終末期の安心看護システムの必要性⑥ 読売新聞
疾病ごとに延命中止基準、終末期を定義
↓↓↓是非クリックしてみて下さい。↓↓↓
http://www.el-care.jp/
在宅ケアの推進『終末期の安心看護システム』
2007年4月15日 読売新聞
尊厳死協会研究班報告
「尊厳死」の法制化を目指す日本尊厳死協会の研究班は14日、がんなど疾病ごとに延命治療(措置)中止の判断基準となる「末期(まつき)(終末期)」の定義などを挙げた独自の報告書をまとめた。
手続きを重視した厚生労働省の終末期医療の指針より踏み込んだ内容で、今後の法制化を巡る議論などのたたき台になるが、すでに患者団体から死を誘導しかねないと反論が出ている。
報告書は、尊厳死を迎えるための医学的条件などを提示した。まず「総論」で、厚労省指針で触れていない「末期」や「不治」の定義、延命治療を中止する条件を掲げた。その上で、各論として、「がん」「呼吸不全・心不全・腎不全」「持続的植物状態」、全身の筋肉が動かなくなる「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の延命治療が議論となる代表的な疾患に、「高齢者」「救急医療」を加えた計6パターンについて治療中止の条件などを記載。
総論の定義では、末期を「不治(と判定された)時から死までの時期」とし、「不治」を「あらゆる治療行為に効果が期待できず、死への進行が止められなくなった状態」とした。
さらに、治療の中止条件として、
〈1〉患者に延命治療を中止する意思がある
〈2〉複数の医師の意見が一致している
〈3〉尊厳ある生の確保と苦痛の除去を目的とする――の3点を明記した。
各論では、「がん」の末期を「治療の効果がなくなり、ケアが中心となった時期から死に至るまでの期間」と定義。その末期の治療で有害な反応が出た場合などに、中止や差し控えできる行為として「栄養・水分の補給」「人工呼吸器の装着」などを挙げた。
ALS患者では、「患者本人が、明確な意思表示を繰り返した」「無呼吸テストで自発呼吸がない」ことなどを、人工呼吸器を取り外せる条件とした。ALSの末期の定義は人工呼吸器でしか生存できない状態としたが、専門家の間でも議論が分かれており、最終的には「患者自身が判断すべき問題だ」とした。
こうした内容に、川口有美子・日本ALS協会理事は、「一見、患者の自己決定を基本としているが、周囲が患者(の死)を誘導する可能性もあり、危険な内容だ」と批判する。
日本尊厳死協会理事長で、研究班長の井形昭弘・名古屋学芸大学長は「尊厳死を巡る議論に一石を投じたかった。さらに議論を深めた上で法制化を求めていきたい」と語った。
日本尊厳死協会 治る見込みがない病気の末期に、無意味な延命措置をやめ自然に死を迎える権利の確立と法制化を目指す。1976年設立。会員数は約12万人で医師、法律家らも含まれる。死期が迫ると尊厳死の意思を文書で示す「リビング・ウィル」を医療者に提示する。
[解説]法制化議論に影響独り歩きの懸念も
今回の報告書は、昨年、富山県の病院で患者の人工呼吸器が外された問題の発覚を受けて、議論されてきたものだ。国の指針で先送りされた末期の定義や延命治療の中止条件を示したが、対象疾患を限定するなど、完全なものとは言い難い。
報告書で示された医学的な定義や条件は、現在、国会議員有志が検討している尊厳死法制化の議論にも影響する。不完全な内容でも、広範な議論の一助として世間に問いたいという協会の考えは分かる。だが、協会には医師も多く、この報告書はあくまでたたき台だということを伝えないと、医療現場が「中止指針」として受け止め、独り歩きすることも懸念される。
尊厳死は患者の自己決定が前提だ。ただ、患者は家族が抱える看病の労苦や経済的な負担を考え、本当の意思とは逆に治療を拒否する可能性もある。定義や条件も大事だが、患者の本心をくみ取ることができる態勢のあり方も模索して欲しい。(科学部 高田真之)
(2007年4月15日 読売新聞)
↓↓↓是非クリックしてみて下さい。↓↓↓
http://www.el-care.jp/
在宅ケアの推進『終末期の安心看護システム』
終末期の安心看護システムの必要性⑤ 読売新聞
手続き優先、定義先送り…終末医療初の指針
↓↓↓是非クリックしてみて下さい。↓↓↓
http://www.el-care.jp/
在宅ケアの推進『終末期の安心看護システム』
2007年4月10日 読売新聞
解釈分かれ混乱も
終末期医療に関する国の初めての指針が9日まとまった。昨年の富山県・射水市民病院で発覚した人工呼吸器の取り外し問題を踏まえ、延命治療中止決定の手続きを優先し、医療現場の混乱を可能な限り早く回避する狙いがあるが、医師の刑事訴追に対する免責といった問題を先送りにするなど、課題は山積している。(科学部 宮崎敦、冨浪俊一)
初指針
「終末期について公的指針を作ったことは評価できる。(人工呼吸器を取り外せる)院内指針と照らし合わせ、修正する個所を検討したい」(秋田赤十字病院)
「急性期の高齢者患者が多いが、院内関係者すべてが合意する指針を作るのは難しいのでは」(東京都老人医療センター)
手続きが中心で、延命治療中止の対象疾患などが明示されない、今回の公的指針に対して、現場の病院の評価は割れた。
