名前:レウニカ=グレーニィ
年齢:14歳(肉体年齢)
性別:女
性格:どこかふわふわ、そしてふらふら、根なし草を思わせる優柔不断。
たまに思わせぶりな発言をしといて、それを完全にぶった切る。ある意味フラグクラッシャー、いやフラグバスター。

1人称:あたし
2人称:お前、あんた、キミ
特徴:黒く短めの髪に黒い瞳。
黒いコートに白い長そでのトレーナー、ジーンズをはいて灰色の剣を背負っている。
種族:人間?(人間が元の複数人のクローン)
職業:旅人(記録装置)、剣士
武器:体術と灰色の片手剣。銘は『虚罪のエウレカ』
効果は、一定の精神力を込めることで斬ったモノを原子分解させることができる。

弱点:特になし。強いていうなら四肢をもがれること。

サンボ
「あたしはレウニカ。本名かはわからないけどね」
「ほら、そこにある黒いの。もしかしたら、ね……」
「つまりは昨日探しの今日の旅をしてる。さらに言えば記憶が失踪しちゃった」


来歴:ふらりといろんな場所を巡っている旅人。そのため、日常や豆知識は豊富。
何故か世界の壁をひとっとびできる。というかそういう能力を所持している。
「昨日探しの明日の旅」というのが口癖。理由は記憶喪失で過去のことを覚えていないため。
名前の由来は、気付いたときに持っていた武器の柄に刻まれた『エウレカ』と剣の色の灰色(グレー)から(ただし剣は『レウニカ』と読み間違えた

記憶の欠片を探して、彼女は今日も旅を続けるのだろう。どこまでも、それこそ世界の果てまで。


過去:いろいろ悲惨&ネタバレ注意。






















彼女の本名は『オーバープロジェクトⅹ(キー)クロス』。
正体は一人の死体と複数人のDNAから造られたクローン。
DNAは『属性持ち』の第3位(万能の力)、第5位(聖なる光)、第10位(空の掌)のモノなどが主。
死体は『ルライト=ホロウ=メイローゼ』。

ぶっちゃけると、今の寮にいる『ルライト』の本当の逝き先の姿。

故郷を殺したあと軍を脱走してアウアを逃がすことには成功するが、吸血鬼や願い屋に出会えず、そのまま殺される。
死んだ後も軍の研究者に調べつくされたのち、身体はバラバラにされ、いくつかのDNAを植えつけられクローンとして造りかえられた。
が、どうやら軍の研究者が求めていた結果が得られず、失敗作扱い。
仕方がないので『戦場の記録装置』として戦場に送り込んでみたものの、突然発現した世界を渡る能力によって世界の壁を飛び越してしまう。

記憶が無いのは、当たり前。
クローンとして造りかえられたので、そもそも過去が無い。
あるとしても、必要な知識だけ。


無いものをただひたすらに探し求める死者。
死者とも気づかず、彼女は生者として旅をするのだろう。


Deep amber and light



「暑い……、溶けそう……」


口に出したのは自分だが、本当に暑くて嫌になった。
木陰だというのに、なんだこの暑さは。俺を殺す気なのか。
そう考えずにはいられないほど、今日はクソ暑い。

じゃあなんで俺はそんな場所、もとい外にいるのか。
一言で言えば、待ち合わせだ。

俗に言う、デートの。


『あ、あのさ、イクス。明日一緒に、あの、「水族館」っていうところに行かないか?』


昨日、どこかたどたどしい口調でいいながら誘いに来た彼女。
もちろん俺は二つ返事でオーケーを出した。
そこまではよかった。そんでもって今日になるまではよかった。
よかったのだが……。



「はぁ……、赤髪と阿呆球体め……」



自分が着ている服を見て、この15分の間で何度目になるかわからないため息を吐く。
今、自分が着ている服は、黒いフードつきのパ-カーにズボン……じゃない。
鮮やかな色合いの洒落たTシャツに、わざとらしいダメージ加工のジーンズ。

