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【本編】
グレイコフが、フランスへ帰国してから一週間が経過した。
5月の3週目となるネロの学年は、各教科事に中間試験の答案が返されていた。
イ・ヤムチャと中間試験の点数を競いあっているネロとしては、テストの結果がは非常に気になるトコである。
ーーうーん、どうしたもんか・・・・俺、ヒアリングの試験を受けた記憶がない。あれ・・・確かにカバンの中のクリアファイルには、試験問題用紙は挟んで持ち帰っているみたいだが・・・
ーーヒアリングの講師は、スパーダ=ハ=キャスト先生だ・・・ぶっちゃけ、新米講師なんだよな・・・怒ってもあんまり怖くねぇし・・・若干存在感も他の濃ゆい先生と比べると・・・薄いってか、あんまり印象無いんだよな・・・
教卓の右側にスパーダ先生は立っていた。外国人と日本人のハーフである為は、髪の色は少し、金髪っぽい感じであり、瞳の色素も薄い。
なによりも特徴的なのは、体格が小柄で顔が幼い。実尋や恋華とならんでも・・・・スパーダ先生の方が少し小さくも見えてしまう。
スパーダ先生は、名前をアイウエオ順に呼んでいき、教卓の近くで生徒に答案を渡して・・・・・一言ずつ言っていた。
「Miss渋谷!」
「はーい☆・・・・おぉ!!////」
実尋は教卓の前に答案を取りに行った。答案用紙を見ると顔の表情が一気に明るくなった。
「ワンダフル~♪パーフェクト!」
スパーダは、絶賛した。
ーー!!オイ、まさかパーフェクトって・・・・100点か?あ、渋谷のあの表情・・・・間違いねぇ・・・
「・・・・Mr新宿・・・」
少し細い目でしかめっ面でスパーダ先生は、ネロを呼んだ。
「あ・・・・はい・・・・・って・・・オイ!マジかよ・・・」
ネロは、答案用紙をみると顔面蒼白になった。
「キミ・・・試験中寝てたね・・・・追試だから、ちゃんと解説聞いておくように・・・・」
スパーダ先生は目を閉じて呆れた顔でいった。
ーーうわぁ・・・そっか、昼休みに大盛りの代々木さん特製のカツ丼弁当を残さず食べきったら一気に眠くなって・・・寝落ちしちまったんだ。御飯残して、家で食えば良かった・・・クッソー!
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※23話の昼休みの選択肢で、2を選択し・・・24話で寝落ちしてしまった為、痛恨の白紙提出となってしまったのだ。
「えぇーー今回の試験は、少し簡単過ぎたかな・・・約一名を覗くと、ボクの受け持つ、普通科の2年5組と6組の平均試験点数は85点・・・カナリ高得点でした。・・・このクラスでも100点が1名!90点代が7名。・・・隣のクラスでは・・・100点が2名も!!居ましたよ~・・・隣の6組の方がちょっとレベルが高いみたいだから、みんなも負けないように!」
スパーダ先生は明るくみんなに鼓舞した。
「え・・・2名も居たのか・・・なんとなく、1名だか予想着くけど・・・もう1名って、誰だろう??」
ネロは後ろの方から実尋に話しかけた。
「うーーん・・・まぁ、恋華が100点なのは固いだろうね・・・あと、1名・・・うーーん案外、イ・ヤムチャさんだったりして・・・そんな分けないかぁ・・・アハハハ・・・」
「アハハハ・・・・まさか、イ・ヤムチャが・・・・えーー・・・ま、まさかな・・・」
ネロは、イ・ヤムチャがどんな点数だろうと・・・まず、1教科(ヒアリング)は自身がゼロ点だったので完全に負けてしまった。
スパーダ先生は、試験の解説をペラペラと話ていたが、試験の答案を見ながら多くの生徒が私語を始めてしまった為、授業の解説をまともに聴く生徒がいない。そもそも、多くの生徒が今回の試験で高得点を取ってしまったので・・・もはや、試験の解説を聞く必要はない。今日の授業はサボろうと・・・不思議な統一感が生徒達に産まれてしまった。
スパーダは、生徒達に背を向けホワイトボードに解説の文章を書きつつ一人で授業をすすめた。
