官能小説 グッド・ジョブ 媚薬 血の聖餐 15 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

亮が仁美に話を終えた頃

フロントから電話が鳴って来客の知らせが来た

玄関のチャイムが鳴り

亮がドアが開けると美咲がじっと見つめて

「お久しぶりです」

「なんとも無かったの?」

「はい、昨日トランクが頭に当たって記憶をなくしていました」

「そうあの時」

「えっ?知っているんですか?」

「防犯カメラの映像を見たわ」

「あはは」




美咲はトランクとパスポートと財布を亮に渡した

「こちら私と一緒に仕事をしている樫村さん」

樫村が頭を下げた

「ところでどうしてニューヨークに?」

「一文字を追いかけてきたのよ」

「あの男また何かを?」

「ええ、あの後ストレートホールディングスの株が暴落して

一葉学園を売りに出していたんだけど、急にそれを取り下げたの」

「新しい資金が入ったんですかね」

「ええたぶん」

亮は腕を組んで考えこんでふと時計を見ると11時を過ぎていた

「あっ、僕は用があるのでこれから出かけます」

「何処へ行くの?」




美咲が聞くと

「ミュージカル観て来ます」

「えっ?まだ早いんじゃ」

樫村が声を上げた

「亮、これ」

仁美は携帯電話とお金とカードを渡した

「香港ドルじゃ使えないでしょ。カードも必要だし」

「ありがとう。それから仁美さんロイに連絡を取っておいてください」

「はい」

亮は三人を残し仁美の部屋を出た

「相変わらず、忙しい男ね」

美咲が仁美に話しかけると

「ええ、それが彼のいいところよ」

「そうか」

仁美と美咲は笑っていた

「ブルック?リーです」

「あら、携帯買ったの?」

「ええ、用事が終わったのでランチをしましょう」

「OK、ペニシルバニラホテルの近くにいる。来れる?」

「はい」

亮はタクシーを拾ってホテルの前に行って電話をすると

ビルからブルックが出てきた

「お昼食べましょう。お金が入ったのでご馳走します」

「本当?ありがとう」

「お昼は何処で?」

「その前にちょっと行きたいところがあるの」

路地裏のビルの地下のバーの階段を下り

ドアが昼の明かりに照らされてとても

年期のある雰囲気があった

「ここよ」

ブルックはそのドアを開けると

十席ほどの丸いテーブルの奥に

ステージが見えた

「リーに私の歌を聞いてもらおう思って」

「本当ですか?ありがとう」

すると奥から

60歳くらいの太った男が出てきた

「リー、ここのオーナーのトニーよ。口は悪いけど良い人よ」

「はじめまして」

亮はトニーに握手を求めると

「ふん、この日本人?」

そう言って亮の手を払った



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