期待を裏切る天の邪鬼なデビルマン。颯爽とゴールに駆け込むと当然フィニッシュはウサインのポーズを繰り出すのであった…。
しかしやっぱり六花先生には無視されるのであった…。
こうして富士吉田の平和を守りきったデビルマン、闘いの後にもまだまだお楽しみが続くのでありました…。
もう少し続く!!