TOKYO2020 男子5000m(2) | 鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

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@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 男子5000m予選

 

 やはり<2組5着+5>でしたが、プラスはまたまた2組から全部出ましたね。

 

 1組は想定以上の超スローペース。ラスト勝負必至で、5着に入らないとかなり危ない状況。そのラスト勝負でもつれ、エチオピア勢2人が落選!と早速、大波乱です…。

 

 ところが2組も1組に合わせたかのような超スローペース。しかし、そこは2組の利で、3000m以降、少し調節して、ラスト2周の加減(ここが本当に上手かった!)で、10着までが+5で通過できるようなペースで行きます。9着までの選手は通過を確認し、最後は流して通過。10着の選手もラストスパートでプラスの5番目で入りました。

 

 正直、<2組7着+1~2>とかにした方が実力が反映されるのでしょうが、このギャンブル性がいいんですかね、、、

 

 さて日本の坂東(1組)・松枝(2組)選手ですが~同じような展開のレースで、同じように失速し、予選敗退となってしまいました。

 

 超スローペースの展開の中、いずれも集団の後方に着きます。こういう場合~

 

 ・集団の前から中ほどに位置する

   →小さな上げ下げの影響を受けやすい

     勝負どころのペースぺチェンジに対応しやすい

 

 ・集団の後方に位置する

   →小さな上げ下げの影響を受け難い

     勝負どころのペースチェンジに対応し難い

 

 というようなことがあります。サンショーの三浦選手や5000mの廣中選手、1500mの田中選手らが積極的に前を引いて成功しているのを見ていますので、やけに消極的で、それが失敗の原因のようにも思われがちですが、後方待機は、これはこれで1つの作戦ではあります。

 

 ただ!!やはりあまりに超スローペースだったので、後半~終盤のペースアップが激しくなるのは100%想定しなければなりません。それならやはり、「このペースなら、自分で先頭を引く」―というのも十分アリな戦略ではありましたね。

 

 残念だったのは、その100%想定でき、実際、そうなったスパート合戦に入る前段階で2人とも先頭集団から離脱してしまったことです。

 スローペースとはいえ、小さな上げ下げはけっこうあったはずです。「クリール」でも解説したように、テレビ画面を見ているとこれはちょっと分かり難いのですが。

 それで消耗してしまった…というのはないことではなく…てか、実際、そうだったのでしょう。でないと離されたりしないですね。

 

  とはいえ、完全にグジャグジャにされるほどのダメージを受けるような激しい揺さぶりがあったようにはさすがに見えませんでした。中盤までの超スローペースに対し、後半~終盤は離されてもペースはそれなりに上がるものですが、それもなかった…。前半楽々のペースを、後半は維持するのがやっとだったという感じですね。

 

 暑い中、スローで展開し、途中から切り替える~かなりの確率でそうなることは分かっており、それに備えた練習もしてきたはずなだけに、これは本当に残念なことでした。