カーネギーホール満席日本人ピアニストのいつも崖っぷち | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

崖から落ちたことのある人って、1秒がいかに長いか分かります。

 

そして無事に生きのびた人がいくらでもいる。

 

舞台ってそれなんですよ。

 

逆に一歩滑ったら崖から落っこちるということしなかったらつまらない。

極限までいかなくちゃあ。そういう状況下では、

 

普段なら絶対に見えなかったものが突然見えたり、

いままで分からなかったことも分かります。

だから面白い。

 

(1997年3月グラツィア)


 

 

 

 

カーネギーホールで

これから内田光子さんのピアノリサイタルが始まる瞬間

 

 

 

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2019年内田光子さんのカーネギーホールリサイタルのお写真

 

 

 

ピアノはスタインウェイ

ピアニストがスタインウェイを訪れ

自分が好きな音を奏でるピアノを事前に選ばれるそうです。

 

 

 

 

 

上の言葉は、一つ前の「受験に失敗した子たちに与えられた特権」を書いていてふと思い出した、内田光子さんのインタビュー記事です。

 

 
 

ニューヨークで大変お世話になっている麗しき友人のお誘いで、内田光子さんのリサイタルに行ってきました。

カーネギーホールは満員。

 

スタンディングオベーションが延々と続く演奏でした。

 

 

このところ、光子さんはカーネギーホールで精力的にソロリサイタルを開いてらっしゃいます。

まるでニューヨークにお住いなのかしらと勘違いしてしまうほどのペースです。

 

こちらは先日のリサイタルの様子です。

 

友人とオーケストラ席で光子さんのベートーベンの難解なピアノソナタを聞きながら、友人がポツンと言った言葉があります。
「あの舞台で一人演奏するのはきっと孤独な闘いでしょうね」
 
 
まさにと思いました。
 
そして後で思い出したのが巻頭のお言葉です。
 
一人で大きな舞台で演奏するのって、崖っぷちから落ちる覚悟をして臨むこと。
 
そしてたまには落ちることもある。
光子さんはその修羅場を舞台で経験されている。
 
 
 
 
 
 
わたしは、ストレスレベルが高い時、よく同じ夢を見ます。
 
眼下には川が流れる堤防のハイウェイを運転していて、急カーブで切り損なって真っ逆さまに車ごと落ちていく夢。
落ちていくときは、まるでスローモーションなのです。
 
あ、どうしよう、今、宙を飛んでいる。
着地をした時、車はクラッシュし、死ぬんだ。
 
そんなことを考えながら落ちている時
目が醒めるのです。
 
 
ああ、夢でよかった。
でも、目覚めた後もまだ心臓がばくばくしています。
 
 
そういえば、不意に転んで骨折した経験のあるマダムが、あ、つまづいたと思った瞬間、地面に体が叩きつけられるまでが、まるでスローモーションのように長い。
骨折する。
でも、体制を整えるには短い。

 

そう考えを巡らす時間もある、とおっしゃっていたのが忘れられません。
 
この、崖から落ちるは、あくまでも人生における「たとえ」です。
精神的に、崖から落ちて叩きつけられる経験をしたからこそ、彼女は観客に究極の感動をもたらすことができる。
 
 
わたしはいまだに、崖から落ちるほどではないけれど、小さな会社を経営しているので、ものすごい綱渡りを強いられることもあります。
また、相手にしているのが、アパレル業界という、手間と人手がうんとかかり、手っ取り早く稼ぐには一番不利な業界です。
 
相手もまた、パンデミックなど想定外のことがあると、バタバタと倒れます。
 
だから、あ、落ちると感じることはよくあるし、実際に落ちたかなと感じることもあります。
 
けれど、今なら、落ちながら考え、体制を立て直すことができます。
 
それは不動産の売買をしていたときの経験、体を壊しそうになるほど多くを抱え込んでこなしていたファッション編集者時代の経験が役に立っているのだと思うのです。
 
 
そしてしみじみ思います。
 
 
失敗は成功のもと
 
 
この言葉はやっぱり正しいなと。
最後に、トーマスエジソンの言葉を持って
この記事を終わりにしたいと思います。
 
 
我々の最も大きな弱点は、諦めることにある。
成功するための最も確かな方法は、
常にもう一度だけ挑戦してみることだ
 

 

 

 
 
 
 

 

 

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