予約していたランチのお店と町家のお宿が清水五条 駅の周辺ということもあり、

2日間の滞在中、五条や四条の辺りを寺巡りしまし た。

清水五条駅に降りたって、最初に向かったのは、六道 珍皇寺。

あの世への入り口ですってよぉ~♪ 
これは興味深い・・・

それでは、あの世へ٩(ˊᗜˋ*)وLet's go!

ん?

鐘つき堂のはずですが、鐘が見えません。
代わりに、何やらロープが付いてますな。
さすが あの世への入り口。シュールだわ。

このロープを引っ張ると、

ゴォ〜ン・・・

見えないというだけなのに、 なんでこんなにおもしろいのか♪
(オカンは 「なんか楽しいわ~!」と 3回も鐘をついてました笑)

⬆小野篁 冥土通いの井戸。

平安時代初期の公卿 小野篁 (おののたかむら)が冥界 への往路に使ったとされる井戸です。

覗いてみましたが、残念ながらあの世は見えませんで した。(ちょこっと水が見えました)

こちらは、黄泉がえりの井戸の水。 
冥界からの帰路に使っていたそうな。

篁は、昼間は朝廷の官吏、夜は冥界で閻魔大王の裁 判補佐官をしていたという伝説が。 
だから、夜な夜な冥界へ通っていたのね。

六道珍皇寺の所在地付近は、平安京の火葬地であった 鳥辺野の入り口にあたるそうで、現世と他界の境が あると考えられてきました。

六道珍皇寺が京都の他の寺院と趣が違うのも、小野 篁の井戸の伝説も、そういうバックグランドがあったの かもしれません。

以前うかがった幽霊子育て飴の「みなとや」さん も、このすぐ近くにあります。
その伝説もまた、あの世への入り口 「六道の辻」が舞台になっているからかもしれません。


ランチの予約時間までまだ少し時間があったので、も う1つお寺巡りを。

建仁寺の襖絵を見ようと、六道珍皇寺から近道してい ったつもりだったのに、細い道に迷い込んでしまい・・・

そして、たまたま見つけた霊源院。 建仁寺の塔頭の一つです。

何やら立派な書と、その奥の庭の緑が美しそう・・・ 「新庭園『鶴鳴九皐』特別公開中」という看板。
気になるわ...

オカンの「ねぇ、せっかくだから入ってみよう!」という言葉に背中を押され、予定変更。
これも何かの縁だわ。
晴れた秋空に、よく手入れされた緑と白砂が映えて、清々しい。

横のお庭も美しかった。

見惚れたオカンは、この後、蚊取り線香のブタちゃんを 蹴飛ばしてしまいました 笑


去り際、お坊様が庭の木々に水遣りを始めました。初めて見る光景に、思わず📷✨


ちょうどランチの予約時間まであと15分くらいになり ました。

松原橋を通って、鴨川を渡ります。

予約のお店に到着。 かっこいいアプローチを通り抜けて...

やって来ました!
 「AWOMB (アウーム) 西木屋町」さん。

きれーい!!
めっちゃ映えてますな~♪

こんなふうに、海苔の上に、好きな具材をのせて、好きな調味料を付けていただきます。

京都のガイドブックにも紹介されることの多い 
AWOMBさん。 
この美しい手織り寿司に憧れて、今まで何度か予約を試みたのですが、いつも満席でした。
それが、今回、休日にも関わらず、運よく1席空いていたんです\(°∀°)//

見た目だけでなく、一つ一つ本当に丁寧な仕事がし てあり、とても美味しかった♪

興味のある方は、上のお品書きを拡大して、写真と見比べてみてくださいな。

私が特に気に入っちゃったのは、五色あられをまぶしたあわ麩と 無花果の取り合わせ。
そして、梨と松の実の白和え。

自家製果実酢のドリンクも、オシャレでおいしい♪
心もお腹も満たされる素敵なランチでした

ランチの後、②で書いた町家の宿にチェックイン。

写真を撮りまくった後は、昼間から露天風呂に入り、食べ放題のハーゲンダッツを食べて、のんびりくつろぎタ イム。

油断してたら、夜でした(笑)

