決して、ウルトラマラソンがこの上なく好きというわけではなく、
ましてや「ウルトラにハマりました」なんていう、自分の感覚として「寒いわ」というレベルの理由でもなく。
あくまで、この種目が自分に合っている。つまり「適性」だと思っている。
何より、精神力の戦い。それも「弱い自分」との戦い。
終始遅いペース。途中何度か止まりながら。たくさん飲んで、たくさん食べて。
完走で得られる達成感の大きさよ。他のレースでは絶対に経験できない、ゴールテープも切れる。
正直、めっちゃしんどい。
でも、自分に合っているんだから、これを選ぶ。
それでも、年1回。年1回の荒行。
100kmでは4回目の富士五湖。
本厄の年に迎える100km。思い切りしんどい目に遭って、厄落とし。
いつも通り、3月にフルマラソンを2本走って実を入れる。
花粉症もギリギリ治まった。
コースと関門時刻が変わったとはいえ、
そのほとんどは勝手知ったる100kmの道。
5時間ほどでもしっかり深く眠って、午前2時20分起床。
5時のスタートまで時間があるので、食事は会場に着いてからでいい。
昨年の経験から、早々に決めていた最終ウェーブからのスタート。
空は明るかった。4年ぶりに、富士山がくっきり見えた。
風はない。それほど寒くない。
いいコンディションになりそうだ。
・・・手を合わせ、今日1日の無事を祈る。
号砲。
2015年4月19日午前5時。
4回目の100kmチャレンジが始まった。
100km、しんどいでぇ~!
めっちゃ しんどいでぇ~!
がんばってやーーっ!
・・・うんばらばー!
ゲストの間寛平「師匠」から、マイスターらしい激励に送られる。
スパルタスロンに出るための練習コースとして作られた富士五湖の道。
それが今、我々市民ランナーの戦いの場となっている。
長くて、しんどい、100kmの旅である。
(つづく)
※ごまめ知識(1)※
混雑緩和目的で、参加者の多い市民マラソンでも採用されているウェーブスタート。
今回の100kmは「4時30分」「4時45分」「5時」の3ブロックにスタートが分かれていた。
昨年の完走記にも書いたとおり、私のような最初抑えて走るタイプの場合、早い時間のスタートでは同じブロックはおろか、後ろのブロックから来たランナーにも抜かれ続ける道中となってしまい、精神的につらい序盤戦となってしまう。
だったら最初から後方で出発すれば、抜かれる状況も減り、混雑もそれほどなく走れる。
4時30分のスタートと比べれば、外の明るさや気温の上昇がある程度見込めるのもいい点だろう。
それに今回の場合は71kmのスタートが1時間繰り上がって7時になったため、途中での合流がほとんどなかった。全体の位置づけでも118kmのランナーと並び後方での走行だったので、特に精進湖から帰っていく復路に至ってはランナー間の交差もなく、とても快適に走れた。
あと、トイレは・・・初参加のランナーには気の毒な環境だったと思う。
観光地ゆえに公衆トイレはたくさんあるのだから、トイレマップを作ればいいのにとも・・・地元の理解も必要だが。
たとえば「山中湖畔まで出てしまえば、トイレには困らない」ということが分かっていれば、序盤のタイムロスは確実に防げる。
「次のトイレがどこにあるのか分からない、という不安」が、トイレ待ちの行列を作ってしまう。数自体はあるのだから、仮設トイレを増やす必要まではないと思うが、関門を厳しくしたのなら、トイレに関する情報をちゃんと伝える配慮も欲しかった。
これは1回でも走らないと分からないことなので、経験の差が思った以上にタイムに出てしまう具体例の1つかもしれない。