世界陸上 男子マラソン | 鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

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@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 合宿中だったため、食堂にテレビを置いてもらい、「観戦会」を開き、私が解説しました~。


 高温下のハイペースになるのか、スローでの牽制、そしてチェンジ・オブ・ペースになるのか~が1つの焦点でしたが、後者になりましたね。


 女子同様、意外とアフリカ勢がこの暑さに対応できず、大きなペース変動のないうちに(小さいのはけっこうありましたが)集団が小さくなっていった感があります。展開的にはまさに中本選手向きでしたね。


 解説の中で「日本勢のポイントは、先頭集団にいても、ペース変化に対応しないこと」~「対応しないまま、崩れてから前を拾っていく」~ということを指摘しましたが、中本選手は、ちょうどこんな感じで進めることが出来たのではないかと思います。


 これまでになく積極的なポジショリングだったわけで、対応しようと思えば対応出来る~いや、一見、対応するつもりで取ったのでは?と思うようなポジションにいながら、結局あえて対応しない~という、ある意味見事な戦略です。

 

 ここのところで川内選手は違いが出てしまい、似たようなポジションにいながら(むしろ、ちょっとダイレクトには対応しづらいポジションにいながら)、ちょっとの変化にすかさず対応しすぎていたような感じもあります。ちょっと意気込みすぎていたのかな。。。


 正直、勝負どころで対応できる力がないようだとメダルは難しい…という現実もあるのですが、その現実的には、今の日本勢の力は、8位入賞なら万々歳!といったところでしょうから、厳しい条件と強豪を相手に、良くやった!と言えるかと思います。


 ロンドン五輪でもそうでしたが、ケニアVSエチオピアのガチ対決にウガンダ勢が割って入るようになり、 かつてのハイペースでのチームレース戦に変わり、昨今は、アフリカ勢同士のペース変化による潰し合いの様相が強くなってきたように思います。

 

 これで潰され、メダルの望みのなくなった選手は戦意喪失して後退(あるいはリタイア)していきますので、後方待機の日本勢の入賞の確率は、むしろ以前より高くなってきているような感じがしますね。~メダルの可能性は更に低くなっている感じですが。

 

 五輪、世界陸上と連続入賞を果たした中本選手は、そのあたりの勘所を完全に押さえた感じで、この戦略は、まだ精度を上げていけるのではないかとも思います。


 スピード化といえども、高温下のレース、しかもチャンピオンシップでは何が起こるか分かりません。実際今回も、普段、あんだけかき回され、手も足も出ないケニア勢は豪華メンバーを揃えながらも壊滅状態で、中本選手の前には1人もいなかったのですから。。。


 日本勢の中でもスピードのない中本、川内選手~スピードランナーといえども全盛期を過ぎた藤原、前田選手などを見ていると、まだ日本の若手に駒が残っていないわけではない!というのも強く感じます。


 スピード的に全盛の若手が早くにマラソンに進出し、中本選手のような走りを覚えたら~。そのうち、先頭集団の変化にも対応できる日本人選手も出てくることでしょう。