自分から着た訳ではなく、寮のハルトとナマコに着せられた。
コスプレさせられるよりはよっぽどいいが、気恥ずかしい。
Tシャツの色が鮮やかすぎて、余計に。


とん、とん。


「あ、あの……」
「ん?」



寮に帰ったら、2人をどうシバいてやろうかと考えていたとき、不意に後ろから肩を叩かれた。
加えて、よく知った声で言葉を投げられる。
振り返ると予想通り、俺の目線より少し低い位置に黒髪と黒い瞳。
少し不安げな表情。



「こんにちは、ルライト」
「あ、うん、こんにちわ、イクス。人違いじゃなくてよかった……」


言葉を返すと、相手も安心したように表情をほころばせる。



「服が違ったから、ちょっとわかんなくなって……」
「さすがにコレじゃわからないよな。仕方ない」
「で、でもカッコいいよ、イクス」
「はいっ!?」


いきなり爆弾発言を投下された。

カッコいいとか急に言われても返答に、困る。
しかも目からするに、本気で言っていると来た。
頬が赤くなるのが自分でもわかる。


「あれ?イクス?」


俺が返事をしないのを不思議に思ったのか、彼女は首を傾げてこちらを見ている。
あーもう、どう返事をすればいいんだ!?と頭を抱えかけたとき、気付く。
ルライトがずっと、俺が寄りかかっていた木に隠れるようにして会話をしていることに。


「る、ルライト?何で隠れたまま、なんだ?」
「えっ!?え、えと、あの……!」


訪ねた途端、何か慌てふためかれた。ついでに挙動不審。
考えればそうだ。
誰かわからないのなら、何で後ろから話しかけた?
前方から顔を見て話しかければいんじゃないか?


「そこまで慌てなくてもいいんじゃないか?」


まわりこもうとすると、さらに隠れる。
何かあるのか?


「ちょ、えと……服……」
「服……?まさか」


埒が明かないので、木の陰から見える、包帯を幾重にも巻いた彼女の左手をつかむ。
そして強めに引っ張った、が。


「うわっ……!」
「あ、すまん!」


強すぎたらしく、バランスを崩したルライトがこちらに倒れこんできたので、受け止める。
怪我はないかと彼女を見たとき、少し驚く。
服がいつものトレーナーとジーンズじゃなくて、スミレを思わせる淡い紫色の上着にベーシュと白のロングスカートだった。



「あっ……えと、あの、コレはロコナとオイデが………!」



実に女の子らしい服装だなぁ、と頭のどこかで思う反面、俺から離れて困ったように言葉を紡ごうとする彼女を見て、結論。



「ブルータス、お前もか」
「えっ?」
「いや、わからなくていい。……服、似合ってるな」
「えっ! い、いやでも動きづらいし、恥ずかしいし……」
「おしゃれ、ってのはそういうもんだ。可愛いよ」



それでもまだ、困ったように俯く彼女の頭を撫でてやる。
彼女は一瞬、驚いたように身体を強張らせるが、おとなしくされるがままだ。
少しの間撫でているうちに、彼女の頬が赤いのに気づく。
熱でもあるのか、と考えたところで思い出す。


暑い。


そうだ、ここはまだクソ暑い外じゃねーか。
忘れてた。



「……さて、そろそろ行くか?」



撫でる手を止めて尋ねると、コクリと頷いて顔を上げる。


「……うん、行こう?」
「了解」




――――――――――――――――――――――



入り口ぶて入場料を払い、とりあえず館内を一周することにした。
理由?広くてどれから見ればいいのか分からないからの他に何がある。
水族館なら、情報屋のメンツと行ったことはあるが、カオス以外の何物でもなかった気がする。

今思い出して後悔した。

一方のルライトは落ち着いたBGMの中、水槽の中の魚が動く様子を見てはしゃいでいた。
遊園地と同様、来たことがないらしい。



「ねぇイクス、ほら!変わった魚がいる!」
「変わった魚……? なんだ、エイじゃないか」
「エイって言うんだ、アレ」
「知らないのか?」
「うん、見たことない」
「……マジか」