夕食の買い出しに、京都の我が家を出発。
旅先の夜の散歩って、わくわくします♪

四条大橋まで歩くと、夜の南座。
そして 東華菜館と夜の川床を楽しむ人々。

祇園と 河原町を結ぶ四条大橋。

京都一の繁華街です。

連休ということもあり、コロナ禍の夜でもびっくりする くらい人が多くて。
ストリートミュージシャンが奏でるギターの音色が、 人々の活気と油断を夜空に溶かしながら昇っていくみたいでした。
京都2日目の朝。


朝食を済ませて、チェックアウト。

京都迎賓館見学ツアー予約までまだ時間があったの で、六波羅蜜寺へ。

空也上人像や 平清盛像が所蔵されていることで有名ですよね。

私は、20年ほど前に来たことがありましたが、外にこんな優美な仏様がいらっしゃったのは、初めて知りました。

桔梗の花も見頃でした。


さて、次の目的地へと歩を進める途中、
 おもしろい看板が。

「菱六もやし」だって。

なんで京都の街中でもやし?

調べてみると、私たちがよく知ってるもやしではなく、 味噌や醤油・お酒等の麹菌のことらしい。

現在でも、酒造メーカーでは、種麹のことを「もやし」 と呼ぶ習慣があるそうです。

全国に7軒しかない種麹屋さんのうち、京都にあるの は、この菱六さんだけなのだ。

祇園の近くには、町家が並びます。

町家の屋根の上には、鐘馗さん。 
家によって異なる鐘馗さんの顔を、楽しく見ながら歩きました。


京都迎賓館の最寄り駅、出町柳。
京阪電車の終点です。

高野川と賀茂川が合流し、ここから下流は鴨川と呼ばれます。
そこにできた三角州(鴨川デルタ)は、京都らしい眺め で、とても好きな場所。

京都迎賓館と梨木神社の見学を終え、そろそろお茶 でも飲もうか...

京都御所近くでお茶する所といえば、前回の京都で 前を通りがかった「虎屋茶寮」。
憧れの虎屋でお茶が、こんなに早く実現するなんて~ ♪(*´艸`**ウフ♡)

・・・と、

伺ってみたら、なんと35組待ち∑(°д°;)

悔しいですっ! (')

こうなったら、もう本田味噌本店だーっ!

前回の旅で、たまたま見かけた看板が、絶対おいしい でしょ!という風格だったの。

この日の暖簾は、祝日バージョン。 
おめでたい感じで、カッコイイ~ 
飲食店ではないけど、入ってみました。

その中から、看板商品の西京味噌、一わんみそ汁、西京味噌のラスクとマドレーヌを買いました。

食べてみましたが、西京味噌の上品な麹の香りは、味噌汁にもスイーツにもよく合います。

西京味噌は、ナスの白味噌田楽にして、今日の晩ご飯に使う予定。


2日間 歩きまくって楽しみまくったので、かなりヘトヘ トでした。
「衣」にも行かず、琥珀流しも食べずに、いっぱいお寺 や神社を巡りました。
京都駅で駅弁でも買って、新幹線の中で食べて、家に 帰ったらバタンキューしよう!

どんな駅弁にしようかな~?

おっ! 疲れた身体にはこれじゃないかい?

どーん!

焼き肉弁当!

京都人は、肉が好きなのよ。知ってた?

・・・と、愛知県民が知ったかぶりして、ぺろりと平らげ た旅のシメでした♡

今回の食レポは、おとなしいどすえ。


京都を巡るプランを決める時に、 私が必ず参考にすること.....

それは、季節の花です

9月中旬が見頃の花....
サルスベリ、ムクゲ、フヨウ、キキョウ... 
そして、萩(ハギ)....

調べてみると、京都御苑のすぐ近くに 萩の花の名所があるらしい。

梨木神社(なしのきじんじゃ)です。

おお! 咲いてますねぇ~

三分咲きくらいでしたが、
萩の花の風情が とても素敵です。

秋って、私にはあまり馴染みがありませんでした。

でも、実は『万葉集』の中の植物が詠まれた和歌のう ち、いちばん多い植物は、 
第1位…萩、第2位…梅、第3位…橘
なんですって。

秋風に揺れるたおやかな萩の花は、古くから日本人 に親しまれてきたのですね。

コロナ禍ですが、萩まつりが規模を縮小して行われて いました。ラッキー!

