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鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

女子マラソン


 伊藤舞選手~7位入賞で、リオ五輪代表内定!!ということで、まずはバンザイ!モードですね。


 期待の新鋭!だった伊藤選手も、あれやこれやがあって、もう31歳になってたんですね。。。いや、そもそも、あれやこれがあるのがマラソン人生ですので、紆余曲折を経て、その道を「順調」に歩んできたと言えるのかも知れません。

 その途上で、まだまだやれるのに、消えていった若手選手もたくさんいました。。。



 もちろん今の力で、オリンピックでもまた活躍できるというものでもありませんので、これからですが、1年の準備期間を与えてもらえるのは大きなアドバンテージになることは間違いありません。


 個性的なフォームですが、脚の引き付けに関しては目を見張るものがあります。本来、ああいう走りはスピードに生きてくるのですが、それを粘りに生かしているところが、よく分からない、未知の魅力です。1つの規格外ですね~。

 

 e-Athletes推しの前田彩里ちゃん選手は残念でした。。。 
  
 悪くはなかったと思うのですが、やはり世界で闘うにはちょっと経験不足で、勝手が違ったという面があったのではないかと思います。

 脚がいっぱいいっぱいだったようですが、路面の問題、ペース配分の問題、駆け引きの問題等々、未知との遭遇がたくさんあったように思います。

 選考レースの名古屋で転倒して骨折~代表には選ばれたものの、しばらく走れない日々が続き、実質、春のシーズンを棒に振っていることもけっこう影響したのかな、とも思います。
 
 まあ、一本調子で成長し続けるマラソン選手はいませんので、来年のリオや5年後の東京を考えれば、いつかは経験しなければならない失敗を、この大舞台でしたのは良かったのかも知れません。


 お母さんの淳子さんは、ここのところメディアにもかなり露出していますが、eAの会員さんで、eAの女性ランナー歴代4位(2時間46分台)のタイムを持つ、トップ市民ランナーです。

 彩里ちゃん選手がまだ小さい頃、淳子さんがロング走をするために3時間くらい家を開ける間、一人でおとなしくお留守番をしていたとか、、、

 私達がその「存在」をはっきり認識するようになったのは中学生の頃からですが、なんか、ママさんランナーのいろいろ大変なところを再認識もしましたし、彩里ちゃん選手には可哀想なことをしたな…とも思う反面、この道で、ここまで超大きく成長した姿を本当に嬉しく思います。


 

  
 重友選手は、積極的にレースを作っていきましたが、根本的に調子があまり良くなかったような。。。

 基本的に今回のレース~スローペースで進めば、アフリカ勢の急激なペースアップに翻弄されてしまうことは火を見るよりも明らかでしたので、そうならないようになんとかしなければならないところでした。

 その点では、日本選手が前の方に出てレースを作ること自体は正解だったのですが、それでも、思ったようにペースが上がらない…。結果的には、スローペースを引くだけのペースメーカーになってしまい、思惑通りに行かないばかりか、消耗だけしてしまうという残念な形になってしまいました。
 そのペースの上がらなさに、重友選手の不調があったのではないかと思います~。



 さてさて、伊藤選手のリオ五輪内定により、残りの代表枠は「2」。

 エース:木崎選手と、彩里ちゃん選手のダイハツ勢の再挑戦が、おそらく木崎選手は「さいたま」か「大阪」で~彩里ちゃん選手は「名古屋」であるのでしょうが、他にも若手が台頭してくるのかどうか~。

 これまでよりも1つ上のところでの代表争いを見たいところですね。 

男子50Km競歩


 谷井選手、銅メダル! 荒井選手4位入賞!~と、やっと、らしい結果が出てきました。

 実力は十分ですので、その実力を如何なく発揮した!!というところですね。

 20Kの方が、ああいうのだったので、かなり不安要素もありましたが、本当に良かった…。

 後半の日程に入り、全般に日本長距離・競歩陣の成績もようやく安定してきました。

 …てことは、前半組はやはり、調整や暑熱馴化に問題があった可能性がもありますね。。。



 男子5000m決勝

 スローな展開でラスト勝負!という展開は十分に予想できたものの、日本の高校生の県大会レベルよりも遅い超絶的なスローペースで、どうなるかと思いました、、、

 このくらい遅いと、もはや5000mの能力を競う場ではなくなり、5000m的なスタミナはやや劣るが、800m的なスピードに優る!みたいな選手にもチャンスが出てきます。

 そういう大穴レースになるのでは?…という期待と不安を裏切り、ファラーのファラーらしいスパートで決まり、上位も概ね順調な順位で入ってきたのは、ある意味不思議です。波乱なし。



 さてさて、明日はいよいよ女子マラソン、この後すぐ!!