こんな調子で進んでいくと、吹き抜けのような広い場所に出る。
休憩所といったところか。


「……やっぱり歩きづらい」


隣のルライトは足元を見やり、ぽつりと言う。
靴もスニーカーからパンプスに変えられたようだ。
それは歩きづらいだろう。


「休むか?」


俺が声をかけると、彼女は首を横に振る。


「ううん、大丈夫。まだ見ていたい」
「……そうか。……お、あれなんてどうだ?」


たまたま目に入った看板を指す。
それには、随分とデフォルト気味のイルカがボールと戯れている様子が描かれている。
下には時刻と、もう一つ。


「……イルカショー?」
「そうだ。水族館に来たことがないなら、一回見といた方がいい」


水族館と言えばコレだろうしな。




――――――――――――――――――――――




「イルカってすごいんだね!面白かった!」
「そうか、それならよかった」


楽しそうに笑っているルライトの横顔を見ると、何故か和む。不思議だな。
熱帯魚などを展示している通路を歩き、彼女の言葉に返事を返しながら思考する。


「なぁイクス、あれってなに?」


彼女は不意に足を止めて、1つの水槽を指す。
小さな光に照らされ、白く輝くソレは……


「……阿呆」
「あ、あほー?」
「ハッ!? い、いや違う違う違う!!」


今なんて言った俺!
何で海月というだけでブロウと行った俺ェ!!


「く、海月だクラゲ。海に月と書いてクラゲというんだ」
「そうなんだ。……え、じゃあなんであほーって、」
「聞くな!頼むから何も聞かないでくれ!」
「??」


叫んで頭を抱える。
ブロウもとい阿呆のことを話すなんてお断りだ。
話したくないのだが……、彼女は純粋な目でこちらを見ている。
一体どうすればいいんだ俺は、


「おー!イクスか!?」


と、思ったとき、後ろから聞いたことのある声がして振り返る。
……あれ、デジャヴじゃね?


「やっぱイクスかー、お久!」
「なんだ、お前か」
「なんだとはなんだよー!」


後ろに立っていたのは、いつか共に旅をした、オレンジ色の髪と腰についている子犬の尻尾が特徴的な少女。
相変わらずの、活動しやすそうな軽装だった。
無理やり違う服を着せられている俺としては、「相変わらず」がうらやましい。


「えっと、イクスの……知り合い?」
「知り合いだな。俺は炬燵!あんたは?」
「あたしはルライト。あたしも、イクスの知り合いだよ」
「ふぅーん、まぁよろしくな」
「おい炬燵、俺を除いて話を進めるな」


ちょうどよさげなところで釘を刺しておく。
すると炬燵は「悪ぃ悪ぃ」と言って笑った。


「そういや変わった服着てんな。イメチェン?」
「んな訳あるか。無理やり着せられたんだよ。……で、どうしてお前さんはここにいるんだ?」
「向かいの美術館の下見のついでだ。『ゲルテナ展』とかっていうのやるって聞いたからな」
「ゲルテナ?いや、それはヤバいだろ。『絵空事の世界』の噂は聞いてないのか?」
「もちろん聞いた。だからこそ行くんだよ」
「マジか。……あー、お前ってそういう奴だったな」


こんなことを語りあってると、急に会話に入っていなかったルライトに腕を引かれた。
ただし、どこか寂しそうな、つまらなそうな顔で。


「イクス、向こうのぺんぎん、っていうの見に行こう?」
「え? 別に構わないが……」
「じゃあ、早く行こう」


言うと、強く強く俺の腕を引いて急かす。
というかもう歩き出しそうな勢いだ。
そんなにペンギンが気になるのか?


「もう行くのか。じゃーなー、ルライトにウマシカ雷馬ー」
「後で潰すぞ」
「…………」


炬燵から投げられた別れの言葉を、俺はぶん投げて返したがルライトは無言。
ついにルライトは俺を引っ張って歩き出す。当然、俺も引っ張られて歩く形になる。
一体どうしたんだ?


