白洲次郎という、特殊な男 | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

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日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。

こんにちは。
これがUPされる頃、わたしたちは飛行機の中です。
最近は、時間を予約してUPしています^^。
アメーバさんの機能、なかなかすごいですね~。


 
TBSで放映された、さんまさんが会いに行く「白洲次郎」とってもよかったですねぇ~^^。
みなさんに教えていただいて、わたしも見ましたよ~。
ただ翌朝の6時起きが辛かった~^^;

うれしかったのは、自分がこの場で書いてきたことの検証ができたこと。
フムフム、間違ったことはひとつも書いていないゾ、と。
どれも知っているエピソード・・・
あっ、ひとつだけ、知らないのありました。
帝国ホテルの犬丸さんがおっしゃっていた、
カレーライスをスプーンで食べるなんておかしい、子供みたいだ、と
言って、次郎さんはフォークで食べていたこと。

これ、実はうちの夫もまったく一緒なので笑ってしまいました。
夫はイギリスに生まれ、10歳までロンドンで育ちました。
彼にとってスプーンはスープだけに使うもの。

ひとつだけ残念に思ったのは、武相荘に今回行けなかったこと><
テレビでさんまさんが見せてくれた限りではとてもステキな空間でした。

あの縁側にさんさんと差し込む光と影の絶妙な美しさ。
あれは照明さんの腕前かしら、それとも天然?
どちらもしても、こんなところに住みたいとわたしも思いました。

みなさん、ご存知でした?
こちらのブログで仲良くさせていただいているゆんぴょ☆ さん、
なんと町田市鶴川出身で、
子供のころ、白洲邸に紛れ込んだこともあるんですって。
貴重な体験ですね。

でもね、わたしも実は白洲夫妻をお見かけしたことあるんです。今になって思えば。

もう25年ぐらい前のことです。
ある朝、わたしは東名高速を上り方面に向かって運転していました。

時間は九時台。
神奈川県か東京の辺り。
後ろから隣斜線をゆっくりとポルシェ911のコンバーチブル(だったと思う)が近づいてくる。
その頃、わたしが30代で乗りたいと思っていた車が近づいてくる。
一体そんな人が運転しているのだろうう、好奇心は募ります。
その車はゆっくりと近づき、

そのまままるでスローモーションのようにわたしの車を追い越していきました。
今でも鮮やかな印象として残っているのは、乗っていたカップルの年齢でした。
運転しているのは、一見初老の外国人かと思しき姿勢のいい紳士。
目を奪われる威厳。

とにかくそんな紳士見たことがありませんでした。
そして助手席には、頭にスカーフを「マチコ」巻きにした、こちらは普通の(失礼)初老の女性。

その時の印象は長く脳裏を離れませんでした。
あれほど立派な老人がしかもポルシェを堂々と、隣に夫人と思しき女性を乗せて走っている。
その図が、あまりにわたしのポルシェを乗りこなす人のイメージを超えていたからです。
そして、ずっと後になって確信したのです。
あんなカッコいいポルシェのオーナーである老人は日本広しといえどもそういるものじゃない。

あれは白洲夫妻だったのだと。

昨晩のテレビではこう伝えていました。

白洲次郎がロンドンに留学している際に購入したブガッティやベントレーは、今の値段にすれば、ジェット機が買える値段。
約1億8千万円相当だそうな。

テレビでも女性たちが
「カッコいい」
「現代の男性も見習ってほしい」と応えていました。

でも、これだけ大金持ちの親をもち、
しかもその親が惜しみなく、巨額な仕送りをしてくる男が一体何人いるでしょう。

しかも白洲次郎には、彼のダークサイドと言ってもいいような兄がいました。

この特殊な環境がこの世にも型破りな男を創りあげたのです

そして、もし、次郎の身長が165cmだったら、とわたしは考えてみます。

明治時代にイギリスに留学した夏目漱石は、幼い頃にわずらった後遺症で顔に「あばた」があったといいます。  
しかし、当時のロンドンには、顔にあばたのある人間はほとんど見当たらなかったため、
すっかり自信を喪失し、やがては神経衰弱にまで発展するほどに、気持ちが萎縮したようです。

もし次郎の身長が低かったら、彼はそれでも堂々と自信をもってイギリスの上流階級に入り込んでいくことはできたでしょうか。


歴史は人間が作るもの、

そしてその歴史の多くは、人間の運命的な条件に左右されて作られていく、


その歴史に名を残すほどのことはなくても、

何か生きてきた証しを残したい、

そう思うようになったのは、

わたしが年をとってきたせいなのかなぁ><;