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渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

悦子が予約が取れないレストランの名前を聞いて興奮して聞いた。

「ええ、かなり人気があるそうですね」

「嬉しいです、ありがとうございます」

悦子は銀座クラブ蝶のホステス時代から正一郎から目を掛けられ

ていたが、あくまで体と金の関係だけで

優しくしてもらった記憶のない悦子はとても嬉しかった。

「さて、欲しい物決まったかな?」

亮はバックヤードから店内に戻ると美喜がエルメスのバッグを持って

鏡に姿を映していた。

「それですか?」

「うん、買ってくれるの?」

「もちろん」

「キャー嬉しい」

美喜が微笑むとマギーが亮のスーツの上着の袖口を摘まんだ。

「マギーも好きな物選んでいいよ」

「やった!」

マギーは大きな胸を揺らし飛び上がった。

いつも美宝堂で外国人相手にブランド品を売っている

マギーはうらやましくてストレスが溜まっていた。

 

「なんだ・・・」

悦子はなかなか予約が取れないレストランを自分の為に予約してくれた

亮を快く思っていたが、周りに女性に気前よくブランド品を買ってやる亮を

金持ちのバカ息子にしか思えず鼻で笑った。

 

美喜とマギーにブランドバッグを買うと

3人はピートを出て道玄坂を渋谷駅に向かって歩き出した。

「ありがとう、亮」

美喜が亮に礼を言うと亮は笑いながら答えた。

「その分、今夜2人に働いてもらいます」

「そう来るだろうと思っていた、何?」

マギーが亮に腕を組んで顔を近づけた。

「さっきの田代悦子のスポンサーの黒崎正一郎を

 代官山のマンションに帰さないでほしい」

「その間に彼女を落とすわけ?」

「そう、僕たちの仲間に引き込む」

「でも私たちとはしゃいでいた亮を見て彼女鼻で笑っていたわよ」

美喜は亮の顔を覗き込んだ。

「分かっている、そのつもりでやっていた」

「どう言う意味?」

「今頃彼女はスポンサーの正一郎に電話をして、馬鹿息子の僕を籠絡して入り

値を下げさせると言っているはずです。委託と販売では10%と違いますからね」

「つまり、正一郎に良い所を見せようとするわけね」

「はい」

「でも、それなら私たちが正一郎を引き留める事ないじゃない」

「いや、僕が彼女を落とす時間が欲しい。もし僕が彼女を落としても

 正一郎の秘密資金が暴けなかった時の為に正一郎を虜にして欲しい」

「うふふ、忍者くノ一に任せて」

「あら私の肉体の方夢中になるかも」

美喜とマギーが競い合っていた。

「とりあえず甲山さんがキャシーに正一郎を合わせる事になっていて

 一恵さんが通訳として付いている。マギーがボディガード、

 美喜さんは蝶のホステスで近づいてほしい」

「了解!私の方が不利ね?」

「いやいや、SPスタイルはセクシーだよ。その巨乳を押し付ければ

 どんな男でも興奮する」

亮は嘆くマギーを慰めた。

「了解、早速着替えて合流します」

 

~~~~~

「黒崎さん」

会議場で正一郎に内村が声を掛けた。

「ああ、内村さん。お久しぶりです」

「黒崎さん、珍しく東京の会議に出席ですか?」

「ええ、ちょっと東京に用がありましてね」

「どうですか今夜久しぶりに蝶で飲みませんか?」

「良いですね」

正一郎は上京すれば必ず蝶に行く事になっていたので

2つ返事で答えた。

「では6時の会食の後に」

「はい、失礼します」

黒崎が会釈して内村と別れた。
「いいえ、古くからの友人です。彩音さんと違います」
「素敵な方ですね・・・」
亮は明らかに精神的に動揺している悦子の目を見た。
「では契約書を作ってしまいましょう」
「は、はい。裏のバックヤードで良いですか?」
「もちろんです、署名捺印で結構ですから」
悦子はバックヤードで書類にゴム印を押し実印を押した。

「ありがとうございます。間もなくリストが届きますので
 少し待ってください」
するとマギーがバックヤードに入って来た。
「済みません、お待たせしました」
リサイクル商品のリストを持った白人女性のマギーが
深々と頭を下げると悦子はそれが奇妙に見えた。

「田代さん、僕の妹のマーガレットです」
「マギーです。よろしくお願いします」
亮がマギーを紹介するとマギーは
悦子に手を刺しのべ握手をした。
「妹さん?」
「はい、似ていないですけど」
マギーはニコニコ笑って答えた。
「すみません、母が浮気性なので」
「うふふ」
悦子はマギーと亮のジョークで緊張が解け
リサイクル商品のリストを見た。

「みんなきれいなんですね」
「はい、汚れや傷は美宝堂の職人さんが直して居ますので
 すべてランクA+です」
「それでこの値段で?」
悦子は価格表を見て驚いていた。
「はい、物によりますが定価の50%を基準に
 定価の75%引きで売れる商品ですから
 25%の利益が出ると思います。
 ただ今回は委託なので10%上げさせて
 いただきます」

「ありがとうございます、とりあえず
 50個ほどお願いできますか?」
亮の夢のような提案に悦子の目が輝いていた。
「はい、いつ納品しましょうか?オーナーさんが
立ち合いの方が良いですか?」
「そうですね」
悦子は正一郎に自分の努力を見せたかった。

