わたしは若い頃、
今の自分が見れば呆れるほど
身分不相応な服やバッグを買っていました。
バブルの時代だからという言い訳もあるかもしれないけれど。
借金をしてまで買うということはなかったし
貯金を使い果たしてしまうこともなかったけれど。
今の自分ならきっと違う使い方をしているでしょう。
今ならきっとその分で旅行をするでしょう。
今は流石に憑き物が落ちたように
物に向かうエネルギーは
なくなってしまいました。
20代、30代でつぎ込んだ洋服の90%は最終的に地球のゴミになったはず。😭
バッグも60%は同じ運命を辿っているはず。
ルイヴィトンのボストンバックにカビを生やしてしまったり。
金具が壊れたハイブランドのバッグをどこにお修理に出していいかわからずそのままにしてしまったり。
一流と言われるブランドのバッグも表面がボロボロになって仕方なく捨ててしまったり。
ファッションを仕事にするぐらい好きだったので、これはタフレッスンのお勉強代と思うしかないのだけど。
あの時もっと上手にお金を使っていれば、ゆうに1千万円ぐらいの違いは出て、それを30年うまく投資に回していたら、5倍には増えていたんだろうな。
と、夫がよくからかいます。
その通りかも。
でも、服たちはお役目を終えて旅立って行ったけれど、わたしに、言葉には尽くせないぐらい仕事への自信や自己肯定感を与えてくれました。
本当に心強い名脇役たちでした。
また、20代、30代でつぎ込んだ洋服の
90%は地球のゴミとなっても、
残り10%は今でも多くが現役で活躍中。
わたしの殿堂入り宝物です。
30年以上前のものも何枚もあります。
その生き残った多くを占めるブランドがあります。
そのブランドはバッグも優秀で、これまで買ったバッグは全て新品同様の状態です。
それは何かというと。
シャネルです。
他にも一流ブランドは数あれど。
結果的にダントツですごいのはシャネルでした。
わたしは20代はファッション編集者として
有名なデザイナーに
パリ、東京、ニューヨークで
インタビューをしたり
毎月のように彼らの作る服を
コーディネートルームいっぱいに借りて
撮影をさせてもらっていました。
洋服1枚ずつを手に取り、
素材をチェックしアイロンをかけ、
どのモデルさんに似合うか
服のクセをチェックします。
ものすごい量の服たちと
毎月向き合ってきました。
だから街を歩いている人が
着ているハイブランドの服は
ほとんど一発でいつのシーズンの
コレクションかが
当てられるぐらいでした。
ただ、自分が個人的に好きなブランドは
実はシャネルではなく別にありました。
なんとなく甘すぎて
型にはまりすぎていて
もう少し辛口が好きだった
わたしの当時のパーソナリティには
合わない気がしていたのです。
が、今、クローゼットを開けてみて
一番服としてすごいなと感じるのは
シャネルなんです。
ジャケットは昔から有名だけど、
バッグも、ジュエリーも、香水も
時代の波を軽々超えていつも第一線。
この時計は今は廃番に。リングはCOCO Crush
どちらもわたしの日常定番です。
ここにRishのリングやブレスを加えていきます。
お値段も特に服は簡単に手が出ない価格帯です。いつの時代も他の追随を許さないお値段です。
しかも絶対にセールをしません。
それでも買って後悔させないクオリティと恒久感は素晴らしいです。
19歳の時に初めてパリで買った黒のシャネルのバッグ。
3ヶ月デパートでアルバイトをしてためたお金で買った時は、あのふっくらしたキルティングのレザーは、きっと数年でダメになると思っていました。
それでも買ってしまったのは本当に憧れだったのでしょうね。
40年以上前のことです。
そのバッグは10年ほど前、バックルが壊れお修理に出しました。
すると新品みたいに見違えるように生まれ変わって戻ってきました。
今でも現役で使っています。
あのキルティングのふっくらはなくなったけれど、全く古さは感じさせません。
こちら

も30年以上前のもの。
もう廃番になっていますね。
ただこのバッグには、20年ほど前、仕事中ボールペンで跡をつけてしまいました。
こちらもお修理に出して、完璧には取れなくてもかなり目立たなくなりました。
そしてこちらは20年以上前のジャケットです。
なんと、今年のコレクションに同じ型を使用したジャケットがありました。
こういうのを見ると、このデザインの恒久性の凄さを実感します。
こちらは

わたしとしては新しいコレクションです。
10年以上前のバッグ
5年前のサンダル
どれも今も全く古くなく定番として着用できる
シャネルがハイブランドの中でも、追随を許さない地位に輝き、今も昔も投資価値が高い理由は4つの企業努力にあると思います。
1 デザインの一貫した流行の波を超える恒久感
何十年も前の型を温故知新で少し変えて再びコレクションに出してくる。
それでも全然古さを感じさせないのは、ココ・シャネルが打ち出したイメージを忠実に踏襲し時代に合わせて進化させられる優秀な継承者(カール・ラガーフェルドなど)がいたから。
アイコニックなデザイン性は何十年経っても、着る人のエスプリを振りかければ古さを感じさせずに着こなせる。
2 買ったあとのお修理&アフターサービス
壊れても万全の体制で低費用でお修理してもらえる安心感があるから、どんなに高くてもその価値が落ちることなく、長年愛用できるのです。
3 リセールで値段が落ちない投資効果
バッグやジュエリー、時計などの宝飾品なら次世代に譲れるだけの投資価値が期待できるでしょう。
けれど、洋服は所詮消耗品だし、時代の波には抗えず、廃れていく運命にあります。
それなのに、セカンドマーケットでも値段が落ちないのは本当にすごいです。
4 年代や体型を超えてだれにでも似合う
ティーンの頃はそれは香水だったり、母親譲りのバッグだったり、化粧品だったり。
それから年齢を重ねながら1つずつバッグを揃えていくとか、靴を買ってみるとか。
中年の危機で気持ちが揺らいだり、シナプスが掛け違えたりして、ええいと清水買いでジャケットに手を出しても。
想像以上に長く着られ、簡単には廃れないし、廃れてもクローゼットに寝かせておけば着られる日が戻ってきます。
投資といえば株や不動産だけど。
リユーズドでも値段が落ちないという点では、立派な投資価値がある。
以上、これまでの人生で着た服の90%は地球のゴミにしてしまったわたしの、10%未満の服に関する意外な成功談でした。
蛇足ですが。。。。
1960年、ジャクリーン・ケネディがダラスのパレードで着ていたのもシャネルでした。
いえ、正確に言うと、パリから取り寄せたシャネルの生地で、N Yで作ったレプリカだったそう。
大統領夫人として、アメリカ製の服を着る義務があったシャネル大好きなジャッキーの、ギリギリの妥協案だったのですね。
この頃(60年代)からシャネルスーツはすでに手が出ないほどのお値段だったのです。
こちらは、シャネルの着こなしの今と昔。
90年代初頭のリンダ・エバンジェリスタ
なんかまた肩パッドの入ったジャケットが
戻ってきていますね!
80年代のイネスさんは本当に素敵でした。
やっと工房のある国のパンデミックも収まり、Rish NY オリジナルのLOVEリングのご予約を受注できることになりました。
前回分は、コロナで大変な中納期より早く送ってもらったLOVEリング。
お買い上げくださったたくさんの方にお褒めの言葉をちょうだいし、大切にしていただいているリングです。
今回も日本サイズ9号(アメリカ5号)から16号(アメリカ8号)まで各サイズご用意できます。