学園モノのブログ小説です☆

 

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2年5組(普通科)新宿ネロ。

彼には、中間試験で高得点を取らなければならない2つの理由があった。
1つ目は、高校入学早々ホームルームに遅刻等の理由で職員室に呼び出される回数多数!!あげくの果てに担任講師から反省文を書かされるしまつ。中間試験で高得点を取らないと、内申書が危ないという理由。

もう1つの理由は、彼の意中の思い人実尋の手作り焼きたてパイをかけて、恋のライバル!!恵比寿・イ・ヤムチャとの一騎討ちをする事になったからである。

 

 

鯖学☆(サバガク)

シーズン2

 

 

【本編】
中間試験当日である。
ネロの在学する2年5組は、緊張に包まれている。
ネロは、細い目の下にクマを作っていた。
1限目の試験は国語だ。担任の目黒ギンの教科であり、彼の作成した試験問題である。

ーー!!なるほどなぁ・・・恋華の言った通りだ。問題集のコピーがそのまま試験に出てきたぞ。あれ・・・後半にあるこれは??げ、百人一首が出やがった。上の句と、下の句を合わせろと来やがった!

国語の試験

ネロの正解率でライバル、イ・ヤムチャとの優劣が変わります。

 ◆問13 百人一首
 ・①~⑤上の句に、選択肢の中から正しい下の句を組み合わせよ。

 ①あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに
 ②おおえやま いくののみちも とおければ
 ③あきのたに かりおのいおの とまをあらみ
 ④あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに
 ⑤たごのうらに うちいでてみれば しろたえの


 選択肢
 a よしののさとに ふれるしらゆき
 b まだふみもみず あふさかのせき
 c わがころもでは つゆにぬれつつ
 d ふじのかたねに ゆきはふりつつ
 e あらわれわたる せぜのあじろぎ



ーークッソ!!こんなの、問題集に無かったぜ・・・いや、試験範囲に入ってたが・・・ぶっちゃけ勉強してねぇ!中学の時ちょっとだけやったが・・・

ーー俺の自信のあった「あさぼらけ~」があるぞ!この下の句は、「よしの」だ!って「あさぼらけ~」が二個もある!これじゃ解らん!

ーーう!!なんか、考え込んだら急に腹が痛くなってきやがった。

ネロは、下腹部を押さえて、足を組み、前傾姿勢で問題に向かった。

1限目の試験が終わると、ネロは急いでトイレに向かった。緊張による腹痛であったらしく、腹下りとまではいかなかった。

ーー(便は)出ねぇか・・・
ネロは、自販機の方へ向かった。緊張の為か喉が乾いたのだ。そして、連日睡眠時間を削り勉強をした為か、カナリ眠かった。

ーーアイスコーヒーでも飲んどくか・・・あ、イ・ヤムチャ?

ネロは、自販機の前でイ・ヤムチャと出くわした。
「よっ!・・・クマ出来てるぜ☆」

イ・ヤムチャは、自販機からホットコーナーのペットボトルのお茶を2つとスポーツドリンクを1つ購入した。

「お前こそ、クマ出来て・・・」
ネロは、負けじと言い返そうとした時、イ・ヤムチャは、ホットのペットボトルのお茶をネロの方へ投げた。投げたといっても、投げつけた訳では無く、ネロがキャッチしやすい様に軽くパスした。

「ネロ、睡眠時間を削り一気に暗記しただろ?その顔を見れば解る。体調の悪い時に冷たいカフェイン系は、胃に負担が大きく、次の試験が受けれなくなってしまう。喉が乾いたなら、暖かい飲み物で口の中を湿らす程度にすると良い。」
イ・ヤムチャは、自販機の横の壁に寄り掛かりながら、ネロへ語りかけた。長身で足は長い、長髪で甘いマスクのイ・ヤムチャは、腕を組みながら壁に寄りかかるだけで、何となく絵になった。

「わ、ワリィな・・・一応礼を言っとくわ・・・あ////ありがと・・・」
ネロは、イ・ヤムチャの不意な優しさに頬を赤らめてしまった。
  
「ん?その言い方・・・どっかで聞いたな・・・ウチのクラスの・・・まぁ、いいや☆お互い頑張ろうぜ!」
イ・ヤムチャは、拳を前に突きだした。ネロも、その拳に自分の拳を軽く当てた。

