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終末期の安心看護システムの必要性③ 毎日新聞


<日本尊厳死協会>延命措置中止の判断基準などで試案
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在宅ケアの推進『終末期の安心看護システム』


4月14日 毎日新聞


 尊厳死の法制化を目指す日本尊厳死協会(理事長、井形昭弘・名古屋学芸大学長)は14日の理事会で、延命措置を始めなかったり、中止する場合の医学的判断基準を盛り込んだ同協会研究班の試案を了承した。


本人の意思表示があり、複数の医師の意見が一致することなどが条件。同協会は「国民が議論する際のたたき台にしてほしい」と話している。


 試案では、一般的な延命措置の中止条件に加え、「がん」や進行性の難病「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)」などの病態別に、具体的な「不治」「末期」の状態を定義し、個別に中止条件を定めた。


 試案では、尊厳死を「自らの傷病が不治かつ末期に至った時、健全な判断の下での自己決定により、いたずらに死期を引き延ばす延命措置を断り、自然の死を受け入れる死に方」と定義。


その上で、一般的な延命措置の不開始・中止の条件として
(1)患者本人の意思表示がある
(2)不治あるいは末期の判断と、どの延命措置をいつ中止するか、複数の医師の意見が一致する
(3)尊厳ある生の確保と苦痛の除去が目的――の3点を挙げた。


 さらにがん、ALSに加え▽高齢者▽呼吸不全▽心不全▽腎不全▽持続的植物状態▽救急医療の八つの病態について、不治・末期の定義と中止条件を示した。


 研究班長も兼ねる井形理事長によると、ALSについて最も議論が分かれた末に「自発呼吸ができない状態は末期」との考え方を盛り込んだ。運動神経が侵され、次第に筋肉が萎縮していくALSについては、本人が苦痛から延命中止を訴えても、それが本心かどうかを慎重に確認する必要があるとの意見が根強い。井形理事長は「苦しい状態を耐えられないと訴えている中で、無理やり第三者の意思を押し付ける(延命を続ける)のは疑問がある」などとALSを取り上げた理由を説明した。【江口一】

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終末期の安心看護システムの必要性② 産経新聞


終末期医療 患者の意思を尊重 国指針 専門職チーム判断
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4月10日  産経新聞


 回復の見込みがなくなった末期状態の患者に対する終末期医療について厚生労働省は9日、その決定手順に関する指針「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を大筋でまとめた。患者本人の意思決定を基本に進めることを最重要とし、医療行為の開始・不開始の判断は「医療・ケアチーム」が行うことが柱。終末期医療に関し、国が指針を作るのは初めて。この日同省の検討会で大筋で了承され、文言修正後、各医療機関に、検討会が作った解説編とともに通知する。


 指針は終末期医療を進める手順についてのみ定めており、延命装置の取り外しなど具体的な医療内容や医療従事者の法的責任については踏み込まなかった。検討会は指針の解説編で検討課題と指摘しており、厚労省は今後これらを改めて検討していく。


 指針は、終末期医療を進めるうえで、患者本人が医療従事者とよく話し合い意思を決定することを「最も重要な原則」と指摘。具体的な医療行為の開始や不開始、実施中の治療の変更や中止は、医師だけでなく看護師などさまざまな専門職の医療従事者で構成する「医療・ケアチーム」で判断するよう求めた。


 患者の意思が確認できる場合は、医療従事者と患者が合意した治療方針内容の「文書化」を規定。時間や病状の変化により患者の意思が変わることから、「その都度、説明と意思の再確認」を行う-としている。


 患者の意思が確認できない場合は、家族による患者の「推定意思」を尊重。家族が患者の意思を推定できない場合は、家族と話し合い、同チームが患者にとって最善の治療方針を決める。家族がいない場合も同チームで判断する。


 患者と家族、医療従事者の間で、治療方針の決定が合意できない場合は、医療・ケアチームとは別に、複数の専門職からなる委員会を新たに設け、方針の検討と助言を行うよう求めた。


