まだみんな寝てる時間やで!
こんな朝早うから走ってるやなんて・・・
・・・えらいっ!!
ゲストの間寛平マイスターに声で送られながら、
晴れて、明るく、前もハッキリ見える富士北麓の道を進む。
昨年は暗い雨だった。
一昨年は、さらに暗く冷たい大雨だった。
風もない。それほど冷えもない。
100kmの入り口。緊張感たっぷりの、それでも快適な早朝のジョグである。
下りでは、ほとんどのランナーが私を抜いていく。
しかしもう慣れた。行きたければ、先に行けばいい。
勾配がどうであれ、頑なに7分/kmを守りつつ、山中湖に出る。
ここも一昨年、昨年は地獄道だった。
今年は好天。富士山も見える。天国である。
ここまで約25km。まだまだ身体は重い。
しかし序盤は燃料をしっかり積んだタンクを背負って走るようなものなので、問題ない。
山中湖に別れを告げようかという辺りで出会ったのは、
今回もソックスとゲイターでお世話になっている、RxL[アールエル] 部長 。
私以上のローギアで、それでも一歩一歩着実な足取り。
写真も撮って頂き、ありがとうございます!
※残念ながら部長は富士北麓の第2関門でTOとなったそうですが、せっかくの100kmを山中湖だけでは満足してほしくないので、河口湖、西湖、精進湖と、その先を目指してぜひまた挑んで頂きたいです。
雲の帽子をかぶったような富士山を望みながら、忍野八海へ。
途中エイドの三角おにぎりで、ひと息つく。
やっと胃腸も目が覚めた感じがする。
昨年まではこのまま富士吉田市内、富士急ハイランドの傍を横切って河口湖へ入っていくところだったが、今年からはいったん坂を登って富士北麓まで戻り、すぐさま今度は坂を下って河口湖へ、というコースに替わった。
例年なら8分/kmでも問題なかった第2関門の閉鎖時刻もシビアに短縮されている。予想通り、前に見える半分以上のランナーが富士北麓への登り坂に白旗を上げていた。
勾配も距離感も、この先の道も頭に入っている。
よって、どれくらいの力でここを抜けていけばいいかも、自ずと計算できる。
正直、初コースで何も分からないままに、まだ前半でこの厳しい坂を登っていくのはなかなか怖いと思う。
ここもまた、これまでの経験が生きた場面だった。
「俺の時間」だといわんばかりに、不安なく、貯めてきた足を使ってグイグイと登っていく。
登りきった先、第2関門は17分の貯金でクリア。
ここまでは順調にこれた。
しかし、下りは苦手な私であった。
(つづく)
※ごまめ知識(2)※
長ければ半日以上の時間を走るウルトラマラソンなので、各々いろんな物を携帯してレースに臨むものだ。
エイドで提供されるものには限りがある上に、自分に合う内容ではない場合も多い。物足りないと不満を言う前に、サプリメントやエネルギー系のフードなど「自分が食べたい、自分に合う」補給食を備えておくことも、不安なく走るための対策といえる。
ドリンクも同じなのだが、トレイルのようにリュックを背負って走るのにも得手不得手がある(私は嫌だよ)ので、スポーツドリンクが欲しいのにまた水か・・・となったりすると、こちらのほうが難しかったりする。
富士五湖については、自衛手段がないわけではない。
携帯品に「小銭」をプラスすればいいのだ。
コース上、特に河口湖と西湖には自動販売機が結構多くある。
季節柄、ホットとアイスが混在して売ってある場合も多い。
お金は掛かるのは仕方ないが、飲みたいものを飲めばいいのだ。
「ハッピードリンクショップ(分かる人だけ分かればいい)」のような安い自販機もある。
走路の脇にあれば何よりだが、道路を横切るなどの際には車に気をつけて頂きたい。
ちなみに、お札よりは小銭で持っておくのがベターだ。
つり銭切れでガッカリしないように、そして雨や汗などでお札が濡れた時に使えなくなる。
私は2年前、千円札1枚を持ってスタートし、雨でグチャグチャになって使えなかった苦い経験がある。