折り返しの4時間が経過して一旦ブレイクを入れるデビルマン。
荷物を置いてあるテントに戻り、デビルパンツとデビルタイツをおろしてエアサロを脚に吹き付けるも、デビルマスクだけは脱ぐことをせず、決して素顔を晒すことなく8時間を闘い抜くことをこの時点で決心。
例え気温が上がって熱中症デーモンの攻撃を受けようとも、デビルマンであり続ける!
悲壮な覚悟を胸に、デビルマンは後半戦の闘いの業火の中にその身を投じる。
もちろんボランティアのお姉ちゃんの『きゃあきゃあ』な黄色い声援を受けながら…。
所沢航空記念公園の特設コースは13周でちょうどフルマラソンとほぼ同じ距離になるように設定されており、デビルマンはここまでで遂にフルマラソンの距離を走りきった…。
ここから先は己との闘いだ。富士五湖DNFの借りを返すために、この日の目標を20周に設定してデビルマンは意気揚々と走ろうとすると
「いやいや、デビルマンさんは偉い!よくぞ大会を盛り上げてくれた!とりあえずこれでも飲んで!」
エイドで主催者とおぼしき人からお飲み物のサービスを頂くことになったわけだが、その手に持たれている紺色の缶は金字が輝く
『金麦』
…。
出されたものは何でも綺麗に平らげることで渡る世間は鬼ばかりの世間の荒波を乗り切ってきたデビリーマンもといデビルマン。
この攻撃を真正面から受け止めることで切り抜けることを一瞬にして決意!
この日のために用意したピンクのマイカップwithケロロ軍曹を差し出すと、注がれた金麦を一気飲みした…。
美味い!!
走っている途中にアルコールを飲むのはこれが初めての経験だが、これほど美味いものとは!!
とりあえず、一杯だけ頂いて、チェイサーに水を飲むデビルマン。更には女子大生のボランティアさんに『きゃあきゃあ』言われながら頭から水をぶっかけてもらい(その背中は相当嬉しそうだったらしい byおやじさん)、アルコールをとばして新たな周回に入る。
結局この後エイドに立ち寄るごとに合計3杯ほど泡の立つ飲み物を飲みながら走ってしまいました…。
それでもデビルマンは飲みながら走り続ける。デビル肝臓でアルコールを急速分解しながらこの美しいものを守るために…。
そして、7時間25分が経過して19周を走り終えた…。
目標の20周が確実なものになったとき、例の主催者が一言
「あと2周はいけるでしょ?」
この8時間耐久レースは、7時間45分を超えると新しい周回に入れない規定になっていることは承知している上での発言なのか?
後半はペースを落として2周で1時間弱のペースで来ていたわけだが、20週目を前半のペースまで戻して初めて可能な残り2周という距離。無責任な発言と思えばそれまでだが、触っちゃいけないと言われれば余計触りたくなる天邪鬼な性格のデビルマン。
やってやる!
20週目、それまでとは明らかに異なるスピードでデビルマンは走り出した…。
ここまでずーっと応援してくれた私設エイドのかたに、Vサインを出して「デビル20周!!」と叫びながら走り去るデビルマン。
もうほとんど残っていない最後の力を振り絞り、それまでは歩いていた上り坂も駆け上がり、最後のストレートでもデビルごぼう抜きを見せて20周を走り終えたタイムは
7時間44分15秒
「もう1周いく?」
「もちろん!!」
そう言うとデビルマンは限界を超えた最終ラップに突入した…。
次回、デビルマンが8時間を闘いきったあとに見たものとは?果たして主催者は8時間を超えてもデビルマンを待っていてくれるのか?に続く!