Facebook にまつわるニューヨークの常識 | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

アッパーイーストに、アパートメントを購入しようと決めたクライアントに、

最近は真っ先にお願いすること。



「Facebookでのアカウントを削除するか、

それが無理なら、内容をこれ以上はあり得ないほど、シンプルにしてください」

ということ。




というわたしも毎週のようにお誘いはうける、このSNSのFacebookですが、

アカウントは持ってないし、

多分今後も持たずにいくことでしょう。



また、気軽につぶやけるがために、

わたしなど墓穴も掘りそうなTwitterも、

み~んながなさってて、楽しそうだけど、

今後も足を踏み入れないままでいったほうがいいかなと思ってます。


今日は、その理由について。



だれも書かない★ニューヨーク1%未満★
コロンバスサークル、タイムワーナービルの60階からアッパーイーストを臨む。





ニューヨーク、特にマンハッタン、アッパーイーストという場所は、

住宅事情もとっても特殊だというお話は、過去記事でもいたしました。





外国人が投資で購入するコンドミニアムとは別に、

投資目的では買えないCoopというニューヨーク独特の住宅形態が存在し、

Coopのアパートメントを購入しても、

登記簿には記録されないばかりか、

購入に際し、

アパートメントビルに住む住人たちで組織されている委員会が主催する

審査や面接が義務付けられており、

それにはねられれば、

どんなにお金があっても、

また、どんなに有名人であっても、

(これほど、ダイバーシティに神経質になっているのに)

購入をお断りされちゃうってことを、

実は多くのアメリカ人すらご存じないのです。




そして特にアッパーイーストの五番街からパークアベニューの間に存在する、

95%以上がCoopで、

しかも住人たちは、

有名人やセレブたちが、自分たちと同じビルに住むことはできれば勘弁してほしいとすら思っています。



■ 不況を切り抜ける差別的なアパート入居の条件

  (お金はどんなあっても買えないアッパーイーストの住まい。ダイアナ妃、マドンナも入居を断わるCoopとは)



■ 不況にも揺るがないNYの不動産市場とCoop

  (ちまたで不動産市場が崩壊してもNY、特にアッパーイーストへの影響は最小限。それはなぜ?)



■ セレブ&有名人の住まいにまつわるここだけのお話

  (週刊NY生活に連載してきたバックナンバーの一部です)




だからなんです。



あのマドンナも、今回購入したアッパーイーストのおうちは、

そういうややこしい審査の必要がないタウンハウスであって、

Coopのビルのアパートではないのは。



そしてこの審査は、大企業のCEOだろうが、政治家だろうが、

みんな戦々恐々とする油断を許さない審査なんです。




と、そんなこともあって、

マンハッタンで、しかもアッパーイーストを専門とする不動産取引の仲介人になるのは、

これが大変。



住宅ローンさえおりてしまえば、もうお仕事はおしまい、というわけにはいかず、

一番ナーバスになるのが、このCoopの審査のプロセスですから。



この書類審査のために作るボードパッケージたるや、

資産目録、過去4,5年の納税申告書すべて、

ビジネス&プライベートの推薦文各3,4通ずつを含む、

厚さにして3cmから5cmの,

膨大なドキュメントの束になります。



でも、わたし個人は、

このボードパッケージをバイヤーと一緒に作成するところで、

一番お役に立てているという実感を感じられ、

やりがいも感じるんです(^^)。




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拙著でも、そのアッパーイーストの知られざる詳細に触れております。








過去には、ニクソンやキッシンジャーだって、

散々大変な思いをしているんです。




一般人は尚のこと。



特に最近の傾向として、

Coopのボードメンバーの中に40代ぐらいの若手が混じるCoopは、

面接の前に、

お決まりのクレジット(信用)ヒストリーの審査に加え、

買い手のFacebookのアカウントをチェックして身辺調査もするんです。




なんだかやたら、派手なパーティの写真が満載されているとか、

交友関係に、たとえばですよ、

ボードメンバーが嫌いな政治家を支援する人が混じっていたりすると、

それで面接すら受けられない可能性が。。。。。




Facebookの弊害がささやかれるようになったのは、

Coopのボード審査だけが対象ではありません。




昨今では、セキュリティやいろいろな規制の厳しい多くの会社が、

雇用に際し、クリミナルチェック(犯罪歴調査)はもちろんのこと、

Facebookもしっかりチェックしているらしいですね。



交友関係を洗うという意味で。




また、米国の名門大学もこれに習っているらしい。

Facebookでの課外活動が原因で、受験に失敗した例も、よく耳にするようになりました。




そんなわけで、

いろいろな面で、ついつい気軽に本音で語ってしまうFacebookは

何かと足がつく可能性が高いということで、

娘の学校でも、

Facebookをする際は、一般公開にせず、友人知人のみ、

また絶対に制服で写っている写真は載せない!

と、くどく注意をしており、

先生たち、頻繁に生徒たちのアカウントをまわってチェックしているらしいですね。


気の小さい、慎重な性格の娘は、Facebookにアカウントを作ったものの、

先生たちの、これでもか、これでもか攻撃をまともにうけて、放置状態。



と、こうして、世間的には、みんなが楽しんでいるFacebookですら、

控え目にすることを要求されるマンハッタンでの暮らし。




必要以上に目立つことは百害あって一利なしと、

何かと叩いて叩いて、

幼少のみぎりからくどく教えるのが、

ある意味、アッパーイーストの私立校の教えにも通じるものかもしれません。





外資系の会社を志望してらっしゃる方、

SNSでの課外活動には、くれぐれもご用心を^^





今日も最高に気持ちのよいお天気です。



多分多くのNY私立校は、ユダヤ人の祭日、ラシャシャナのため、学校はお休みなことでしょう。



今日もよい1日を!!!!!