府民が詠んだ萩にまつわる俳句が、境内の萩に飾ら れていて、これまたいい感じ。

手水舎の前の萩にはこんな俳句
「ひょいと来て 見頃に出会う宮の萩」

まさに!
今の私の気持ち、そのままですわ~

ところで、ここの手水舎の水は、とても有名です。

染井(そめい)といいます。
京都三名水の、醒ヶ井(さめがい)、県井(あがたい)、染 井(そめい)のうち、 今も水が湧き続けているのは、この染井だけ。

毎月第3日曜日に行われる「染井会」というお茶会で は、染井の水を使ってお抹茶を点てるそうです。

梨木神社の御朱印、とってもキレイ♪
御朱印好きのオカンも、思わず大感激~

お参りを済ませ、ランチに行こうと踵を返すと、 
本殿の近くで、弓を持ったオジサマたちが何やら話し 込んでいます。

たくさんの椅子も置いてあり、何かイベントがあるの かな?と思い、オジサマに聞いてみました。

「何かイベントですか? もう終わってしまいました か?」

「いえ、午後2時からです。僕ら、装束に着替えて、弓矢 をやりますよ。」

オカンが
「せっかくだもん。見てみたい!」と。

急遽、近場でランチを済ませ、 迎えた午後2時。
再び梨木神社に着くと・・・



萩まつりで、小笠原流礼法弓術が奉納されているところでした。





京都は、一年を通して、こういう歴史ある祭や行事が どこかで行われていると聞いたことがありますが、 目の前で見たのは初めてでした。

驚いたのは、弓を弾く方々だけでなく、観客も、すごく真剣だったことです。

私のように、写真を撮りまくっているのは少数派で、 みなさん、矢の行き先を静かに見守り、見事的を射抜けば控えめな「おお……」の声。

ぺちゃくちゃおしゃべりしている人は、誰もいませんでした。

歴史と伝統あるものを大切に受け継いでいく京都人 の心根を、垣間見た思いがしました。

いいもの 観させていただきました!
今回の旅のメイン、京都迎賓館。

京都迎賓館は、国賓のおもてなしのために平成17年 京都御苑に開館しました。

以前、仕事の関係で、岐阜県の美濃和紙を取材したこ とがありました。
ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている美
濃和紙。
その中でも、最高ランクの「本美濃紙」。
原料に楮(こうぞ)のみを使い、徹底的に手作業でアク と塵を取り除くことで、ほかの産地の和紙と比べて「白さ」が特徴。
熟練の職人さんが漉くことで、繊維が縦と横にしっかり絡むので、薄くて丈夫。
そんな特徴をもつ本美濃紙は、 障子にピッタリ。
取材して思わず欲しくなり、買い求めましたが、たった 1mくらいで、2500円を越すお値段。高級品です。

京都迎賓館の調度品に使われている和紙は、すべて 本美濃紙だと聞いて、一度見てみたいなぁ...と憧れて いたのです。

でも、国賓でも大臣でもない私には、 そんなチャンスはなかなかないよなぁ...と思っていました。
がっ!
平成28年から、通年で公開しているというじゃあ〜りませんか!
コロナ禍の今は、5月末の緊急事態宣言解除に伴っ て、一般公開が再開されている!
ネットでガイドツアーを予約して、 
やってまいりました! 念願の京都迎賓館
正面玄関の扉は、樹齢700年のけやきの一枚板を使 ってあるんですって。

正面玄関にふさわしい銘木を探していたところ、福井 県で伐採後30年程度じっくり乾燥された逸材がたま たま見つかったんだそうです。

オープンザドア!

