マイナー大学教授の気骨ある活動とそのGALA | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

みなさま、こんにちは。

ニューヨークは、またして寒さがぶり返してしまいました。
みなさんは体調などくずされていませんか?


5月ともなると日も長くなり、さまざまな団体が寄付金集めのイベントを開催します。

中には、真面目にサポートしたいと思う団体はもちろんですが、みんな行くし楽しそうだからわたしも息抜きに行こう! というのもあります。笑


昨晩は、真面目なサポートで、クィーンズにあるクィーンズ大学まで行ってきました。
(みなさん、クィーンズ大学ってご存知でしたか? 笑)

クィーンズ大学は、アイビーリーグの大学の足下にも及ばないかもしれないけれど、その学生の顔ぶれのカラフルなことといったら、全米1かもしれません。

NY近辺に住むさまざまな人種のうち、主に移民してきたばかりという一世、二世たちが中心に通ってくる学校で、全体の70%はファイナンシャルエイドを受けています。
(といっても年間の授業料は5千ドル、マンハッタンの私立校やアイビーリーグの大学とは比べ物になりません)


夫の友人マークは、このクィーンズ大学で中東政治について教鞭をとり、その傍ら、中東平和のためさまざまな命がけの政治活動もしている気骨ある男です。


その彼が、4年前大学内で立ち上げたのが、CERRU (The Center for Ethnic, Racial & Religious Understanding at Queens College)というオーガニゼーション。

まさに人種のるつぼ、しかもクィーンズという場所柄を反映して、低所得層、ミドルクラス中心に、これ以上はありえないというほどカラフルな宗教、人種、エスニックグループからなる学生たちが通ってくる学校です。

だからこそ、お互いの理解を深めあい、学生レベルでそれぞれの垣根を越えるにはこんないい機会もありません。
ひいては今中東で展開されている根深いアラブとユダヤ、クリスチャンの溝を埋める活動につなげようという目的で立ち上げられた団体なのです。


もちろん、資金が集まらないので、マークを尊敬するわたしたちは、サポーターとしてそのGALAに行ってきました。


この団体の活動について、またマークが命がけで展開している中東平和への政治活動についてはまたいつかお話したいな~。

本当にのほほんとマンハッタンに住んでいると信じられない苦労をして学校に通って来ている子たちがいるのよね。



そんな子たちをサポートすることにもなるこういう活動を知るにつけ、アメリカにお住まいの天文学者のゆうこさんがコメントをくださっているように、
様々な社会学でも実証されているように、多様性のある環境(社会)では生産性も高くなります。
アファーマティブアクションによる多様性の創出は、豊かな社会、という観点からも大事だと思います。

という意見にわたしは激しく賛成してしまうのです。


これぞ、アメリカの強みであり、もしかしたら昨今の日本の弱みなのではないかしら。



でも、いろいろな意見があっていいのよね。

マークが昨晩、こんなことを言いました。

交渉は白か黒かを争っていてはいつまでたっても成立しない。
限りなく続くグレーのグラデーションの中で時間をかけて模索しなければならない難題もある。


また、「華麗なるギャツビー」のスコット・フィッツジェラルドのこんな言葉も引用していました。


The Test of a first rate intelligence is ability to hold two opposed ideas in mind at the same time and still retain the ability to function.

One should, for example, be able to see things as hopeless and yet to determined to make them otherwise.