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鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

ゴーマン美智子さんがお亡くなりになりました。。。
時事通信の記事

 アメリカ国籍ですが、日本の女子マラソンに大きな功績を残された方です。

 日本の女子マラソンは、79年の東京国際女子マラソンの創設で華々しいスタートを切った!というところがありますが、ゴーマン美智子さんは、それに先立つ73年に2時間46分36分の女子マラソン世界最高記録(当時)を樹立。ボストンやニューヨークCを制覇するなど、素晴らしい活躍をされました。

 渡米して結婚し、現地で生活する日本人女性がいる~ということ自体、あまり見聞きすることのなかった時代~そんな人がフルマラソンを走って、世界記録樹立!?というのは、あまりに衝撃的なことであり、昨今のラグビー日本代表や、ハンマー投げの室伏選手、高校生でいきなり日本記録を大幅更新した増田明美さんに匹敵するようなインパクトが世間的にありました。


 第1回の東京国際女子マラソンにも出場されていますが、その時の出場者=マラソン完走経験を持つ日本人女性ランナー(全国で数十人…)で、走り始めたきっかけとして、ゴーマン美智子さんの影響を受けていない人などいないでしょう。

 女性でも(しかも中高年でも)、フルマラソンを完走できることを日本人に教えてくださった方であり、その延長線上に、Qちゃんの金メダルや今日のランニングブームがあります。


 ご冥福をお祈り申し上げます。




 シルバーウィーク~恒例の秋のランニングキャンプ~今年も黒姫高原での開催でした。

 約50名の方のご参加をいただき、天候にも恵まれ、充実した走り込みが出来ました。


 今回は、夜の講習で、うるさいほどに「ゆっくり・じっくり」の効果を説きましたので、笹ヶ峰牧場でのクロカン走、野尻湖のロング走ともに、張り切り過ぎて<速め・短め>で打ち切ってしまう人も少なく、総じてしっかりと距離を踏めた感じです。
 やっぱり、何はともあれ、「ゆっくり・じっくり」です。。。

 ご参加いただきました方々、ありがとうございました。
 今シーズンのご活躍を期待しています。



 <参加記念品>

bisuko
11月のさいたま国際マラソン~試走してきました!

あまり大勢でも走れないので、2グループで30名;スタッフが+5名。

参加者を公募で募りましたが、あっという間に定員に達し、予想以上にニーズが高かったですね。


 全コースは走れませんし、信号も多いので、全行程の6~7割くらいを歩道を走りながらのコース視察…という感じでした。

 信号待ちしている時に近くのお子さんが「また、マラソン来たぁ~!」
 ~どんだけ試走に来てんだ。。。実際、他のグループや個人もけっこう走っていましたね。

 
 さてさて、肝心のコースは…

 話には聞いていましたが、聞きしに勝る、難コースです。。。

 「リズムに乗れれば、好タイムが出ないこともない!」という、オブラートに包んだような妙なQちゃんのコメントがありましたが、ああ、なるほどな…という感じです。

 どこかに平坦はあるのか?ってくらいユルいアップダウンを延々繰り返しますので、まさに、のるかそるか…。乗っちゃえば、確かに行けないこともないかも知れません。しかし、乗れなかったら、、、前半に脚を使っちゃうと、後半はかなり厳しくなりそうですね。

 特に、4時間ギリギリレベルの方は、スタートロス分もありますので、どうしても序盤をオーバーペースで押さざるを得ない状況になるかと思います。なのに、あの坂…みたいなところがちょっと大変そうです。。。


 試走終了後の皆さんの印象、感想も非常にネガティブなものでしたが、もう、エントリーしちゃったんだから仕方ありません。

 前向きに、こういうコース対応の練習をしていくしかありませんね~。

 私が中学で走り始めてから、初めて陸上を意識して見たオリンピックは76年モントリオール。(当時はまだ世界陸上はありません)この時、日本陸上陣は、男子マラソン3名を含む16~17名?くらいの陣容で、惨敗…入賞ゼロでした。

 特に長距離・マラソンに関しては、おそらくここ半世紀くらいのうちで、いちばん世界から離されていた時代でしょう。高校生や大学生が、週に2回も3回もインターバルトレーニングに取り組む、追い込み練習の全盛期です。

 この頃の惨敗の仕方は、とにかく国際経験がなさ過ぎ、試合をする前に負けていたような感じです。海外遠征は初めての選手も少なくなく、言葉も通じない・競技場の使い勝手も分からない・これまで常識だと思っていたことが日本のローカルルールに過ぎなかった…とかいうことで右往左往するばかり…。考えられないくらいの低記録で次々に予選落ちでした。


 五輪でも世界陸上でも、闘えない(メダルを取れない?入賞出来ない?予選を通過出来ない?)選手は派遣すべきではない!~という意見もあります。

 今回も、日本陸連が定めた派遣基準記録を突破する選手は極めて少数で、あとは参加標準記録をやっと突破しての派遣…という、ちょっとぬるま湯的な選考があったのも確かです。

 ただ、世界に行って、闘ってみないことには始まらない!~のもまた確か。次につながらないのです。


 この76年のモントリオール五輪には、20Km競歩やハンマー投げ(室伏選手のお父さん)の代表も送っていますが、「闘えなかった…」ことを糧として、その後につなげ、後進が育ち、今があるのです。


 そういう意味で、良かったぞ、女子1600mRの日本新!!

 インカレを見ていても、一昔前の決勝のレベルで予選が行われているくらい層が厚くなっています。まだ、突出した選手が出て来ていませんが、それもこれからに期待です。
  
女子5000m決勝


 鈴木選手~惜しいところで入賞こそ逃しましたが、大健闘の自己ベスト更新でした。

 予選が組で6着ですから、決勝の9位は上々も上々!しかも、レースをつくってのことですので!!


 一見すると、ハイペースで突っ込んで、ガツガツ抜かれ、失速したような感じにも見受けられますが、実は鈴木選手自体のペースはほぼイーブン。少しだけ速めに入り、中盤僅かに落ち、ラストはまた少し盛り返すという感じで、相手がいてもいなくても構わずに自分のレースをした~という感じです。その上で自己ベスト更新ですから、◎ですね。

 条件と相手に恵まれたら、14分台も出るのでは!?~日体大競技会で男子高校生と一緒に走らせてあげたいくらいです。


 まだ若いですし、先々はマラソン挑戦も期待されるだけに、この時点でのこの成績は本当に素晴らしいの一言です。


 日本女子長距離界は、2~3年前(ロンドン五輪以降)からの世代交代が上手く進まず、去っていく一線級に対し、新鋭の台頭が追い付かないというような空白の期間が続いていました。
 
 そんな中、鈴木選手や西原選手が自分のレベルを上げて来て、今回、世界を経験したことで、ようやくこれからが期待できるかと思います。



 尾西選手も健闘しましたが、この条件でこのペースになると、得意のスピードを生かすよりも、スピード持久力的な弱さが先に出てしまった感じです。

 今後、国内レースでも鈴木選手が先行逃げ切り型のレースを仕掛けてくるのは明白ですので、そこにどう対応していくか!~ですね。日本選手権の連覇も掛かっていますし。
 10000mを走れるようになってくると、5000mもまた違ってくるのではないかと思うのですが。