前回の話は、こちら

https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12462602771.html

URLをクリック

 

前回までのあらすじ

 

主人公ネロと御徒町霧恵の・・・

どーしてこーなった・・・的な話を(ホントに)ざっくり書きますね

 

鯖学の始業式の前日に、電車内で痴漢に襲われている所を偶然にも、主人公ネロに助けられ、

学校に入学した際、運命的に再会した霧恵。

 

募る(妄想的な)思いから、「連絡先を交換してくれないと、屋上から飛び降ります!」的な狂気に走り出す霧恵w

それから、ネロと霧恵のLINE生活が始まるのだが、

LINEを無限に贈り続ける、迷惑ガールになった御徒町霧恵。

 

(中略)

 

保健の先生に「神の様な説得」で・・・一時的なネロと霧恵の和解が成立!

そんな時、対(ヤンデレ撃退用)霧恵用の、隠し武器(ヌンチャクの様な形の)組み立て式がシャツから落ち、大きな金属音を響かせた。

慌てて拾い、隠そうとしたが・・・先程まで穏やかだった、霧恵の表情が一変した。

 

「太古の達人のマイバチです!」

 

もちろん、そんな言い訳は通じる事はなく・・・・

 

そんな中、まさかの霧恵が家に帰らず、学校も不登校・・・・

 

「ホントは、いいコなんだ・・・ただ、寂しがり屋なんだ・・・」

霧恵の担任、スパーダ先生の懇願から、

 

急遽・・・鯖学の中で捜索隊が結成された!

この辺りは、治安が物騒だ・・・日暮れまでは時間がない・・・

 

タイムリミットは2時間だ!

 

 

 

【本編】

 

「あ・・・・あれ、もしかして・・・霧恵じゃない??」

恋華は、職員室の窓から見える、学校の正門の付近に長い黒髪の少女の人影を見つけた。

 

「え!どこどこどこ??」

 

「マジか??」

実尋、ネロ、ギン、スパーダ、イ・ヤムチャは窓の近くに寄った。

 

霧恵だった・・・

実尋に勘は見事に的中した。霧恵は、学校の正門でこっそり隠れていたのだ。しかし・・・職員室から複数に発見された事に気づいた霧恵は、慌てて逃走を開始した。

 

「チッ!!逃げやがった!!・・・・恵比寿!ネロの家の散策は無しだ!みんなで、この近辺を探すぞ!!まだ遠くには行ってないハズだ・・・・」

ギンは、みんなに指示をして職員室から飛び出した。

 

「ちっ・・・世話のやける後輩(霧恵)だぜ!」

イ・ヤムチャもギンに続いて駆け出して職員室を飛び出した。

 

イ・ヤムチャに続いて、恋華、実尋、そして・・・ネロも、霧恵の散策に乗り出した。

 

ネロがここにいる以上、そう遠くへは行かない・・・・・と全員は確信していた。

ネロの周りを描くように、全員が散って学校とネロの周辺をまるで鬼ごっこの様に駆け出して探した。

 

 

「・・・・・・・・・・・・!!!」

霧恵は、長い黒髪を振り乱して逃げる様に走った。

早くも、ギンに見つかったようだった。

 

「待ちやがれぇぇぇぇ!!!どんだけ心配かけてると思ってるんだぁぁぁ・・・クソガキィィィ!!!」

ギンは、陸上の選手の様に指先をピンと伸ばして、腕を、バババババっと素早く振りカナリの速さで追いかけてきた。

 

「・・・・・・!!!チッ・・・隠れたか??」

ギンは、もう少しで追いつくかと思われたが、ビルが並ぶ十字路近くで、霧恵が左に曲がった事を目視したが見失ってしまった。

霧恵は、小柄である為、何かの隙間に隠れると中々探せない。

 

ギンは、止む終えず勘を頼りに周辺を走って探した。

しかし、その勘で走って探した事が裏目に出てしまい・・・霧恵から遠ざかる結果になってしまった。

 

「みーつけた☆」

 

「!!!」

霧恵が、物陰に隠れているのをイ・ヤムチャに発見された。

 

「さーて、ここらで鬼ごっこもおしまいだ☆さぁ・・・みんなが心配してるんだ!一緒に学校に戻ろうぜ☆」

イ・ヤムチャは笑顔で優しく手を差し伸べた。

 

「・・・・・・・・・」

霧恵は、少し不安そうにイ・ヤムチャの顔みると、

 

にこ

 

イ・ヤムチャは出来るだけ満面の笑顔をみせた。

 

 

キャァァァァァァァ 痴漢よぉぉぉぉぉぉ

 

この人が、キリエのお尻触ったぁぁぁぁ

 

霧恵は、大きな声を出して叫んだ。

 

「ちょっと、マジかよ!!」

イ・ヤムチャはとっさに、霧恵の口を押えようと手を出すと・・・

そこへ、警察が来て、まさかの逮捕!