生徒達が授業を聴いてないのは、百も承知だが・・・給料をもらっている以上は授業を進めないといけない。
「・・・・・・・・・・くっ・・・」
スパーダ先生は、ホワイトボードに少しだけ歯を食いしばった。試験解答を配った直後は生徒達のざわつきが、いつも以上に酷くなる事は、隣のクラスの6組でも体験済みだが・・・・
スパーダは、意を決して生徒達の方に振り返り口を開いた。
「ね・・・・ねぇ・・・み、みんな。試験の高得点は確かに認めるけど・・・試験の解説中なんだ・・・聞いてる人もいるから、なるべく・・・お喋りは・・・・静かにやってね・・・・」
スパーダの注意する声は、休み時間と変わらない程の生徒達の私語より声量が小さかった為か・・・自身が無くて堂々と注意できなかった為か・・・生徒達の私語でかき消されてしまった。
「・・・・・・・・・・」
2年5組の担任の目黒ギンは、その様子をそっと廊下から黙って伺っていた。
その気になれば・・・
「てめぇら、私語を辞めないなら、廊下に立ってろー(棒読み)」
と口を出す事も出来るが・・・・横から口を出す事は、
スパーダ先生の授業に水をさし、
かえってプライドを傷つけてしまう・・・
そう考えた、ギンはただ静かに見守り・・・
何事も無かった様に立ち去った。
休み時間は、カナリ早くにやってきた。
答案用紙を配りと、試験の解説という内容の各抗議は、1限目から4限目まで、時の流れを非常に早く感じさせた。
・・・元々成績が良く、試験であまり苦労をしないタイプの目黒恋華にとっては、非常に退屈なモノだった。
昼休みは、部活等のミーティング等が無い場合、隣のクラスの実尋と一緒に昼食を取るのが日課だった。
恋華は、廊下に出ると廊下には長い黒髪の少女・・・1年生の御徒町霧恵が、目の前に立っていた。表情はカナリ真剣な表情だった。
「・・・・・・・・・」
何の用?と少し無言で恋華は、霧恵と目を合わせた。
「・・・・目黒恋華センパイですね?・・・・ちょっと話をしたいので、付き合ってもらえませんか?」
霧恵は暗い表情で恋華に話しかけた。
霧恵と恋華は、二人きりで屋上で話をする事にした。
「・・・・スミマセン。こんな所に呼び出して・・・・どうしても確かめたい事があったので・・・」
「・・・・なに?話って・・・」
「以前、目黒センパイは・・・新宿センパイと二人きりで、駅のホームでお弁当を食べていたとか・・・実は、二人はお付き合いをされているんじゃないか?とか・・・学校中の噂になってましたが・・・・」
「あ・・・あれ・・・・大分前の話を蒸し返すわね?・・・あれは・・・」
「あの、噂が流れたと思ったら・・・目黒センパイは、今度は生徒会の優等生、大崎センパイと手を繋いで廊下を歩いて・・・話によると、校舎の外で大崎センパイに告白したらしいじゃないですか?」
「・・・・・・・そうよ?大崎くんの事が好きで告白したの!なにか悪い?」
「おかしいです!目黒センパイは、新宿センパイと付き合ってるんじゃないんですか?新宿センパイは・・・、新宿センパイは、遊びだったんですか??二人の男性を自分の都合で弄ぶなんて・・・・・絶対おかしいです!・・・キリエは、・・・・キリエは、新宿センパイの事が・・・・」
霧恵は、声を張り上げて言った。
バシィ
「っ・・・!!」
恋華は、小さなビニール袋に入った少し固まりかけた残り僅かなドロっとする赤い液体の残りを床に叩けつける様に投げた。それを見て、霧恵は「ハッ・・・」とした。そのビニール袋の物は、霧恵が保険室のベット横のゴミ箱に捨てた「血のり」だった。
「おかしいのは、アンタよ・・・・ネロの気を引く為に、血のりを使って全校集会の中で倒れて見せるお芝居までしちゃって・・・ネロの事が好きなら、好きってハッキリ言えばいいじゃない!」
「・・・・・アナタは・・・・そんな事を言う資格・・・・・」
「私はねぇ・・・・頭の悪い遺伝子に興味はないの・・・・」
「・・・・・い・・・遺伝子・・・・??」
「いいこと??・・・私は容姿と・・・・頭の良い遺伝子に!私の持つ・・・性格が良くて、可愛くて・・・頭脳明晰な遺伝子をプラスして・・・ハイブリットな次世代の子を作るの☆・・・・だから、カレーしか作れない・・・・カレーの成分で出来た遺伝子(新宿ネロ)に興味はないの!」