「なぁ、どうし―――」
「そうだ、末永く幸せになーリア充ー」
「ちょっ、ウマシカの次はそれか炬燵!!」
「ついでに後で火薬送っとくからそれで爆ぜとけ!」
「お前ふざけんな!!」


「……イクスの、ばーか」


炬燵に突っ込みをかましている中、腕を引く彼女がこんなことを言っているのには全く気付かなかった。



――――――――――――――――――――――


「ねぇイクス、おみやげっていうの見てっていい?」


館内を大方まわり、近くの海岸へ行こうということで入り口に向かっていた時、不意にルライトが言った。
彼女の様子は、あのあとペンギンやアシカを見ているうちに元に戻っていった。
結局何だったのか気にはなるが、気にしないことにした。
いつも通りなら、それでいい。


「わかった。……何処にあるのかは分かるのか?」
「うん、入り口の側に……ほら、あれ」


彼女の指先が指した方向を見る。
そこの壁には、大きな文字で『みやげや』と書かれた看板と自動ドアがあった。


「わかりやすいなオイ」
「いいんじゃないか?あ、イクスはどうする?」
「俺も見に行く。待ってるだけは退屈だしな」
「あ、うん。じゃ、あたし行くから、そこの入り口で待ち合わせしよう?」
「了解」


俺が返事をしたのを確認してから、ルライトはパタパタと店に走って行った。
お土産屋なら遊園地にもあったな。行く暇なんてなかったけれどさ。
彼女より遅れるように、俺も店に入った。
店は明るいBGMと共に、イルカやペンギンのぬいぐるみ、筆記用具、雑貨等が置いてあった。


「………、お」


ふらふらと店内を歩いていたとき、ふと1つの置物コーナーに目がいく。
手に取ったのは、マリンボール。
中に置物と水が入っており、振るとキラキラした紙(?)吹雪が舞うアレ。
中の置物は、2匹のイルカが仲良く泳いでいる、というモノだ。
ルライトに見せたら喜びそうだ、というところで思いつく。

コレを買って、後で彼女にプレゼントしよう。

きっと思い出にもなるだろうし、喜んでくれそうだ。
ルライトが出てくる前に買い終わり、入り口で待つ。
その間、彼女にコレを渡したときにどんな笑顔を見せてくれるか、少し楽しみだった。




――――――――――――――――――――――



店から出てきたルライトと合流して外に出た頃には夕暮れ、黄昏になっていた。
思ったよりも結構長い時間、水族館にいたようだ。
そのまま、俺たちは水族館の近く、というか、裏にある海岸に来ていた。
水面は夕暮れ時の色を映しており、琥珀色にも見えた。


「……海って、キレイだね」


隣でしゃがみ、砂浜に打ちつける波を見続ける彼女は、ぽつりと言葉を零す。
切なく、どこか儚いように。


「……ルライトの世界に海はないのか?」
「ないよ。川とか、湖ならあったけど。……空に浮いてる大陸だったし」
「空に……、浮いてる?」


確認のために繰り返すと、コクリと頷く。
あれか、エレヴみたいなものか。


「何でかはわからないけど、空に浮いてる。それが、あたしの世界なんだ。……良い思い出は、あんまりないけど、さ」


彼女は言いながら立ち上がるが、そのまま目を伏せてしまう。
聞かない方が、よかったか。

ごめんな、と俺が謝ったところで会話が途切れてしまった。
言い様のない重い沈黙が、波の音と共に俺の耳を打つ。
どうしてくれようか、と頭に手をやろうとしたとき、持っていたプレゼントを思い出す。
渡すなら、今がちょうどいいか。