 

「おいおい・・・う、嘘だろ・・・・」

イ・ヤムチャは焦った。

 

 

「お嬢さん大丈夫ですか??」

警察が霧恵に聴こうとすると、霧恵は警察の手を払いのけてさらに逃走。

 

霧恵が、イ・ヤムチャ(&警察)から大分離れると、上から物音が聞こえた。

「!!!」

霧恵が上を向いた時、電柱からジャージ姿の恋華がドサっと、霧恵に覆いかぶさる様に振ってきた。

「キャアアアアアアアアア!!」

 

「はぁはぁ・・・鬼ごっこは、もうおしまいよ!ヤンデレ娘!」

恋華は、息を切らせながら霧恵をに覆いかぶさった状態で、恋華は言った。

学校の職員室から、交差点付近の路上(この場所)までカナリの距離があり、それも、元々足の速いギン、イ・ヤムチャと同じくらいのペースでここまで休まず走ってきた恋華。ギン、イ・ヤムチャと違い・・・小柄で歩幅も狭い為、明らかなオーバーペースで疲労していた。

 

霧恵は、素早く懐からペットボトルの強炭酸コーラを出すと、勢いよく恋華にぶっ掛けた。

 

ブシュー

 

「!!!・・・目が!目がぁぁ!!!」

強炭酸コーラにより視界を失った恋華は、まるでラピュ●のムス●大佐の様にフラフラ歩きだした。

 

「・・・・・悪いけど・・・・邪魔よ・・・・」

霧恵は、恋華を車道の方向へ向けて背中を押した。

 

「ちょっと・・・・!!!あぁぁ・・・目が目がぁぁぁぁ・・・・」

恋華はフラフラした状態で視界を失った状態で車道の方に歩いて行ってしまった。

 

 

ブーーーーン

 

そこへ勢いよくバイクが突っ込んできた。

 

「バイクって!!!ひ、引かれるぅぅぅ・・・死ぬぅぅぅ!!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

霧恵は、流石に目の前で人が引かれる所見るのが後味が悪いの、そのまま走り去った。

霧恵は、流石にさっきから走りっぱなしで大分疲労していた。

ギン、イ・ヤムチャ、恋華と・・・3人の追手から逃れてきた。

 

-新宿センパイは、どこだろうか・・・会いたい・・・-

そんな考える間もなく、先程のバイク音が近づいてきた・・・

 

「!!!」

シルバーのバイクに黒いボタン無しの制服姿の長身の男が乗っている。顔は黒いヘルメットで見えないが、長身の男の後ろには先程車道に突き出した恋華が乗っている。

 

あのバイクは、恋華の呼んだ・・・「増援」、もしくは「助っ人」であろう・・・

 

「ド阿呆・・・いつまで、ムスカ大佐のモノマネしてやがる!」

 

「ホントに目が見えないんだから仕方ないじゃん!!」

どうやら、バイクの上では黒い制服の長身男と恋華は喧嘩をしているようだが・・・やはり、バイクの速度から逃げ切る事はできない。

 

「ハァハァ・・・・・」

霧恵は、疲労しながら胸を抑えた。

 

バイクから、逃げ切る為には、バイクが入ってこれない狭い通路を通る以外にない。

霧恵は、ビルとビルの間の狭い隙間に入って逃げ始めた。

 

「チィ!!やっぱり・・・そう来たか・・・・あのヤンデレとはそんなに、縁があるわけじゃねぇけど・・・仮に学園から行方不明者が出て警察に捜索願いなんて出して・・・あんまり騒ぎを起こしちまったら、PTA本部が黙っちゃいねぇ!・・・鯖学の学園喫茶が開園できなくなっちまう!」

黒い制服の男は、バイクを手早く止めて・・・バイクから降りた。ヘルメットを外した顔は・・・学園の貴公子・・・プリンス除闇であった。

 