2限目の試験が始まる前、ネロが席に戻ると実尋がやってきた。
「よー☆新宿クン、おや?その目の下にあるのは、勉強マンの記しだな??大分やり込んだね?」

「いやいや、全然勉強してねーよ☆今回のテストはヤバい☆」
と勉強沢山やり混んだ者が言う‘ありがちな‘台詞を言ってしまったネロ。

「ん~どうしたの・・・ピンチなハズなのに、随分嬉しそうだね☆」
実尋は、少し笑った。

「あ、そうかな・・・俺、ニヤけてたかな?」
ネロは、頭をかいて照れた。

図星だった。

ネロは、嬉しかったのだ。競いあう相手ではあるが、同じ目標に向かっていく友達が出来た・・・高校に来てから、初めてと言える程キモチが最高に充実していた。

2限目の試験は理科だった。

試験監督は、大塚知恵だった。
「今から、試験用紙を配りマス。合図があるまで裏面のままでお願いしマス☆」

白衣を羽織、前方には大きな胸の谷間を魅せる。男子達の憧れの女性講師ちえモン先生の登場だ。
尚、知恵は理科担当では無く保健室担当である。

「ハイ☆始めてください・・・デス♪」
知恵の合図で2限目の試験が始まった。
国語の時は8割以上が問題集のコピーだった。めんどくさがりの目黒ギンが作ったモノである。ただ、百人一首の問題は、多分誰か別の人物の入れ知恵だろう・・・・

理科の試験も、一通り問題を読むと、問題集と似たような問題を使っている。一部入れ替えたり、設問が変わっているモノもあるが、問題集を丸暗記したネロ。類似問題程度なら苦戦はしない。

ーー!!後半のこれは・・・元素記号か!!問題集より、多く出してやがる・・・いや、回答集に全部解説で載っていた!冷静になれば、これくらい!!

理科の試験
ネロの正解率でライバル、イ・ヤムチャとの優劣が変わります。

 ◆問18 元素記号の訳を記入せよ。
 ①H  (     )
 ②He (     )
 ③Li (     )
 ④B  (     )
 ⑤C  (     )
 ⑥N  (     )
 ⑦F  (     )
 ⑧Ne (     )



ーー①は、水素!!②は、ヘリウム!!・・・ここから先が解らん!飛ばすか?⑧?Ne・・・ネロ?いや、それは俺の名前か・・・

ネロが頭を抱えて考えている時に

「そこ!!試験を今すぐ辞めて、廊下に立ちなさい!」
知恵の声色が鬼教官の様に厳しくなった。

ーー久しぶりに聴いたな・・・タシロス先生の時以来だ・・・この声色を聞くのは・・・

男子生徒の一人が「チッ」と舌打ちしながら廊下へ出て言った。カンニングが発覚したのだ。知恵は、眼鏡を-スッ-っと上に上げて、キラっと光らせた。普段は、包容力たっぷりのお色気お姉さんだが、絞めるときは一番??怖いとウワサの知恵である。

2限目の試験は、1限目以上に張りつめた空気になった。


「ふーーっ・・・・終わったぁ・・・緊張したぁ」
2限目の試験が終わると・・・ネロは、大きく息を吹いた。

「張りつめた~空気~♪震える指~先~♪んふふふふふ♪ふふふふ~♪」
実尋がジブリ映画のなにかに似た曲調で唄を歌いながらやってきた。

「なんで、もの●け姫の曲調なんだよ~。ってか途中から詞が言えてないし・・・」
ネロは、細い目をさらに細くして突っ込んだ。

「新宿クン☆緊張して行き詰まった時は、唄だぜ☆さぁ、ご一緒に~・・・張りつめた~空気~♪ちえモン怖~いよ~♪んふふふ・・・・(白目」
実尋は、唄の途中で固まった。
      
「オイオイ、そんなのちえモン先生に聞かれたら・・・」

ネロは、実尋の反応を見て後ろ振り替えると
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


眼鏡を-スッ-っと上に上げる知恵が立っていた。
            

        

 

 

 

 

 


