コメントいただきましたが、確かにお一人、エリザベス女王のそっくりさんがいらっしゃいますね^^
みなさんのニューヨークのイメージはどのようなものでしょうか。
テレビドラマ、Sex and the Cityに登場する4人組を代表するように、華やかな女性たちが街にあふれているイメージ?
そうそう、パリス・ヒルトン、ティンズレー・モーティマー、イバンカ・トランプなどもニューヨーカーですね。
もうすぐ開催されるのが、セントラルパーク・コンサーバンシーというセントラルパーク運営委員会のような非営利団体の、サポーターが集まる女子ランチョンは、まさにロイヤルアスコットさながら、美しいお帽子を競い合うパーティです。
こういう会やパーティをファッション誌などで、取材して掲載するのがかつての仕事だったのですが、
友人、知人は、
「あのイメージをもってニューヨークに行ったら、あのような華やかな人たちどこにもいなかったわ~」
とがっかりするはめに陥ります。
(すみませんです・笑)
そう、フツーにニューヨークを歩いている人たちは、ファッション関係の仕事に勤務しているか、パーティのたびにメーカーからお洋服を借りているソーシャライトでもなければ、普段はとても地味。
また多くのソーシャライトたちが暮らすアッパーイーストでさえ、こういう稀なオケージョンは別とすれば、普段はみんな信じられないほど地味にしていることにはかなり驚かされます。
その落差たるや・・・・・笑
子供が小さかったころ、こんな笑える経験をしました。
娘の3歳のお誕生会は日本人のお友達とアメリカ人のお友達を半々にお招きして、子供専用のジムで開催しました。
子供が小さいので、みんなお母さんに連れられてやってきます。
そしてジムではお母さんたちも靴を脱ぐ必要がありました。
面白かったのはそのお母さんたちの脱いだ靴でした。
さすがにジムでの子供のお誕生会にベビーカーをひいて子供を連れてくる日ですから、マノロやジミー・チューのパンプスを履いているお母さんはいませんでしたが、日本人お母さんの靴は、プラダ、グッチ、フェラガモのどれか、かたやアメリカ人のお母さんたちの靴は、あんらま~、 ほとんどがよれたスニーカーでした・笑
中には、パークアベニューきっての名門アドレスに住んでいたお母さんもいらっしゃいましたが、スニーカーで気軽な運動着でした。
そうなの、ジューシークチュールとかそんなんじゃなくて、トレパンです。
夫の弟が
「うわ~、るみの日本人の友達はみんなリッチだね~」と驚き、
夫はとなりでにやにやしてみていました。
わたしたち日本人なら、特に富裕層というわけではなくても、だれだって、一つや二つブランドのバッグや靴を身につけているのではないでしょうか。
ところが、ここニューヨークに来て、住んでみて初めてわかったことですが、ニューヨークの人たちって、意外や意外、かなりの富裕層でも、ブランドにまったく縁がないという人がたくさんいるんです。
夫と付き合いだしたころ、わたしがシャネルを着てデートに行ったとき、正直、もうわたしと付き合うのはやめようかと思ったそうな・苦笑。
「シャネルやエルメスは、独身の若い女性が身につけるものじゃないよ、少なくともここニューヨークでは」
みたいな感じで、30代じゃまだ早いといわんばかりで、ニューヨークでのブランドにまつわるソーシャル・ステータスを教えてくれました。
つまり、当時のわたしごときの分在でそのようなものを身につけているというのは、
とってもバランスの悪いことであり、それをしてしまうのは気恥ずかしいことであるんだよ、ということでした。
これはヨーロッパにも頑と存在するブランドの不文律というものなのでしょう。
日本では当たり前のようにみんなが身につけているブランド物、わたしもそんな一人だったので、
日本の状況を説明しましたが、ニューヨークでは郷に入っては郷に従うほうがいいんだな~と納得しました。
ニューヨークで百年以上にわたり、「本気のボランティア活動」を通じて社会の貢献してきた女子プライベートクラブ、ジュニアリーグに属する女性たちもまたしかり。
みなさん、本当にふつ~としかいいようがありません・笑。
そして意外や意外、いまどきは有閑マダムは少なくて、メンバーの80%は仕事(や家庭)をもつ女性だそうです。
日本では、友人のふくちゃんいわく、
「この前、子供の学校のママたち5人とランチしたら、なんとわたし以外は全員
アメックスのブラックカードを出したわよ~」
というほど、普及しているらしい黒いカードですが、ここニューヨークでは、わたしの知る限りでは、たとえビリオネアや名のしれたオールドマネーの一族の方でもブラックカードを出すという場面に出くわしたことはありません。
たとえ持っていても、恥ずかしくって違うカードを使っているのかしら。
どっちがいいとか悪いとか、そういうことじゃなくて、日本ではバンバン発行しているらしいそのカード、アメリカでは、年間25万ドル以上(2千5百万円)使う必要があり、また年会費が日本やイギリスよりべらぼうに高いこともあり、仮にアメックスからご招待を受けてもそれをお断りする人も多いようです。
また、意外なことといえば、カード社会のアメリカですが、アメックスはお店側としては取られる手数料が他のカード会社より高いこともあり、高額な買い物ほど、カード、特にアメックスは使えない経験をするのがニューヨークです。
宝石や車などのお買いものをする際、
お店もカード会社への手数料を省略しようと、
「カードでの支払なら定価ですが、小切手か現金でしたら、おまけしま~す」
みたいなことをいってくることが多く、その誘惑に負けてつい現金にこにこ払いになるのです。
まさにお店も買う側もWin-Winですね。
また極端な例え話で恐縮ですが、カード会社を通じて飛行機をチャーターしてもらうと、直接依頼するより(カード会社への仲介コミッション分)高くつくと多くのアメリカ人は信じているふしがあり、意外なことに直接現金か小切手で交渉することになります。
車なども、頭金の5%まではカードで払ってもいいけれど残りは現金でお願いしま~すってなことをいわれます。
つまり意外にも高額な支払はカードが使えないことの多い状況で、年間25万ドルもカードでお買いものをするなんて、
根がまじめなニューヨーカーたちは、相当お金を浪費しているようで、しかもそれをひけらかすようなカードをもつのはちょっと恥ずかしい、というそんなことなのかもしれません。
アッパーイーストといえば、その単位面積当たりの富の集中度では世界稀に見るほどの場所でありながら、そこに住む人たちは、お酒もたしなむ程度、(禁酒法が存在した国です)ファッションも地味、 (黒で目立たないのがよし)ブラックカードも持たない、って・・・・・
そして、ヨーロッパの貴族や、有識者たちがこぞって
「今や、ノブレスオブリージュは、貴族の存在しないアメリカにおいて一番有意義な形で実践されている」
と称賛するほど、チャリティにもがんばっちゃう。
そのいやになるほどの真面目さを少しお分かりいただけたでしょうか。
次回は、
一体なぜそこまでがんばって「真面目」じゃなきゃいけないと思っているらしいのか、ニューヨーク富裕層をそこまで「真面目」に駆らせるものは一体なんなのか、
そんなことを書いてみたいと思います。