「……なぁ、ルライト」
「……どうしたの?」
「ほら、コレ」


彼女の前に、リボンがついている箱を突き出す。
ルライトは、きょとんと首を傾げている。


「プレゼントだ。開けてみてくれ」
「あ、うん……」


恐る恐る、といった様子で箱を俺から受け取り、中身を出す。
中身を見ると、彼女はぱぁっと嬉しそうな笑顔になる。


「キレイだ……!」
「マリンボール、っていうんだ。どうだ?」
「すっごいキレイだよ。イクス、ありがとう。大事にする」


笑い、彼女は大切そうにプレゼントを抱きしめる。
その胸元には、歌唱石が夕陽の光を反射して輝いていた。


「ルライト、まだ、それ……」
「あっ、あのさイクス。あたしもね、あの………、コレ」


俺が呟きかけた言葉を遮るように、彼女は言葉を紡ぐ。
同時に、俺に差し出したのは小さなリボンがついた紙袋。


「これは………?」
「プレゼント、だよ。……あたしから、イクスへ」
「! そ、そうか……、開けてもいいか?」
「う、うん。開けていいよ」


恥ずかしそうに言う彼女の言葉を受け取り、紙袋を開いて中身を出す。
中身は、濃い青色と白い星の形をした砂が入った、小瓶。
綺麗だと思った。


「それ、星の砂っていうんだって。どう、かな……」
「嬉しいよ、ルライト。俺も大切にするから」
「あ、うん……」


再び紙袋に小瓶を入れて笑いかけると、彼女も嬉しそうに微笑む。
が、急に目を見開かれる。


「……どうした?」
「い、イクス………」
「え? って、ちょっ」


名前を呼んだ上で、急に手を掴まれる。
それも、片手だけを、両手で包むように。
とさっ、と持っていた紙袋が乾いた砂の上へ落ちた。
頭の理解がついていかない。


「ちょっ、ど、どうした?」
「……あ、違う………、よかった」
「だからな、何が?」
「……イクスの目が、琥珀色に見えたんだ。でも、それ夕陽の色だったから……」
「……あぁ、そういうことか」


つまりは、夕陽のせいで俺の目が琥珀色に見えて心配したと。
彼女には一度、話したことがある。
俺には、モノを腐敗、腐食させる力があることを。


「……優しいな」

それでも彼女は、ルライトは拒絶しなかった。
今も一緒に居るし、こうして俺のことを心配している。
だから、その瞳が、手が、心が、優しいと思った。


「………ううん」


でも、彼女は大きくかぶりを振る。


「イクスの方が、優しいよ」
「え………?」


思わず眉をひそめる。
が、彼女は構わず言葉を続けた。




「この前、あたしが『故郷殺し』だってこと話したとき、化け物だって言ったとき。
イクスはあたしが化け物じゃないって否定してくれた。それだけじゃない。色んなことで心配までしてくれた。

……だから、あたしよりずっと、イクスは優しいよ」




言葉を失った。
なんというか、物凄く嬉しかった。



「………ありがとな、ルライト」
「うん……って、うわ!?」


ルライトが顔を上げた瞬間を狙って、此方に引き寄せるように手を引っ張る。
突然のことに対応出来なかった彼女はバランスを崩し、俺が伸ばした腕の中にすっぽりと収まる形になった。
彼女は状況が理解出来なかったのか、しばらく瞬きを繰り返していた。
が、俺の腕の中にいることを理解すると、一気に顔を赤くした。



「えっ……、え、あ……、い、イクス?」
「今の言葉の礼だ。嫌か?」
「い、いやじゃないよ……、むしろ、うれしい、よ」
「そうか、ならよかった」



言って、ルライトを抱き締めて撫でる。
夏の暑さとは違う、優しい暖かさだった。



「……、………」
「………ん?」


抱き締められたままのルライトが、小声で何か呟いた気がして見てみると。



「………すぅ」



寝息を立てて、俺に寄りかかるようにして目を閉じ、眠っていた。
歩きづらそうな靴をはいてほぼずっとはしゃいで歩きまわっていたから、疲れたんだろうな。
ずり落ちてしまわないよう注意しながら、顔にかかっている前髪をよけてやる。
そこにあった寝顔は、やはり年相応に幼かった。

……さて、帰りはどうするか、と考えようとしたとき、彼女の唇が微かに震える。



「………イ、クス………好き、だよ……」

「……俺もだよ、ルライト」



返事が帰ってこないことを分かりきったまま、彼女の耳元で囁く。


「俺も、キミが好きだよ。だから……、お休み」



そして、ルライトの額に軽くキスをする。

彼女は眠ったままだか、安心しきったように笑った気がした。




―――海を前に、寄り添うふたり―――


・あとがき

やりたい放題、まさか第3弾をむかえるとは思わなかった。
いやぁうん、楽しかった。
どこかのホラーな美術館ネタを入れたり、阿呆さんに(名前だけ)登場していただいたり、いろいろ(
ナっさんからクロさん、炬燵さんからこたっつあんをお借りしました!
さて、そろそろ三滅亭の料理探しに逝かないと……(ぇ

結論:やっぱり末永く爆ぜろっ!!(
替え歌いきまーす!(


・るーちゃんなう!(元ネタ:リンちゃんなう!


るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!