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ネロと実尋は、しばらく無言で冷や汗を垂らし続けた。

「次のテストも頑張って下さい☆デス☆・・・張りつめた~空気~♪私は、やさ~しい~♪んふふふふふ~♪ふふふふ~♪」
知恵は、歌を歌いながら去って行った。

「ちえモン先生・・・渋谷の唄を一部修正して歌ってたな・・・完全に渋谷の唄聴こえてたな・・・そして、引きずっていたな・・・」

「あぁ~!!もう駄目だぁ!!校内で一番怖い(かもしれない?)先生を敵にしてしまった。完全に眼をつけられた!眼鏡を-スッ-と上げるとき目が笑ってなかったもん!!きっと・・・シーズン3でラスボス化した先生にデス☆ビームをされて、ワタシは華麗に散ってしまうんだ・・・うわぁぁぁぁん(泣)」
実尋は、頭を抱えてこの世のおしまいだぁと言わんばかりに叫んだ。

「あれ?みひろん・・・どうしたの?」
スポーツドリンクをごくごく飲みながら、恋華がやってきた。

「お!恋華・・・さっきちえモン先生が、カンニングしてる奴を・・・って、お前そんなに飲み物ガンガン飲んで平気か?それに・・・それって確か」
ネロは、先程の知恵がカンニングした生徒を裁いた話と実尋の唄の話をするつもりだったが、恋華のもっているドリンクが気になったのだ。

ーー!!イ・ヤムチャが買ってたスポーツドリンクだ。

「あー・・・試験、30分経過で途中退出可能だし、その後トイレ行けば間に合うでしょ・・・ってか、15分で途中退出出来たら良いのにね~30分は長すぎでしょ」
恋華は、目を細めて言った。

「え?15分で恋華終わるの?ワタシ・・・見直ししたら30分かかっちまった!!見直しとかするとさ~なんか、ホントに正解か、自信無くすよね~」
実尋が顔を上げた。

「あはは・・・私、見直ししない派だわ。意外と見直しして答え書き直すと、最初書いた答えがあってるパターン多くない?」

「うわ!!元素記号の問題3つ書き直してしまった・・・間違いフラグか~!!」



ーーコイツら30分間で、見直しをしたとか・・・しないとか・・・そーいう次元が!俺なんか、1時間フルに使っちまった!
ネロは、静かにペットボトルのお茶を少し飲んだ。

「ぁぁ・・・それ、イ・ヤムチャと同じお茶・・・」
恋華は、小さい声で言った。

「おぅ☆」
ネロは、小さい声で反応した。

  -なんだ、上手くやってるじゃん☆二人共-

ネロとイ・ヤムチャの距離が少しずつ近くなるのを感じながら、恋華は席についた。

ーーさてと、恋華がウチのクラスに移動してきたって事は、次の試験は・・・選択教科の歴史かぁ。
イ・ヤムチャは、地理を選択しているから、この教科は勝負の試験じゃねぇ・・・でも、全教科勉強したし、今回も気合いを入れよう!

3限目の試験監督、田端景親がやってきた。
「それじゃ、配るぞ・・・私の合図があるまで、問題用紙を開くな・・・」
景親の声のトーンは、いつもより低かった。一人称も、'オレァなぁ'と言った酔っぱらいトーンじゃなかった。私と言っていた。

ーーなんだ?田端先生・・・まるで、別人だ。落ち着き払った先生は、なんだか、歴史上に出てくる軍師の様にも見えた。

「ちえモン先生の怖さは、異常だったけど・・・田端は、平気だろ?」

「まぁ、いつもの調子がアレだからな・・・」
生徒達の小さな声のヒソヒソ話が聴こえてきた。

テスト問題が配られてから、景親の合図が入る前に2名の生徒が試験をやり始めた。フライングである。

「・・・・・ちょっとだけ待て」
景親は、フライングした生徒達の所へ静かに向かった。

「お前、それとお前だ・・・・その場で立て、ペンは置け。」
景親は、2名の生徒をその場で立たせたまま、教卓に向かい試験開始の合図をした。

ーーな・・・なんてこった。見せしめか・・・フライングしたら、こうなるぞ!って意味で教室に立たせて置くのか?ってか・・・1名泣いてるぞ!

