獣医鷹子 7 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

5.クラブCOCO

煮詰まった白滝を中村はつつきながら

「さて、どうするか?」

「報告書が見たいですね」高橋は言った。

「私に?」岡本が怪訝そうに言った

「いやいや、所轄が事故死として

捜査が終わった後で動く事にする」



「それでいいですか?」

「おばさん、鷹子さん」

「ええ、しょうがないですね」

「では、明日鑑識出身の赤星さんに

現場を見てもらいます」

「はい」

仁の元へオファーが入った。

「仁、仕事」ユウから電話があった。

「どんな仕事かな、儲かりそうかい」

「むずかしよ、クライアントは銀座のホステス」

「銀座か、もちろん会うよ」

「まったく、8時に店に出ているから」



「そうか、それまで時間が

あるなじゃあいつもの所で」

「やった~、じゃあ6時に」

「ほい」

「御神さん、デートですか?」

りりかが言った

「あはは、まあね」



かおりが立ち上がり御神に体をつけた言った

「御神さんの彼女どんな人ですか?」

「彼女いないよ。女友達はいるけど」

「うそ~、なんかうれしい」

かおりとりりかは目を合わせた。

6時に東銀座近くのぶどうの木

に着くと仁はスフレを頼んだ

「相変わらずスフレね」

「こんなうまいもの止められるか」

「見た目はクールでかっこいいのにね。

甘党なんて」

「鷹子さんの件は?」

「うん、振り込んでおいた」

「サンキュー、で今日の件だけど」



「うん、クラブCOCONo.1ホステスの

紀香さんの依頼だよ」

COCOといったら超一流じゃないか

、そんな所のホステスが何の用だろう」

「面倒だったらやめてね、

仕事ならいっぱいあるんだから」

優子は怒った顔をして言った。



「わかっているよ」

「で、どこで会うの?

携帯番号は聞いてあるけど」

「いや、店に行くよ」

「ええ、依頼者は向こうだよ」

「うん。社会勉強」

「勝手にすれば。あっ、


COCO高いからね、座って10万円」

「あはは」

仁は銀座8丁目近く多くの

高級クラブが立ち並んでいる

ビルの8階にクラブCOCOがあった。

「いらっしゃいませ」黒いスーツに

蝶ネクタイの男が頭を下げた。

「いらっしゃいませ。ご指名は」

「紀香さんです」

「はい、かしこまりました」

しばらくすると、後は腰まで開いた

黒のロングドレスていた紀香がボックスに座った。


「紀香です。はじめまして、

ご指名ありがとうございます」

綾は名刺を渡した。

「九鬼です。よろしくお願いします。」

「紀香さん美人ですね。さすがNo.1」

「ありがとうございます。でも私の事どこで?」

「あはは、有名ですからね。


COCOの紀香さんは」


「九鬼さんこそ、素敵です。

ここへ見えるお客さんと雰囲気が

ぜんぜん違いますもの」

「そうですか。若いと言うこと?」

「ええ、とても若いです。お仕事は?」

「ブラックプランナーをしています。」


「ブラックプランナー? 

あっ、今日お願いした?」

紀香は不思議な顔をして言った。

「依頼を頂いたブラックプランナーの

九鬼と申します」

「えっ、どうして。こんなところまで?」

「ええ、お店で話したほうが

相手がわかるかなと思って」


「でも、うち高いですよ」

「わかっています」

「紀香さん5番テーブルへ」

ボーイが言った

「嫌よ」

「はい?」

「断って、早退します」


「いや、話は仕事の後の方がいいよ。

ここに長くいると高そうだから。

あはは」

「本当に話聞いてくれるの」

「何時に終わりますか」

1120分に来て」

「はい」

「では、お会計を」


「ホステスの付けよ」

「いや、仕事を受けるかどうか

わからないから。払うよ」

仁は12万円の伝票を見て驚いた。

「うちもこれくらい取るか」

「はい?待っていますね」綾は見送った。

1120分きっかりに紀香が店を出ると仁は

ポルシェにのって待っていた。

「ごめんなさい、嬉しい彼氏みたい。」

「どうしましょうか。」

「私の部屋へ行ってくれますか」

つづく