グッド・ジョブ媚薬8 黙示録94 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「あっ、黒崎さん。先ほどはどうも」
「早速だが、今夜、私をガードしてもらえないかな」
「はい。良いですよ。先ほどキャシーを家に送り届けましたから」
「では銀座のクラブ蝶に来てほしい」
「銀座のクラブ蝶ですね。了解いたしました」
「おいおい、場所はわかるのか?」
「はい、何度かVIPの護衛で伺った事が有ります」
マギーはそう言って経験豊富なボディガードに見せて正一郎を安心させた。
「そうか、それなら話が早いな。じゃあ、頼むよ」

~~~~~
VIP席に座っていた亮の元に絵里子が来た。
「亮、黒崎の奴美喜ちゃんとお寿司食べに行くそうよ」
「そうですか、美喜さん籠絡に成功したみたいですね」
「うふふ、美喜ちゃん接客が上手だわ。ずっとうちで働いてもらいたくらい」
「あはは、彼女くノ一ですから」
「ところで黒崎はどんな事していたの?」
「悦子さんの名義で銀行口座を作り業者に
リベートを振り込ませていました。
 その数億円を密かに海外に持ち出していたようです」

「わあ、完全な脱税ね」
「ええ、証拠がそろい次第、彼女に告発してもらう予定です」
「まさかこんな近くに敵がいるなんて思ってもいないでしょうね」
「経営者は正直であるべきです。自分の立場を利用して利益を得、
 まして脱税するなんで許せません」
「そうね、業者さんだってリベートの支払いが無ければ経営が楽よね」
「ええ、リベートの上乗せが無ければ他の優良な業者を選べると
 思います」
「うふふ、そうね」
絵里子はますます亮を自分の娘、祐希の後見人として
欲しくなった。

「亮、祐希の事どう思っている?」
「祐希さん!?」
亮は驚いて聞き返した。
「ええ」
「祐希さんはしっかり勉強とビジネスをしています。
毎日報告のメールが来ていますよ」
絵里子は亮と祐希が毎日連絡を取り合っている事に
驚いてた。
「あの子は普通の女の子のようにボーイフレンド出来たのかしら?」
絵里子は男から女に変わった祐希の精神状態を心配していた。
「大丈夫です、今好きな男性がいるそうです」
「ああよかったわ」
絵里子はそう言って亮の顔をじっと見た。

「祐希さん、いつか素敵な男性を紹介してくれますよ」
爽やかな亮の笑顔に絵里子は祐希の好きな
男性とは亮の事じゃないかと思っていた。
「良かったわ、あの男に私の祐希が男にされて
 憎んでも憎み切れなかったわ」
「絵里子さん、黒崎正一郎には今度はこっちが倍返しです」

~~~~~
「お待たせしました」
黒崎の元に案内された黒いミニスカート姿の
マギーが黒崎に挨拶をし
内村、甲山、徳田そして美喜に目配りをした。
「やあ、ご苦労さん。マギー君」
「どちらまで?」
マギーは無表情で正一郎の予定を聞いた。
「とりあえず彼女とお寿司屋に行く、一緒に食べよう」
「はい」

~~~~~
「まったく・・・勝手し放題だな」
美女に囲まれ蝶を出て行った正一郎を見ていた
内村がつぶやいた。

「内村さん、あれです」
甲山は正一郎が内村たちと大した話もせずクラブのホステスと
さっさと帰ってしまう行動を嘆いていた。
「甲山、それでグループの売上はどうなんだ?」
「連結で本年度は赤字です。ホテル事業は8軒のホテルが
耐震工事費用がかかり休業を強いられた事と建て直しが2軒
私の居る不動産部門もその耐震工事で」