霧恵は、疲労した状態でビルとビルの隙間を息を切らせながら逃げている。

除闇自身も長身ではあるが、大分細身なのでビルとビルと隙間をなんとか通れない事もない・・・むしろ、このままいけば、確実に追いつける。

 

「さて・・・・いくとするか・・・」

 

「目が、目がぁぁぁぁ!!!」

除闇が、霧恵を追いかけようとすると、視界を失った恋華が、再び良く解らない方向にフラフラ歩き出した。

 

「チィ!!アイツ・・・・大人しくバイクの近くで待っていればいいのに・・・・仕方ねぇ・・・恋華は、簡単に死ぬような奴じゃねぇし・・・放置して、ヤンデレを先に捕まえるか・・・・・」

除闇は、割り切って霧恵の方に向かおうとするが・・・・どうしても、後ろの「目がぁぁぁ・・・」という声が気になってしまう。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チッ・・・・どんだけ、足手まといなんだ・・・あのド阿保・・・・」

 

「・・・・・・!!」

霧恵は、流石に黒い制服の男には捕まってしまうと、確信して後ろを振り返ると、除闇は追っては来なかった。

どうやら、バイクで共に来た恋華の世話を焼いているのだろう・・・

 

 

この時点で、学校から捜索隊が職員室を出てから45分が経過した。

 

 

ギン、交差点で霧恵を見失い取り逃がす。

その後も、走って捜索を続けるが発見できず・・・

 

イ・ヤムチャ、霧恵を発見したが、まさかの警察を呼ばれ逮捕されてしまう。

その後、警察は学校から事情を聴き、担任の景親に迎えに来てもらう事で、イ・ヤムチャは釈放となり、再度霧恵の捜索を続ける。

 

恋華、霧恵を捕獲したが、強炭酸のコーラにより目つぶしを喰らい、逃げられてしまう。

その後、援軍で現れた貴公子除闇のバイクに拾われ再度追跡する。

 

除闇、車道に突き出された恋華の窮地を救い共に、霧恵を追跡。霧恵捕獲まで後一歩という所まで来たのだが、

同行した恋華が足を引っ張った為、霧恵の追跡を断念。除闇自身スマートフォンを持っていなかった為、他の者に連絡も出来ず・・・

余談だが、コーラで目つぶしにあった恋華に、濡れたタオル等で丁寧に顔を拭いた・・・訳では無く・・・

自販機で購入した「いろはす」を公衆の面前で恋華の頭から雑にぶっ掛けたらしい。

 

 

 

その頃、霧恵と接触の無かったネロと実尋。

何度か手分けをして走ったが見つからず・・・・しかし、ネロがここに居るのだから、霧恵は高い確率でネロの近くに現れると二人は確信があった。

 

「御徒町さーーーーん!!!御徒町さーーーーん!!!」

ネロは、なるべく大きな声で呼びながら、探して回った。

霧恵自身にこちらの居場所をなるべく、伝えた方が速く見つかると思ったからだ。

LINEで霧恵に無料通話を何度かしたが、霧恵は電話には出ない。

 

「新宿クン!!どう、みつかった???」

実尋が合流した。実尋は、ネロの近辺を探す方法にしている為、何度かネロと合流を繰り返している。

 

「いや・・・見つからねぇ!!」

ネロは、声が大分枯れていた。

 

「はい☆」

実尋は、爽健美茶を手渡した。

 

「あ///サンキュー・・・・・・・・はっ!!!殺気???」

ネロは、寒気を感じて辺りを見渡した。

 

「殺気???」

 

「あぁ・・・いまどこかで、俺が渋谷から飲み物を受け取る所を、嫉妬心全開の視線が、こっちに向けられた・・・・」

実尋の質問にネロは答えた。

 

「それって、もしかして・・・この近くに御徒町さんが居るって事??」

 

「そうかもしれなぇ・・・」

ネロと実尋は、辺りを見渡した。

 

「あ!新宿クン・・・・」

実尋は、何かを思いついた様に、ネロにこっそり耳打ちした。

 

「なるほど・・・よし!その作戦で行こう!」

ネロは、この近くにある大きな建物・・・・ドンキーホーテンの周辺だけを、ぐるぐる回る様に捜索を開始した。

そして、実尋は、ドンキーホーテンの中を捜索し始めた。

 