「連絡して見ます」
「了解です。ところで契約も済んだので
今夜食事でもいかがですか?」
亮は悦子が誘いを断れない状況に追い込んだ。
「は、はい。ちょっと待ってください。予定を確認してみます」
悦子は上京している正一郎との兼ね合いがあり
リストを持って店の外に出て行った。
亮は悦子がいない間に飯田に電話を掛けた。

「飯田さん、亮です」
「おお、亮のじいさんがうちの庭で楽しい事をやっているぞ」
「すみません、ご迷惑をかけています」
「いいや。賑やかでいい、それにあのだだ広い土地を有効活用してもらうなんて
 有りがたい。ところでこっちへいつ来る?」
「2、3日後には行きます」
「分かった、亮の部屋とテニスコートを用意してあるからな」

「ありがとうございます。ところで代官山にあるレストラン。
ル・シェルは飯田さんがオーナーですよね」
「ああそうだ、覚えていたのか?」
「もちろんですよ。一度行きたいと思っていたんです」
「それでリザーブか?」
「はい、今夜7時にお願いします」

「ところで目的は何だ?」
「後でメールします」
亮はバックヤードとはいえ誰に話が聴かれるか
警戒して内容はメールと言った。
「分かった。周りの席を開けるように言っておこう。Lineの方にしてくれ」
「はい、了解です」
亮はすぐにLineで飯田にメールを送った。

「実は黒崎正一郎の愛人から黒崎の秘密資金を聞き出すつもりです」
「おお、亮得意の色仕掛けだな」
「違いますよ、話し合いです」
亮がLineで返事をしていると
悦子がホッとした表情で戻ってきた。
「團さん、時間の都合が付きました」
「田代さん、お住まいの近くの代官山の
 ル・シェルに7時に予約が取れました」
「えっ。あの予約半年待ちの。有名なル・シェルですか?」
「さあ、おしゃれしたわよ」
プリーツのミニスカートのワンピースを着た
美喜が亮の前でクルリと回った。
「綺麗です、そのピンクのパンティも」
「やだー。このブルー系のスカートにピンクのパンティはまずいわ。
ランジェリーも買ってもらおう」
「マジ?」
「うん」
美喜は自分の役目を知っていてわざと甘えていた。

「美喜さん、香港はどうでした?」
買い物を終えた2人は道玄坂の喫茶店でお茶を飲んでいた。
「関龍さんにナイフ使いと武術を徹底的に教え込まれたわ」
「彼はかなり強いそれに次期統領ですから」
「あら、次期統領は亮だと聞いたわ。それと亮は60万発銃を撃って
外したのが5発だったそうね」
「あはは、それは都市伝説です」

「でも香港に行ってよかった。忍者と暗鬼が
融合すれば最強の軍団が作れる」
「そうですね」
亮は返事をしながら時々見せる美喜の太ももに唾を飲んだ。
「亮、さっきちょっと変よ、ここの所忙しかったか
らストレスが溜まっているんじゃない、それともあっちかしら?」
「確かに変です」
亮が震える右手を見ると掌がしっとり濡れ
それを握りしめると数滴の滴が落ちた
すると店中の女性たちが亮の方を向いた。

「ん?」
それに気づいた亮が声を上げた。
「亮、あなたの体からフェロモンが出ている」
美喜が股間を抑えて足をパタパタさせ
テーブルに両手をついて向かいの亮にキスをした。
「ど、どうしたの突然」
「だからフェロモンが出ているんだってば、
私がキスをしたから周りの女の子たち亮に手を出せなくて
ムズムズしているはずよ」
美喜はそう言って誇らしげに周りをゆっくりと見渡した。
「昨日2人に輸血をしてから変なんだ。
力が湧き上がってくるような気がする」
亮はそう言って手に持っている500円
硬貨を親指と人差し指で折り曲げた。

「わっ!」
美喜は信じられないほどの亮のパワーを見て声を上げた。
「昔から古い血液を抜くと体が新しい血液作るため体の血液が
 綺麗になると言う瀉血(しゃけつ)療法と言うのがありますが
実際にその効果はないと言われています」
「なんだそうだったんだ、女性は生理があるから血液が新しくなって
男性より長生きすると聞いていたけど」

「ええ、ただ治療法の1つに血液を抜くと
肝臓に溜まったヘモグロビン中の
鉄分が減少し活性酸素を減らす効果があるそうです。
つまり肝臓の細胞破壊を
抑えるC型肝炎治療に効果があるとされているんです」

「へえ、難し話だけど何となく分かる」
「筋トレをして細胞を壊し、それを再生させる為に
成長ホルモンが分泌されるから血液が無くなった時
それを作る為の何らかのホルモンが作用される
可能性があるかもしれません。
たとえば女性の場合は生理が終わると
エストロゲン(卵胞ホルモン)が
分泌され卵子を作るように」

亮は自分の血液によって蓮華、
桃華を救えた自分の血液に
何らかのホルモンが入っているのでは
ないかと思っていた。

「私、今亮の猛烈なフェロモンを吸って
フラフラになっているんだから
 後で責任取ってね。じゃあないと
ナンパしてホテルに行っちゃうよ」
「はい、済みません。さて行きましょうか。
好きな物買っていいですよ」

亮は美喜と手をつなぎ合って田代悦子が店長のピートに入った。
「わあ」
美喜は好きな物を買って良いと言われたので
店内を嬉しそうに見て歩いた。
「こんにちは」
亮は悦子に声を掛けた。

「ああ團さん、印鑑と印鑑証明の用意が出来ています」
悦子はそう答えながら美喜の方を見た。
「あら、あの方モデルの幸田美喜さん?」
「はいそうです」
「お付き合いなさっているの?」