「・・・・カレーの成分で出来た遺伝子?って・・・・」
「要するに・・・私は、アンタと違って・・・ネロと、子作りする気は無いって言ってるの//////・・・同性同士の会話でまで・・・カマトトぶってるんじゃないわよ!」
「//////////////」
霧恵は、脳内でネロの顔を想像して一人で赤面してしまった。
「おーーーい☆目黒ぉぉ!!やはり、ここに居たか!今日はオマエの好きな揚げパンの特売日だぁぁ!ココア味ときな粉味、早く行かないと無くなるぞぉぉ!!」
屋上の出入り口のドアを開けて、大崎秀が入ってきた。秀は少し離れた場所から大きな声で恋華に呼びかけた。
秀の声は、相変わらず声量があり爽やかな声だった。
「///////////・・・お、大崎くん☆・・・・わ、私の為に・・・わざわざ・・・・☆」
恋華の顔は、先程まで「カマトトぶってんじゃないわよ・・・」とキツイ言葉を言ってた時とは、まるで別人の様になり、両手で顔を抑えて全力でモジモジして見せた。
「・・・・・・・・・・・・・」
霧恵は、細い目で恋華を見た。「アナタこそ、カマトトその物かと・・・・」と言いたげである。
「お??今日は・・・渋谷と一緒じゃないんだな?・・・・新しい友達かぁぁ?☆」
秀は、恋華に問いかけた。
「う・・・うん!あ、新しいお友達☆・・・そう、キリエちゃん!私達お友達になったの☆」
恋華は、霧恵に抱きついた。霧恵は、突然すぎる180度変わった恋華の急変に戸惑ったが・・・好きな男の前で可愛く見せたいという恋華のキモチが、痛い程共感できた。
「キリエちゃん!私達・・・お友達だよね? ね☆??・・・・ね☆??・・・ね☆??」
「ね☆??(いま、合わせないと後でどうなるか解ってるわよね?)」
恋華の霧恵に向けられる目は血走っていた。恋華の手にはメリケンサックがいつの間にか握られていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、オトモダチになっていただきました」
霧恵は、小さい声で言った。
「ハッハッハッハ☆さっすが、目黒だ!後輩ともすぐにお友達になるとは!そのフレンドリー精神☆感服したぞ!じゃあ・・・俺は、先に揚げパン買いに行ってるぞ☆」
秀は、屋上を後にした。
「さてと・・・・ワタシも、揚げパン買いに行かないと・・・売り切れちゃう・・・」
恋華は、霧恵を抱きしめた両手を離した。
「アンタも揚げパン買いにいく??・・・って・・・・ちょっと・・・ウソ??泣いてるの?」
「あ・・・さすがに、メリケンサックは・・・怖かったかな?さっきちょっと言い過ぎた?カマトトとか言われたのは・・・言い過ぎだったかな?・・・やだ、私ったら・・・後輩相手にちょっと大人げなかったかな?・・・・大丈夫???」
恋華は、霧恵に寄り添った。
「オ・・・オトモダチ・・・・オ、オトモダチ・・・・」
霧恵は、泣いている呼吸であるため・・・まともに喋れていないが、「お友達」というキーワードを何回か口にした。
「・・・・!!」
霧恵は、溢れ出る感情を言葉にして話す事は出来なかった。自身の感情とキモチは表す術が他に無かったのか・・・
霧恵は、力なく恋華に抱きついて少しの間・・・静かに泣いた。
その涙の意味するものは、この時の恋華には解らなかった。
その日の夜、学校の仕事が一通り片付くと目黒ギンは、スパーダを呑みに誘った。
目黒ギンが学校で仕事仲間を呑みに誘うというのは、非常に珍しかった。景親や、知恵から呑みの誘いがあって同行する事はあったのだが、自身から誘うというのは滅多にない。
ギンは、小さなチェーン店安い居酒屋にスパーダを連れて行った。
「おぉ・・・悪いな、つき合わせて・・・」
ギンは、カウンター席でスパーダを隣に座らせた。
「あ・・・いえ、良いんです。ボクも丁度飲みたい気分だったんです・・・」
スパーダは、さっそくメニューを開いた。
スパーダが、メニューに一通り目を通したのを確認して、ギンは店員を呼んだ。