実尋の耳打ちした作戦とは、ドンキーホーテンの周辺だけをネロにグルグル回らせる事で、そのネロを観察する為に、霧恵が、ドンキーホーテンの屋上から見る事出来る位置に誘い込む作戦である。

建物の上からネロをこっそり見る事が出来る位置に誘い込めば、その場で発見し・・・周りのみんなを呼んで一斉に確保できるという作戦だ。

流石に、捜索を開始してから、1時間27分が経過した・・・闇雲に外で探すより、内部に絞り込む方が効率がいい。

 

「・・・・正直・・・この作戦は欠けだわ。新宿クンの言ったようにこの近くに御徒町さんが居るなら有効かもしれないけど、居なかった場合無意味だわ・・・・・・・時間的に、チャンスはこれが最後・・・・御徒町さんの親御さんも心配しているし、学校側としても、放課後で部活や、生徒会で作業している許可の出る時間は長く見ても・・・・2時間程度。ホントに2時間探して見つからないなら、警察に捜索願いを出さないと・・・」

実尋は、少し不安な表情をしてた・・・すると、ドンキーホーテンの内部で聞き覚えるのある、怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「コラァァ!!待ちやがれぇぇ!!!」

実尋は見に行ってみると、担任のギンが陸上選手の様な走り方で、走っていった。

 

「いい加減にしなさいよーーー!!!」

少し奥の方で、髪の毛がずぶ濡れになった、恋華も走っていくのが見えた。

 

間違いない!

霧恵捜索・・・いや、超鬼ごっこともいえる、最終決戦がこのドンキホーテンの中で行われている。

 

「御徒町さーーーん!!どこーーーー!??」

実尋も走ってドンキーホンテンの中へ入っていった。

 

長い黒髪を振り乱し、必死で逃走を続ける霧恵。

そして、その霧恵を保護(捕まえる)する為に、全速力で追いかけてきたギン。除闇のバイク走行中に霧恵を発見した為ドンキーホーテンで到着した恋華。尚、バイクに乗っていた除闇は・・・ドンキーホンテンの駐車場が有料で有り、(2000円以上のお買い物をすると、無料になるらしいが・・・w)あいにく、手持ちのお金が少なかったので、無料で駐車(または、警察に見つからずに停車)出来そうな場所を探して走行。

 

 

 

 

霧恵は、息を切らせながらドンキホーテンの屋上まで駆け上がった。

 

「ハァハァ・・・・ハァハァ・・・・・」

 

屋上についた霧恵は、肩で息をしていた。

1時間38分・・・殆ど休まず、逃走を続けた霧恵。ここまで長い時間かけて走ったのは産まれて初めてである。

靴の中は、靴擦れが出来、全身は筋肉痛・・・昨夜から、ロクに寝ていない為体力も限界である。

 

-どうしてこんな事になっちゃたんだろ?・・・正直、なんで自分が逃げているのか・・・もぉ解らない・・・-

 

-みんなどうして、キリエを追いかけてくるの?キリエは・・・ただ、新宿センパイを見ていたい・・・近くに行けば迷惑だから・・・せめて、遠くからでも・・・新宿センパイをみていたい・・・・キリエは・・・悪い子なの??・・・遠くでも見ていることもダメなの??・・・キリエが悪い子だから、みんな・・・キリエを怒りに来たの??-

 

 

ガチャ

 

ドンキーホーテンの屋上のドアを開ける音が聞こえた。

霧恵が振り返ると、そこには実尋が立っていた。

 

「!!・・・・・渋谷・・・センパイ・・・・」

 

「御徒町さん☆」

実尋は笑顔で立っていた。

 

「一緒に帰ろう?みんな待っているよ☆」

 

「どーして、渋谷センパイはキリエを怒らないの??」

 

「怒らない・・・・か・・・?うーん・・・半分は怒っているよ・・・・でも、もう半分はホッとしてる・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「やっぱり、みんなに心配かけたんだから・・・誰だって、こんな時は怒ると思う☆・・・それでも、やっぱりこうやって無事な姿を見る事が出来て・・・ホッとした・・・・」

実尋は穏やかな表情だが、すごく真面目な顔つきだった。

 

 

ガチャ

 

ドンキーホーテンの屋上のドアを開ける音が聞こえた。

 