 昨年3月、富山県射水市の射水市民病院で人工呼吸器の取り外し問題が発覚したのをきっかけに終末期医療の指針を求める声が患者や医療現場から高まり、厚労省が指針策定に乗り出していた。

                   ◇

 【指針の骨子】

 一、患者本人の決定を基本として終末期医療を進めることが最も重要な原則

 一、医療の開始、不開始、変更、中止などは医療・ケアチームが慎重に判断する

 一、治療方針の決定に際し、患者と医療従事者の合意内容を文書化する

 一、患者の意思を推定できない場合は家族と話し合い、患者にとって最善の治療方針をとる

                   ◇

【用語解説】終末期医療

 治る見込みがなく、死が避けられない患者への医療。苦痛の緩和や精神的安定、残された人生の質を高めることも重要な要素となる。人工呼吸器の装着などで死期を延ばす延命治療の実施や中止についての統一的なルールはこれまでなく、昨年3月に発覚した射水市民病院(富山県)の人工呼吸器取り外し問題を契機に、国の指針や法制化をめぐる論議が高まった。近年は、患者が生前に延命治療を望まないなどと書面で意思表示する「リビングウイル」にも関心が高まっている。


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終末期の安心看護システムの必要性① 東京新聞

終末医療指針 患者も医師も救われぬ


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東京新聞 2007年4月11日


 厚生労働省の検討会がまとめた終末期医療に関する指針は、当たり前すぎて新味がほとんどない。医療現場や患者・家族が求めている、具体的なケースを想定した踏み込んだ内容に改めるべきだ。


 指針は▽終末期医療について医師ら医療従事者が患者に情報提供と説明を行い、患者本人が決定する▽患者の意思決定の内容は文書化する▽終末期医療の開始・中止などは医療従事者らがチームで判断する-などを求めている。


 これらの指摘には異論はないが、インフォームドコンセント(事前の十分な説明と自発的な同意)とその文書化、患者の自己決定権の尊重、重要事項の複数での決定などは、終末期医療に限らず、臓器移植など生命倫理の問題が関係する分野での議論を通じ合意されてきた大原則であり、指針がなくても守るべき重要なことである。一般医療でも広範に普及している。今回の指針はそれを単になぞっているにすぎない。


 厚労省が指針作成に乗り出したきっかけは、昨年三月に明るみに出た富山県射水市民病院での終末期患者からの呼吸器外し問題だが、担当医師が批判された理由の一つは、経緯がどうあれ独断で決定したことであり、指針以前の問題といっていい。


 指針に求められているのは、こうした言わずもがなのことではない。


 延命医療の拒否を生前に文書で意思表示する患者が増え、医師らの理解も深まっているが、刑事訴追を恐れ、なかなか実行できない。


 どのような疾患について、どのような状態になれば「終末期」と見なし、人工呼吸器をはずすなど延命医療の中止に踏み切ってもいいのか、その場合、医師らはどのような要件を満たせば刑事責任を免責されるのか。指針はこうした現場の声にこたえていない。指針という以上、従来の混乱をできるだけ回避できる内容でなければならない。事例をできるだけ挙げ、共通するおおよその判断基準を示すべきだった。


 厚労省は今後、終末期医療に関する別の検討会を設けるが、十分な時間をかけ、医療現場が判断に迷わないような、明確な指針に改める必要がある。


 東京高裁は川崎協同病院の筋弛緩剤(きんしかんざい)事件判決の際、尊厳死・安楽死をめぐる混乱を踏まえ「司法が解決する問題ではない」と法の制定や指針の策定を求めた。厚労省にはこの指摘を重く受け止めてもらいたい。


 同時に、終末期医療の指針の策定が、最後まで生きようとする患者の意欲をそぎ、死に追いやる風潮を生まないように、歯止めをかけることも忘れてはならない。

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