(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ


ロコナ:るーちゃんをなでなでしたいな 抵抗するのも無視してなでなでーってしたいな
切り札いつでもオッケーだよ どんと来いるーちゃん!(

るーちゃんと二人で買い物に行くことになって
何でもない顔で「クローディアの方がいい?」とか聞いて嫉妬したい(爆ぜろ★

るーちゃんはいつもなっがい剣を背負っていますが
朝、こっそり洗濯竿に中身を替えて、いつ気づくかなーと思ったら
るーちゃんが出かけたのにボクが気付かず、
夕方帰ってきたるーちゃんが(血まみれの)洗濯竿を握りしめてにっこり微笑んできたため、戦慄したい。


(^ω^≡^ω^) こ わ い よ ★


リーチェ:るーちゃんをぽふぽふしたい(バンバン
ぽふぽふされ慣れてないるーちゃんが挙動不審になるのを見て、
さらにぽふぽふしたい。ぽふぽふしたい!


リーチェ&リクセ:るーちゃんがどっかで「サンホラ 黄昏の(ry)」で検索をかけるのを全力で阻止したい!


リクセ:コスプレ会場ではるーちゃんにゴスロリ着せてみたい(クワッ
だけど、強烈な違和感を発する小さめの胸に無意識に目がいってしまい、
「い、イクスに見られたくない!!」 と逃げ出そうとしたるーちゃんをリア充だから殴りたい(もちろんグーで


(^ω^≡^ω^) 爆 ぜ と け !


ウィーシュ:朝起きるといきなり幼くなってたるーちゃんに、
どう接していいかわからずに食事中もあまりしゃべらず、
漆黒のお茶碗とか使わせてるのが何故か申し訳ないと思いたい。
食後、お皿洗いたいとか言われても
「あっ僕がやります!」とか敬語になりたい。というかこれって下手しなくてもロリコンじゃ(ry


るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!


(^ω^≡^ω^) おっおっおっおっ


レクイ:フラルが年齢足りないのにメイド喫茶でメイドさんしてるのに出くわして、
ありえない状況に唖然としたいっす。


フラルがいつまでたっても敬語使わないから、
そのたびに「敬語は使わないんすか?」 「もう、あの話し方はしない」 とガチでシリアスなことになりたいっす。


ライカル:魔法少女かぁ… とテレビを見ているフラルに
「フラルが魔法少女になったらフラル☆魔法少女クラブだな」とか声をかけてぇが、
でもきっとガチでフラルというワードでトラウマに嵌りそうだから陰でジルト(レクイ)と笑いこけたい。


(^ω^≡^ω^) か む お ん !(


アウア:ぼろぼろで帰ってきたお姉がアウアの隣に座って、
そのまま頭撫でたまま寝てくれて、あったかくなりたい。


お姉が目を閉じてアウアの名前を(寝言で)呟いてるから、
しばらく嬉しくなって、それを表に全力で出して、抱きつきたい!(ぎゅーっ☆


フォーカー:町で出会ったるーちゃんはなんとメガネをつけており、
声をかけたら 「お、お店でなんとなく勧められたんだ!」 と
言い訳するが、そのメガネあんまり合ってねーな、
と本心を口にしたところ、顔を赤くしていまにも泣かれそうだ。


(^ω^≡^ω^) な ぜ だ よ ?


サノヴァクス:「ずうっと前から好きだよ」 と急にるーちゃんから言われ、どきっとした。
「嘘つくなよ、ビビるだろ」と言うと 「なんで?あたしはずっと大好きだよ!」
って返ってきてドキドキしたあと
「そうだイクス、一緒に海行こう?」 と寝ぼけていることに気づき、クローディアを殴り飛ばしに行きたい(ぜっつぼう★


るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!
るーちゃんなう! るーちゃんなう!! るーちゃんるーちゃんるーちゃんなう!!!


