ホラー小説 地獄タクシー 一章 双鬼⑤ | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「やつも危険を感じたようね」

「おい、じゃあどうやって退治をするんだ」

「ひき殺すの」

「なに?逃げたらどうするんだよ」

「大丈夫、首都高から出ることは出来ないわ、

後は夜野さんの腕しだいね」

「ほかに武器はないのかよ。

マシンガンとかミサイルとか」

「あるよ」

「おお、早く言え」

「鬼に向かってライトをハイビームにすると


10秒間だけ動きが半分になるの。その時ひき殺して」

「やっぱり、それかよ」

「さあ、バトル開始よ。それとハイビームは3回だけね」

「俺はシューティングが苦手なんだよね。

出来たらロールプレイイングが良い」

魔美は手を伸ばして礼司の前のクラクションを鳴らした。

すると鬼は4本足になって方向転換をして箱崎のほうへ逃げた。

「追って」

「はいよ」

鬼のスピードは速く、見る見る離れて行った。

「何やっているのよ」

もう100キロだ、タクシーじゃきついぞ

「ああ、ギアが違うわ」

「なに?」

「これは一番奥へシフトを入れると6速に入るのよ。

とにかくアクセルを思い切り踏んで」

礼司がアクセルを踏むとタクシーは

ジェット機のように加速した。


「何じゃこの加速は?」

うふふ、凄いでしょ

車は木場へ近づく頃に鬼に追いついた。

「あれだ」

「うん、そうそう言い忘れていた」

「またかよ」


「殺すのは12時までね」

「ん?」

「12時過ぎると、鬼は表の

世界へ行ってしまうからまた人を殺すのよ」

「そうすると、おい後20分しかないじゃないか。

もし失敗したら?」


「夜野さんが表の世界で鬼に狙われるの、

首都高速を走ったら必ず殺されるわ」

「お、おい冗談じゃないぞ。運転手が

首都高速を走しらなかったら、仕事にならんだろう」

「そうねがんばって、あっ、もう鬼は

あなたの事を覚えているからね」


つづく