「スミマセン!おれ・・・生中(ビール)で・・・生で大丈夫?」
ギンは、スパーダに聴くと
「あ・・・カシスオレンジで・・・・あ・・・アルコールは少な目でお願いします・・・」
スパーダも自身の飲み物を注文した。
「とりあえず・・・・枝豆と・・・適当につまみを・・・・」
とギンはメニューをあまり見ないで適当に注文すると
「じゃあ・・・お好み焼きと、から揚げと、卵焼き、お刺身の盛り合わせで・・・」
メニューをガッツリ見たスパーダは、メジャーと思われるハズレがないと思われるメニューを的確に注文した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ギンは、少し笑いながらスパーダを見た。
「あ・・・なんですか?急に無言で笑って・・・」
スパーダは、ギンの顔を見て言った。
「いや・・・・別に・・・・」
ギンは、多くを語らず静かな笑顔でスパーダを見た。
「なるほどね・・・そーいうトコ・・・兄妹って・・・似るんですね☆あまり語らず、ただじっと相手の顔見て何かを含んでるトコ・・・・そっくりですよ?妹さんに・・・・」
スパーダは、ギンに指摘した。
「んーーーそーかな?・・・そう言われると、そうかもな・・・」
ギンは、スパーダの顔をみながら静かな笑顔になった。
「/////なんですか?さっきから、じーっと人の顔を見て・・・」
スパーダは、またギンに指摘した。
「いや・・・飲み物きたぜ?」
ギンは、指をさした。
ビールとカシスオレンジ(アルコール少な目)が届き、小さな器に煮物のようなモノが入ったお通しが届いた。
それから間もなく、ギンの頼んだ枝豆が届いた。
「ん~・・・・ボクの頼んだ刺身は、まだ来ないですね・・・」
「多分、釣ってるんじゃねぇか??・・・鮮度の高い魚を・・・」
「いや・・・鮮度の高い魚と言いましても・・・大体市場で冷凍されたモノを仕入れて、すで切り身として用意されてるんですよ・・・・」
スパーダは、ギンのボケ?と思われる話にまともに返した。
「あー・・・そっかぁ、スパーダ先生詳しいな☆・・・それじゃ乾杯しますか☆」
「乾杯☆」
ギンとスパーダはそれぞれの、飲み物を持ちジョッキとグラスを軽く合わせた。
ギンは、ごくごくと・・・一気ジョッキの半分を飲み干した。
スパーダは、一口飲むと・・・静かに口を開いた。
「お刺身・・・・遅いですね・・・・」
「ん??腹減ってるのか?・・・・枝豆あるから、食えよ・・・んまいぞ~」
ギンは、スパーダのトコに枝豆を差し出した。
「いや・・・お刺身って、生物だから・・・すでに切り身の状態で出来上がってるものだから、切って出せばいいじゃないですか・・・・なのに・・・冷凍の枝豆と、お通しの煮物だけが先に来て・・・・」
スパーダは静かにカシスオレンジのグラスを見ながら話した。表情は少し沈んでいる。
ギンは、静かにスパーダの話を聞いた。
「揚げ物や、焼き物に時間がかかる事は知ってます・・・・火を通すから・・・そもそも、下味のついてるものを準備してから調理するので・・・・多少時間はかかるでしょう・・・そこは、解ります・・・・でも・・・」
スパーダは、グラスを握る力が少しずつ強くなっていた。
スパーダは、ギンの顔見た。
「ねぇ・・・目黒先生は・・・ボクより、良く飲みに来るんでしょ?・・・お刺身が遅い時って・・・理不尽だな?とか・・・どうしてなのかな?とか・・・思ったりしませんか?」
スパーダは、口元で笑顔を作ろうとしているが・・・目は全く笑っていない。
「だから・・・・今、釣ってるんだって・・・・待ってあげようぜ?☆」
「だから・・・
今、釣ってる訳無いでしょ!!」
職場仲間同士で飲みに来た
ギン先生とスパーダ先生
しかし、この二人の性格は真逆・・・
シラフなのか、酔ってるのか解らないギン先生と
比較的キチンとした性格のスパーダ先生・・・
この二人の呑みの相性って・・・
果たしていかに・・・
つづき
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