官能小説 グッド・ジョブ 媚薬 血の聖餐 16 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「ごめんね、トニーは機嫌が悪いのよ。私が早く起こしちゃったから

私は、毎週ここで歌っているの」

ブルックはアップライトのピアノにマイクをつけ

アンプのスイッチを入れた

「歌って良いかな」

ブルックは椅子から身体を乗り出し亮に聞いた

「OK」

亮が親指を立てると

ブルックは静かに声を出し唄いだした

ピアノの演奏が入った歌はアカペラの時の何倍も

綺麗で力強く完全なプロの歌唱力だった。




ブルックの熱唱一曲が終わった後亮は拍手をしながら

「ブルック凄いよ、凄く上手です。これならプロなれるんじゃ」

「そうだろう、日本人でもわかるか」

トニーは偉そうに言うとブルックの顔が曇った。

そして続く2曲はオリジナルの

ロック調の曲だった

「作曲も出来るんですね」

「ええ、でも・・・・・」

ブルックはアンプを切ってマイクを片付けていると

「ブルック後片付けは俺がやる」

トニーは亮に手を挙げて挨拶をした


二人は近くのレストランに入ると

ランチプレートを頼んだ

「ブルック、がんばればプロになれるよ」

「ええ、いろんな人はそう言ってくれるけど

食べていくには時間がかかるし」

「なに?」

「他のバーで歌っていた私をジャック・チョウが私の歌を

気に入ってデビューの手伝いをしたいって近づいてきたの」

「そうですか、それがどうして?」

「実は私、6曲目になると声が出なくなるの」

「グラスボイス?」

「ええ」

ブルックは悲しそうな顔をした

「そうか、6曲じゃライブは無理ですね」

「そう、バーで歌うのは5曲で充分だけど」

「ブルック、口を開いて」

亮は突然ブルックの口の中を覗き

喉の周りを撫でた



「あん、リーの触り方いやらしい」

「ごめん」

亮は慌てて手を引いた

「わかった」

亮は携帯を持ってレストランの外に出て電話をかけた

「仁美さんすみません、漢方薬を売っているところ探してもらえませんか?」

「うふふ、ファーマシスト亮の登場ね。

大丈夫よあなたの研究室は用意してあるから」

「本当?」

「はい」

仁美は優しく返事をした


亮はブルックのところへ戻り

「どうにかなりそうです」

「何が?」

「そのグラスボイスを」

「えっ?どうして?」

「とにかくジャック・チョウのところへ行きましょう。会社は?」

「この近くよ」

「すぐにアポイントを取ってください」

「大丈夫なの?」

「大丈夫です。信じてください」

一時間後、二人は6番街のジャック・チョウの事務所へ入った

そこは、高層ビルのワンフロアーを占有する大きな会社だった

二人は社長室に通されると

ソファーにジャック・チョウが座って

ブルックを見るとうれしそうに笑ったが

亮の顔を見ると睨みつけた


「久しぶりだなブルック。時間が無い、何のようだ?」

亮とブルックがソファに座ると

「彼はリーさん」

「チャイニーズか?」

「いいえ、日本人です」

亮はが言うと

「日本人なのにリーか、変なやつだ。それで用件は?」

「もう私に付きまとわないで欲しいの」

「何を言っている、このままじゃ売春女に成り下がるだけだ

俺のところへ戻って来い」

「私歌手になりたい」

「いつまで馬鹿な事言っている、このまま俺の愛人でいて大学を卒業したら

うちの会社の取締役で雇ってやる」

「いや、もう嫌なの。私の夢はミュージシャン」

「あはは、5曲しか歌えないミュージシャンが何だ」

「だまって、他人のチンポじゃなくて俺のチンポを舐めていりゃ良いんだ」

ジャック・チョウはブルックの頭をつかんだ

「やめろ!」

亮はジャック・チョウの手をつかんだ

「いけませんね、女性を乱暴に扱っては」

「お前何者だ?ブルックやったのか?」

「やっていませんよ。どんな大きな会社の社長でも

男は品が無くてはいけません」

「うるさい」

ジャック・チョウは亮の手を払った


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