ギンと恋華が現れた。恋華は疲れ果てたギンを肩に担いでいた。キリエを追い続け、休まず走り通したギンは話す事も出来ない程疲労していた。

 

「ハァハァ・・・・ハァハァ・・・・」

ギンは、恋華に担がれたまま下を向いていた。

 

実尋がギンと恋華の方を見てから・・・霧恵の方へ向き直おった。

「ほら☆・・・目黒先生・・・もぉ疲れちゃったみたい☆・・・・恋華一人で担がせたら重いよ☆・・・手伝ってあげよう?御徒町さん☆」

実尋は、霧恵の方に近づいたが、霧恵は、後ろの方に下がった。

 

「来ないで・・・・・」

霧恵は、険しい口調になった。

 

「アナタは、良いわよね・・・・お友達も居て・・・・支え合う事で出来る先生も居て!・・・それに・・・新宿センパイとも・・・親しいみたいだし・・・なんでも揃っているわよね・・・・・」

 

「御徒町さん・・・・」

 

「初めから、なんでも揃っていて・・・・何の苦労もなく!周りから慕われて、学園のトップアイドルですもんね!・・・・・そんなアナタに、キリエの何が解るっていうの???

 

「アナタと私じゃ違うのよ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

実尋は、「何の苦労もなく!」というキーワードを聴き少し拳を握りしめた。

苦労の無い人間はない・・・人はそれぞれ、苦い経験を乗り越えて、今の自分があるのだ・・・

 

 

「確かに違うかもしれない・・・・それでも、心配して・・・みんな必死で探しに来たんだよ!御徒町さんの事が嫌いだったら・・・ここまで探したりはしない!・・・・そうでしょ??」

実尋は声を大きくして言った。

 

「・・・・心配・・・・偽善者も程ほどして!!!キリエは・・・・学校内に友達も居ないの!・・・いつも、居場所がないの・・・・教室で、周りの同級生が・・・キリエを空気の様に扱って・・・・」

 

「・・・・・・キリエは、いつも・・・居場所が無いから・・・・職員室に先生のお手伝いに行くの・・・・・そうすれば・・・スパーダ先生が、いつも・・・・褒めてくれた・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ギンは、霧恵の話を下を向いて聞いた。

 

「でも・・・スパーダ先生は、いつも・・・最後には、先生の手伝いをしてくれるのは嬉しいよ・・・花壇に水をやってくれるのも、とっても嬉しい・・・でもね・・・お友達を作って遊んでくれると先生はもっと嬉しい!・・・・ってこう言うの・・・・」

 

「キリエは・・・先生が喜んでくれるなら・・・お友達を作って・・・遊んでみたい・・・・そもそも、お友達が出来るなら・・・毎日、5分休みの度に、職員室になんか行かないし・・・・」

 

「友達の作り方なんて、小学校の先生も・・・中学校の先生も・・・教えてくれくれなかった!自然に出来るモノだって・・・お父様やお母様はそういったけど・・・・いつになっても出来ない!」

霧恵は、話しながら涙をこぼした。

 

「・・・・ワタシ、解るよ!御徒町さんのキモチ・・・・ワタシも、昔は・・・・」

 

「みひろん・・・・」

何かを話そうとする実尋の横顔を、恋華はそっと覗いた。

 

「キモチが解るなんて・・・ホントに貴方は何様のつもり!?・・・そうやって、良い人ぶってる人が・・・わたくし・・・一番嫌いなんです!」

 

「ワタシだって、昔は友達が居なかった!いつも一人ぼっちだった・・・だから!!アナタの苦しいっていうキモチは少しは解っているつもりだよ・・・・だから、・・・・ワタシが貴方の・・・・・」

実尋は、ワタシが貴方の友達になりたい!・・・そう伝えた様としたのだが、カナリ興奮している霧恵は、聞く耳も持たず・・・

 

「アナタには、今!!友達がいるでしょ???傍に居てくれる先生が・・・そこにいるでしょ??ワタシは、スパーダ先生を助けてきたつもりだったけど・・・あの人は、ここには居ないでしょ!!?」

 

 

ドカ

 

 

ギンは、拳を下に叩きつけた。

 

「お兄ちゃん・・・・・」

恋華は、滅多に見せない悔しそうな顔をしているギンを見て言葉を失った。

 

 

 