さっそく本美濃紙の障子と行灯です

京都迎賓館内は、カーテンを一切使用せず、窓などの 内側はすべて障子です。

館内にある430枚ある障子はすべて、本美濃紙保存会 による 手漉き和紙。

きらびやかさはないけれど、実はものすごく贅沢。

本美濃紙の白さと薄さは、光を遮りながらも、柔らかく 光を通してくれるので、優しい明るさになります。 ちなみに、洋紙は、日光に当たり続けると黄ばんでき ますよね。

それに対して、本美濃紙は、紫外線に当たると、かえっ て白くなっていくんですって。高価だけど、長く使えるス グレモノなんですよ。

【桐の間】

和食を提供する「和の晩餐室」。

漆の一枚仕上げの座卓は、長さ12m。 
曇りなく磨かれて、鏡のようです。

座椅子も、ピカピカの漆塗り


写真を撮る私の姿がばっちり写ってるw

蒔絵の「五七の桐」が施されてますが、椅子ごとに葉 の色味が異なっていて、同じものは1つもありません。
柱の釘隠しも、五七の桐。
(五七の桐は、明治時代から日本国政府の紋章として 使用されています。京都迎賓館の紋章でもあります。)

【聚楽の間】

ロビーのような場所です。

何気なく置かれた花籃は、 
人間国宝 早川尚古齋作の竹工芸。

館内で唯一、自然光が入らない部屋なので、
安楽椅子の座面には、鮮やかな赤色の西陣織が使われています。
ちなみに、この安楽椅子には、鉄や釘は一切使われていません。


この部屋の釘隠しは、千代結び 平和への願いが込められています。 釘隠しの形は、部屋ごとに違うんですよ。

【庭園】

京都御苑の緑の木々を借景として、まわりの建物に融 け合うように配置された池。

古くから日本人の住まいに貫かれた伝統「庭屋一如」 の思想です。

東西の建物をつなぐ廊橋を渡りながら、素晴らしい庭 の眺めを楽しめます。

吉野杉の船底天井も、池との一体感と奥行きを感じさ せてくれます。

廊橋天井に施された透かし彫り。
 蟋蟀(こおろぎ)と蜻蛉(とんぼ)。 
職人の遊び心に思わず笑顔(*´`*)


錦鯉たちは、2004年新潟県中越地震で大きな被害を 受けた旧山古志村産。

その後、この池で生まれた稚魚もいます。

「ヒレナガニシキゴイ」 という尾びれの長い鯉が、上 の写真に1尾、下の写真にも1尾いるのが分かるで しょうか?

インドネシアのヒレナガゴイと日本の錦鯉との交配種 なんですって。

 和舟に乗って、舟遊びができるようになってるんですね!

外国からの賓客に、日本文化を楽しんでもらえます。 雅じゃのう~


【夕映の間】

大臣会合などの会議や立礼式のお茶のおもてなし等 に使われる部屋です。

東側の壁面には 「比叡月映」 京都の東にそびえる比叡山を月が照らす様が描かれ ています。

西側の壁面は「愛宕夕照」
京都の西に連なる愛宕山に夕日が沈んでいく様です。
2つの絵はどちらも、日本画家の箱崎睦昌の下絵をも とに、綴織りの技法で製作された織物。
 さらっと書きましたが、織物なんですよ!

この絵の具で描いたような織物には、いったい何色の 糸が使われているんでしょう?

回廊から眺める庭園。 どこから見ても、額縁に入った絵画のように美しいで す。

【藤の間】

迎賓館の中で最も大きな部屋。 洋食の晩餐会や歓迎式典の会場に使われます。
天井の照明は、本美濃紙と京指物の技能でつくられた 格子光天井。
連凧のような3段の笠は、高さの調節ができるように なっているそうです。


壁面装飾は、日本画家の鹿見喜陌の下絵をもとにし た綴織りの織物。



広い空間を柱もなく支えるために、上から吊ってある んだそうです。

洋食の晩餐会では、こんなふうに食器や椅子が並べら れるんですね。
 華やかさの中にも落ち着いた色味がステキな食器。 さり気なく五七の桐が。

藤の花言葉は「歓迎」。
椅子にも床の緞通にも、藤の紋様。
藤を思わせる落ち着いた品のある色も、ステキ


私の愛する美濃和紙が、日本文化の代表として惜し げもなく使われていて、なんだか誇らしかったです。

日本の自然から生まれた素晴らしい材と、伝統工芸の 職人たちの技と文化が結集した京都迎賓館。

ドヤ顔せず、自然と調和する日本の素晴らしい文化 は、日本人こそ知るべきです。

機会があれば、ぜひ!! オススメですよ~