 前田彩里ちゃん選手の登場です!!!

 メダルの期待というと荷が重いですが、入賞の可能性は十分にあり!と見ています。

 寝坊しないように、早く寝よっと。

女子5000m予選

 日本勢、2人決勝進出!!ということで、大健闘でした。

 自らレースをつくる~ということがやはり奏功しましたね。

 
 尾西選手は、1500mから走れる国内屈指のスピードランナーで、ラストスパートの切れ味は、すっかりお馴染みになってきた感じです。

 今回は、途中でちぎれるも粘る!という、彼女的にはあまり見たことのない展開でしたが、プラス取りがかかる最後の順位争いに、そのスパートが炸裂しました。


 異色の鈴木選手は、いつも通りの展開で世界と勝負!という感じで、最後は力負けしましたが、中途半端なペースで後ろから着いて行くよりもよっぽど良かったですね。

 尾西選手と違ってキレはなく、将来はマラソンに行くのでしょうが、しばらくは5000m・10000mでしっかりとスピードを磨いてほしいところです。



 2人ともプラスで拾われての決勝進出ですので、入賞を望むのは厳しいでしょうが、ハイペースに食らい付き、ちぎれても粘って自己ベスト更新!!というようなのは期待したいところです。
男子5000m予選


 大迫選手~残念でした。。。
 しかし、大健闘だったかと思います。

 ちょっと見は、淡々と進んでのラスト勝負で負けた…というような印象ですが、3000m過ぎからのペースアップは凄まじく、ああいうのに着いていった日本人選手は、過去に記憶がないくらいです。。。
 実際、最後の1500~2000mは、国内の1500mレースようなペースで推移しています。それに着いて行ったわけですから~。

 ただ、ラストのラストは、そもそも大迫選手の課題とするところでもあり、僅かに及ばなかったのは本当に残念でした。。。


 そもそもでいうと、やはり大迫選手は10000m向きであり、その10000mでの代表になれなかったのが痛かったですね。

 今大会の10000mが日本選手の5000mのようなペースで進んだのと逆に、大迫選手の5000mの走力があれば、10000mなら、もっと闘えたのではないかと思います。



 しかし、5000mでの、予選2組5着+5という、決勝進出ラインはどうなのでしょう…?

 短距離種目と違い、2組目は1組目の結果を見て、どうにでも流れを作れます。1組目がスローペースになれば、2組目は、ソコソコのペースで無難に走れば10人通過出来ちゃうというのは、ちょっと…。2組7着+2くらいでもいいんじゃないかと思いますけどね。。。



 村山選手に関ては、兄弟ともに、同じような課題を残して終わった感じです。
 なんだろ、やっぱり調整段階かな、、、明らかにおかしかったですね。。。

女子10000m

 男子に比べて展開がシンプルで分かりやすいです。

 基本、スローペースで小さな上げ下げをしながら進み、ラスト勝負!!~というのが伝統!?になりつつありますね。

 そんな中、日本勢が先頭に出てペースをつくる!~というのも、その対応法として学習効果が出てきた感じがします。

 一般に、こういう大きな大会でむやみに先頭に出るのは無謀というか、何を考えているのかよく分からないという評価をされるものです。

 しかし、女子に限っては、スローペースで、途中の上げ下げに翻弄されながらちぎれていく…というよりは、自分たちで自分たちのペースをつくる~というのが消去法で最適の展開になることがあります。

 海外勢も、日本勢がつくるペース(日本勢にとっての最適ペース)が、ほどよい(過度でない)「スローペース」になり、先頭を引く負担もないので、「容認」状態になっていますね。

 それでも途中からふっかけられると、ズルズル後退していってしまうのは、これはもう実力差…。決して作戦ミスではありません。

 そんな中で唯一、後方待機だった西原選手~。これも作戦的にはOK!もうちょっと内側を走った方がもっと良かったですが。

 集団がバラけてから、必死に食らいついていくものの、力及ばず…という感じでしたが、これもまた実力差。逆にいうと、実力を発揮したレースにはなったかと思います。
 それでも及ばないというところに悔しさはあったかと思いますが、それは今後の課題ということで。



 今や、日本のエース的存在となった西原選手ですが、世界で戦うにはまだキャリアが足りません。
 本来、この上に2人くらい超エースがいて、西原選手レベルが「若手の3番手」くらいなポジションで臨めるといいというか、かつてはそうやって世界陸上を闘ってきたものですね。

 そういう意味では、ちょっと層が薄くなっているという現実もありますが、女子長距離界も、他の種目に続き!?ジュニアクラスでは、ハーフの選手達が台頭してきていますので、その勢いで、東京五輪までにはなんとか…!