「スパーダ先生だって、アナタの事を凄く心配して・・・今だって必死に探しているわ!!!」

実尋は怒った。

 

 

「確かにスパーダ先生は、未熟だ・・・生徒からも舐められて、未だに生徒達の顔を見て・・・・怒ることもできねぇ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それでも・・・・アイツは、アイツなりに努力している・・・・そして、御徒町の事を一生懸命気にかけようとしてくれている・・・・」

ギンは、ゆっくり立ち上がり霧恵に近づいた。

 

「教師分際で・・・生徒に頼み事するのも、おかしな話だが・・・・御徒町ぃ・・・オメェが・・・あの先生を支えてやってくれねぇか???」

ギンは、霧恵に手を差し伸べた。

 

 

霧恵は、ギンの手を「パシッ」と払いのけ、ボロボロに汚れた制服の胸のポケットに手を入れた。

 

「・・・・・・・・・・・来ないで!来たら刺すわよ・・・・・」

霧恵は、非情な顔つきをしたが・・・・すぐに困惑の表情に変わった。

 

「あれ??ない・・・ない・・・・アレがない・・・・いつも、制服のポケットに入れてあるのに・・・・」

霧恵は、焦りながら常時持っているハズの「アレ」と呼ばれるモノを探した。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・!!!まさか・・・恋華さん・・・・」

霧恵は、思い出したように恋華の顔を見た。

 

「そうよ・・・・バタフライナイフなら、この前屋上で会った時にアンタの胸ポケットから抜き出して、除闇に回収してもらったわ・・・・今ごろ、焼却炉の中ね・・・・一応、誰にも言わないであげるつもりだったけど・・・まさか、アンタがホントに使おうとするなんてね・・・」

恋華はさらっと言った。

 

 

「・・・・・・・・・・フフフフ・・・・アハハハハハハハ・・・・ハハハハハハハハ」

霧恵は、上を向いて高らかに笑った。

 

 

 

「どーせ、・・・・キリエが全部悪いのよ・・・・キリエが悪者なのよ・・・・私なんか・・・」

 

霧恵は、屋上の端の方へ駆け足で向かった。

 

 

霧恵の足に全くためらいが無い・・・・

 

 

「産まれてこなければ・・・よかったのよ・・・・・・」

 

 

 

 

ぬああああああああああああああああああああああああああああああ

 

ギンは、霧恵以上のスピードを出し、俊足で走り追いついた・・・・

 

 

 

というより、二人とも宙にいる!

 

 

「ようやく、捕まえた!もぉ・・・この手は離さないぜ☆」

ギンは笑顔で霧恵の手を握っていた。

 

「ちょっと・・・目黒先生・・・・・」

霧恵は、顔面真っ青だった。

 

「ん???」

ギンは、霧恵と同じ様に足元を見た。

 

地面がない。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

ギンと霧恵より、早いと言っても良い程のロケットスタートで実尋と、恋華が・・・

 

「目黒先生!!!!」

 

「お兄ちゃん!!!!」

 

実尋は、ギンの右足を

恋華は、ギンの左足を

 

がっしり掴んだ・・・・

 

しかし、ギンは、逆さまの状態で宙づりとなっており、右手に霧恵をぶら下げている。

 

 

「目黒先生ぇぇぇぇぇ!!!!」

先程まで、飛び降り自殺する事に躊躇がなかった霧恵は、泣きそうな顔でギンを見た。

 

 

「大丈夫だ・・・俺は、絶対この手を離さない!!」

 

 

 

「そして・・・

クソガキ共ぉぉ!!!

絶対に俺の足を離すんじゃねぇぞぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

「さっきまで拳握ってたから・・・て・・・手が汗で滑る!!!」

 

「目に水が入った・・・・何も見えない・・・・」

 

 

 

 

 

若干16~17歳の女子高生の二人組の実尋と恋華・・・

大の大人と一人の女子高生の合計体重を

 

引き上げるのはやはり・・・・無理か??

 

どこまで支えられるかのか???

 

 

 

そして・・・キリエハザード編

ラストにするハズでしたが・・・

 

前代未聞の鬼ごっこの記事になってしまったw

 

うん・・・・終れなかったwww

 

次回こそ・・・

 

キリエハザード編ラスト☆

 

後半へつづきます☆

https://ameblo.jp/rum-xxx-03/entry-12464463141.html

 

URLをクリックしてください☆