延命治療に詳しい、前田正一・東京大学准教授(生命・医療倫理)は、医師の独断に歯止めをかける内容に一定の評価をしつつも、「終末期の定義が漏れているので、医師は刑事責任を恐れて延命治療を継続したり、逆に秘密裏に治療を中止する事態も生じかねない」と、新たな現場の混乱を懸念する。
指針に終末期の定義などを盛り込むことの必要性は、検討会などの議論に上った。しかし、厚労省が手続きの部分に限って、議論を先行させたのは、昨年3月の射水病院問題発覚直後、国民の間に医療不信が広がるのを避けたかったからだ。
終末期医療に関する議論の場は、過去に何度も開かれ、解決策を模索してきた。しかし、公的指針が示されなかった。それは、「終末期の問題は患者の生死にかかわるので慎重さが求められた」(樋口範雄・検討会座長)ことが背景にある。
厚労省としては、従来のような議論だけに終わらせず、射水病院の問題で指摘された、医師の独断による決定を防ぐ方向性を示したかった。そのため、手続きを優先させ、終末期の定義などを先送りした。
しかし、検討会の中で、「医師が殺人罪で刑事訴追されない基準を明記することについて議論をしないのか」といった声が相次いだが、樋口座長は、「終末期の患者をどう支えるか、周囲の人々で、まず、悩んでもらうことが重要」と指針の意義を訴えた。
現場
全国の病院は、公的指針に沿った形で、それぞれ独自の院内指針の整備を進めることになるが、公的指針を有効に活用するには現場の体制整備も必要だ。
しかし、末期がんなど、終末期の患者を抱える中小の病院で終末期医療の体制を整えている機関は多くない。
全国2190病院が加盟する全日本病院協会が昨年7~8月に実施した調査によると、「終末期医療に組織的に取り組んでいる」とした病院は27・7%どまり。「『尊厳死の宣言書(リビングウィル)』を病院として受け入れる体制にある」とした回答も14・9%と低かった。
医療現場が、延命治療の中止を決定する際、患者の意思をどう尊重していくかも重要だ。
松島英介・東京医科歯科大准教授(緩和医療学)が昨年11月~12月、全国4911病院を対象に調査したところ、意思表示できる患者の治療方針を決める時でさえ、「患者のみに確認」とした施設は有効回答の0・8%にとどまった。「患者とは別に必ず家族の意向も確認」と答えたのは48・7%にも上った。松島准教授は「日本の医療現場は患者の意思が二の次だ」とし、患者の意思を尊重するような医療スタッフの教育の重要性を説く。
こうした現場を支援する試みも始まっている。熊本大学医学部の浅井篤教授(生命・医療倫理)らは昨年10月から医師や看護師、患者・家族を対象に、終末期の治療方針の決定について問題がないかどうか相談を受け付ける「臨床倫理コンサルテーション事業」を始めた。浅井教授は「人材が不足している小さな病院のために、専門家の支援は重要。こうした支援組織を全国に広げることも大切」と話す。
海外では…医師訴追法で回避
終末期医療の手続きは、海外でも法律や指針でルール作りが進む。ただオランダのように患者の死期を早める安楽死を法律で認めた国から、尊厳死に限定した国まで、各国で対応に差がある。
尊厳死にかかわる各国の法制度に詳しい早稲田大大学院法務研究科の甲斐克則教授によると、フランスが2005年に定めた尊厳死法は、日本の指針同様、安楽死は認めないが、患者の事前指示がある場合など一定の条件を満たせば、医師が延命治療を中止しても訴追されない。
延命治療の拒否権を認める米国では、州法が尊厳死の手続きを規定する。リビングウィルの書式を定めた州も多く、本人が指定した家族や弁護士らが延命治療の開始や中止を判断する、代理人制度もある。
今回の国の指針はこうした欧米の法律や指針に比べ、医師が刑事訴追されない基準を明示していない。日本救急医学会が今年2月まとめた、終末期医療の指針案も、リビングウィルの提示など治療中止の手順を具体化した指針をまとめたが、医師の免責は保証されていない。
甲斐教授は「国の指針でも、家族が延命中止を決める手続きなどを細かく決める必要がある。法曹界も含めた幅広い議論が大切だ」と話している。
人工呼吸器の取り外し問題
射水市民病院外科部長(当時)は、末期がん患者などの治療中止を独断で決め、社会的批判が集まった。富山県警の依頼を受けた医師は、一部の患者について「呼吸器外しと死との間に因果関係がある」との鑑定結果をまとめた。
(2007年4月10日 読売新聞)
↓↓↓是非クリックしてみて下さい。↓↓↓
http://www.el-care.jp/
在宅ケアの推進『終末期の安心看護システム』
終末期の安心看護システムの必要性④ 時事通信
本人のみ意思確認0.8%=家族の意向優先半数近く-末期がん治療現場・厚労省
↓↓↓是非クリックしてみて下さい。↓↓↓
http://www.el-care.jp/
在宅ケアの推進『終末期の安心看護システム』
4月14日
末期のがん患者に対し、医師が治療方針を決める際、患者本人の意思確認だけで十分と考える病院は0.8%にすぎず、半数近くは先に家族の意向を確認していることが14日、厚生労働省研究班(主任研究者・松島英介東京医科歯科大准教授)の調査で分かった。厚労省が今月9日、延命治療の中止は本人の意思決定を基本とすると定めた指針をまとめたが、医療現場では本人の意思より家族の意向が優先されている実態が浮かび上がった。