ーーいや、集中だ!今は、試験に集中だ・・・ん?この問題、全部手作りだ・・・問題集とは、全然違う!!やっべ~・・・解らない!


「試験が終わった奴は、30分経過で途中退出可能だ~・・・それより、早く終わった奴・・・もしくは、ギブアップの奴ァ寝てろ。」
景親は、いつものトーンで話した。

ーーこんなキッツーイ問題、誰が30分前に終わるかって!!ん?渋谷の奴、すっげー速さでペンが進んでいる。後ろから見ても解るぜ!ありゃ?恋華・・・ペンが動く処か、寝てる?ギブアップか?

景親は、微動だにしないというより、前傾姿勢で顔と机が密着している恋華の所へ向かった。

「あ?ギブアップかぁ~」
景親は、恋華の問題用紙を見ると

「ケッ!!目黒は、兄妹揃って可愛げがねぇ~」
景親は、恋華の答案用紙を早急に回収した。


ーー終わっていやがる!アイツ、どんな勉強方法を?日頃からの予習復習の成果って、ここまで差がつくのか?

「よし、30分たったぞー。終わった奴、答案用紙をオレんトコ持って来て退席良いぞー。フライングした奴ァ・・・放置だぁ☆」
景親は、言った。

「っしゃ~!!ギリギリ見直し終わったぁ!恋華ァ・・・パン買いに行くよ☆」
実尋は、元気よく立ち上がると寝ている恋華の背中をバンバン叩いた。

「お、渋谷ァ・・・試験中の奴も居るから、もうちょい静かに頼むわァ・・・」
景親は、ため息混じりに言った。

「あぁ・・・すいません。ハハハ」
実尋は、頭をかきながら、まだ目が半分開いてない恋華を連れて退席した。

一番に退席した実尋達に引き続き、試験が終わった生徒やギブアップの生徒達がゾロゾロと退席を始めた。


ーーどうしようかな・・・俺も、退出しようかな・・・ぶっちゃけ、この問題頑張って考えても出来る難易度じゃない。ってか問題集意外の知識は俺には無い。

歴史の試験
(今後に影響アリ)
 

ネロの選択肢
1
ーー少しでも赤点の可能性から離れたい!ダメ元だ!最後までやってみよう!

2
ーーイ・ヤムチャとの対戦教科じゃないし、ギブアップしとくか??考えても、マジ解らないし・・・



4限目は、数学だった。
この教科は、ひたすら集中して解き続けた。
意外に30分以内に終わった。

どうやら、読解系では無く作業系は比較的得意だったんだな・・・と自分でも驚いた。
ーー30分退席まで、残り5分かぁ。

数学の試験

(今後に影響アリ)
 

ネロの選択肢
1
ーー制限時間全部使って見直ししよう!

2
ーー5分使って、文章問題だけでも見直そう。

3
ーー直感を信じよう!見直しは、やめだ!!



昼休みの時間になった。
ネロは、屋上で弁当を食べる事にしたが、今日は、一人だった。

ーーたまには、一人も悪くないっていうか・・・疲れちまって・・・喋る気力もないな・・・一人が逆に丁度良い。
 

ーーお!カツ丼弁当か・・・この弁当、同じマンションのオバチャンが差し入れで持ってきてくれたんだよなぁ・・・あのオバチャン、カレーの作り方を教えてくれたり、色々面倒見てくれて親切なんだよなー。

ーーっていうか、あのオバチャンいくつだろ?もう少し服装とか、お洒落したら若く見えそうな気もするけど・・・





昼休みの弁当

(今後に影響アリ)

 

ネロの選択肢
1
ーーしっかし、このカツ丼弁当、割りと量が多いな・・・ご飯半分くらい残そうかな?

2
ーーいや、オバチャンが俺の為に作ってくれた、オバチャンパワーだ!カツ丼は縁起が良い!!全部食って試験に打ち勝つんだ!


 

 

 

中間試験・・・

問題集の丸暗記とはいえ、全教科勉強したネロ。

睡眠時間が、大幅に削った勉強の成果を今発揮するのか??

   

「張り詰めた~空気~♪頑張れ新宿~♪んふふふふふ~ふふふふ~♪」



中間試験の話は次回につづくぜぇ~
 

24話

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