国籍というアイデンティティ保持に必要なもの | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

 

バブルの時代、一等地に土地やビルを所有していたある一族の知人が、父親が亡くなり、全てを相続し ,一部売却した際、あまりの高額な固定資産税や相続税に悲鳴をあげ、とうとう香港だか、スイスだかに国籍を移しました。

 

 

以来、世界中を拠点に悠々自適の生活を続けているようですが。

晩年の今は、どうしているんだろうとふと、考えることがあります。

 

 

 

 

 

 

 

彼の友人たちの多くは日本にいるはず。

いくら世界中に新しく友人ができても、国籍的に宙ぶらりんになってしまったことを後悔することはないのかな、なんて考えてしまうのです。

 

 

 

 

 

一方、義母はアメリカ生まれ、20代まではアメリカで育ったアメリカ人です。

けれど結婚して数年後、若くしてイギリスに移住。

それからずっとアメリカに住むことはありませんでした。

 

つい11月まではトロントにお住いでした。

いえ、11月は1ヶ月間、パートナーと一緒に、マイアミのわたしたちが所有している小さなコンドミニアムに避寒滞在していらっしゃいました。

 

 

 

 

ところが晴天の霹靂。

 

12月、カナダに戻るとすぐ、お一人で、猫ちゃんだけ連れて、身一つで二人の息子がいるニューヨークに引っ越して来てしまったのです。

 

 

アメリカのパスポートもあるアメリカ人ゆえ、本人としては長く留守にしていたアメリカに戻ってきたわけで、それでまさか多大な問題が生じることになるとは想像もされなかったのだと思うのです。

 

 

ところが、アメリカを不在にしている間、税金の申請をされていなかったこと、ソーシャルセキュリティ番号を申請していなかったことが致命的となり、彼女のアメリカ人としてのアイディンティティは宙ぶらりんの状態にあるのです。

 

 

アメリカ人でありながらアメリカ人が受給できるベネフィットは受けられず、かといって出方を間違えると、長年住んでいたカナダでのアイディンティティまでなくしてしまう可能性があるのです。

 

 

そのため、今、夫たちは専門家に相談しながら大変な思いをしています。

 

 

アメリカは日本と違い、「世界税」が課せられる国で、アメリカ人である限りは、世界中どこに住んでいても、国外で生じた富に関しても税金の申請をする必要があるのです。

 

けれど、アメリカを離れている間、カナダ人の夫(夫の父)と結婚した義母はその義務を怠っていたためです。

 

 

 

マイアミはラテンアメリカへの表玄関。
多くの人がスペイン語と英語のバイリンガルです。
常夏の場所で
リタイアするとアメリカ各地から
引っ越してくる目的地でもあります。
 

 

 

 

ところで数年前、夫がカナダの銀行に長年放置していたそれほど多くはない金額が問題になり、IRS(アメリカの国税局)から通達がきました。

 

その口座は長年全く動きはなく、忘れていたという言葉がぴったりでした。

 

 

長い話を短くすると、その口座に関して申告漏れがあり、それに対応するにはいつもの税理士さんでは足りず、国をまたいだ税法に詳しい弁護士さんを雇うことになりました。

 

ほぼ2年の歳月をかけて、未払いの税金を処理するために、弁護士さんに払った金額だけでドイツのスポーツカーが一台買える金額となってしまいました。

 

アメリカの場合、たとえ収入はほぼゼロに等しくても、必ず申請はしなくてはいけないのです。

 

 

義母は、90歳をすぎていますが、常服するお薬もなく、歯もお丈夫でまさに医者いらず。

そのため、アメリカで万が一健康を害した時の保険のことなどもすっかり頭から抜けていたのでしょう。

 

 

 

 

 

わたしは、毎年税金の申請の時期が近づくと、未だになんだかドキドキします。

 

 

日本の会社の会計情報なども税理士さんに毎年エクセルで詳しく提出していただき、日本で源泉徴収されている課税分についてもきちんと証明書を提出してもらっています。

 

 

毎年、日本とアメリカ両国で、かなりの金額が税金で持っていかれている気がして、「こんなのあり?」と思うことも。笑

 

けれど、今年からメディケアを受給できることになり、ソーシャルセキュリティ年金も希望を出せば受け取れます。

その金額を知ると(円にして10万円以上で日本の厚生年金より多いと思われます)これまでは大変だったけれど、きちんと税金を払っておいてよかった、と思えるのです。

 

 

そろそろ会社では移動の時期ですね。

海外駐在になる方もいらっしゃるかもしれません。

 

大企業であれば、会社の総務部などがきちんと面倒を見てくれると思います。

 

ただもし、あなたが独りでアメリカに移住することを考えてらっしゃるなら。

 

 

真っ先にきちんとするといいことは「ソーシャルセキュリティ番号」を取得することです。

わたしは、日本の国籍を放棄したくないため、今だにアメリカではグリーンカードホルダーですが、税金面や年金などのベネフィットでは市民権所有者とそれほど大きな違いはないと感じています。

 

 

税金ってできれば払いたくない。。。

 

でも、その税金で他者を助けることができ

ひいては自分に跳ね返ってくる。

 

 

良くも悪くも。

 

 

また税金は、自分の国籍というアイデンティティを保持するためには不可避のものでもあります。

 

 

なんてことを夫と義弟の義母がらみの苦悩を目の当たりにしながら考えてしまいました。

 

 

日本では夜分遅くにお付き合いくださりありがとうございました!

それではおやすみなさい!

 

 

 

 

 

 

 

 

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