ちゃんちゃん♪



・あ と が き 
チャットで言ってたのをやっちゃったよ!
『るーちゃん』というのは、ルライトのことです。
つまりルライトなう!って言ってるのと同じとかそn(ry
途中でフラル(過去の偽名)とかお姉になってるけど、気にしない気にしない(


明けない夜はない。
言ったのは、誰だっただろうか。
誰かは知っていたのか。
朝が無ければ、夜が明けても何もないということに。


ツマリハ、間違イ。



story of wishes and collapse ~願いと崩壊の物語~

第四話 『直前』


カチャ、カチャ、カチャ、カチャ。
生命感なんてどこかへ喪失してしまったような音が、木々と闇の間に響く。
この音は隣にいる青年、ヘイズが装備している淡い青色の籠手から発せられている。


「んーメンテてーへんやなぁ……、フラルも気にならへんか?」
「……別に、興味はありません」


唐突に言葉を投げかけられるが、投げ返す気がなかったので地面に叩き落とす。


「冷たいなぁ。もーちょい子供らしくしてもええんやない?」


地面に叩き落としたはずなのに、また言葉が帰ってきた。
しつこい。
今まで感じたことがないくらいに思い、心中に渦巻く。


「別に、そんな気はありません。……作戦決行(スタート)までの時間は?」


とっとと無意味な会話を終わらせるために、意味のある質問を押し付ける。
いや、本当にコレは大事なのだが。


「そーやなー、あと23分53秒ってところやな。そろそろ近づくかい?」
「了解しました」


作戦決行(スタート)まで25分を切っていた。

現在位置は、シルフルーの攻撃要塞『ニトロ』の東に広がった森の中。
要塞破壊―――城落とし―――の内容は、以下の通り。


ライカルとジルトが時間になり次第、遠距離系重火兵器(カベクズシ)で一斉砲撃。
要塞の兵士の気を引いている間に、わたしとヘイズが要塞の東にある隠し入り口から中へ侵入。

外と中から要塞を潰す。
それが今回の作戦。


要塞内の地図や情報は、あらかじめここに来るまでに大方頭に叩き込んだ。
問題は、ないはず。


「フラル?フラルー?あと10分切ったで」
「っ、はい。すみません」


脳内に叩きこんだ情報を、再確認していて周囲が見えなかった。
ヘイズが籠手を確認したのち、軽く顎をしゃくる。
しゃくった方向は、ライカルとジルトがカベクズシを用意しているであろう場所


を、意識したのではない。



「、はッ!」


鋭く息を吐き、適当(もちろんすべて計算した上)に魔力を瞬時に固め放つ。


「がはっ!?」


ヘイズが顎をしゃくった方から、鈍い打撃音と呻き声が虚しくひびく。
なぎ倒される木々、そして、


「……読まれたようですね」
「そうらしいなぁ」


増える気配。
戦闘に支障がでないような意匠の、紅蓮の軍服。加えて、同一の黒いスカーフ。
13、17、いや20。
風景という壁紙の上からぽろぽろと透明な壁がはがれ、そこに奴らがいる。


「シルフルーの隠密部隊。名を」
「『インビジブル』、やったか?」


わたしが言いかけた部分を、勝手にヘイズが継ぐ。


「……たった一度の攻防でそこまで、見抜くか」


隠密部隊(インビジブル)の内の1人が口を開く。


シルフルーの隠密部隊(インビジブル)は、かなり知名度がある。
文字通り、高度擬態魔法で姿を隠し対象を仕留める、透明な暗殺者(インビジブル)。
軍や戦いに関わるものの中だけ、の話だが。


「そちらの気配が強すぎるんや。51分前から目を付けていたんやろ?」
「ふん、さすが『魔を呼び込む月(ルナヴィアース)』の兵士だ」
「そりゃどーも」


ヘイズが軽く返す。だがその気配は違う。


「……で、家へは返してくれるんか?」
「それ以前にここは俺らの領地だ」
「そーかい。『領地侵害』の法にでもかける気かい?」


ヘイズが言葉を投げた途端、帰ってきたのは言葉ではなく銀に煌めく刃(ナイフ)。
気配を変えた彼は軽くかわし、片手を握って突き出し、



「知ってるか?」


告げる。


「手を出した瞬間に、勝ちか負けかは決まるんや」


言葉と一緒に舞ったのは、今しがた話していた名も知れない隠密部隊(インビジブル)の1人の、首。


「た、隊長!?」


どうやら、彼らの隊長だったらしく狼狽している。


「おー、そいつ隊長やったんやなぁ。悪ぃ悪ぃ」


ヘイズは軽く笑った。足元に転がってきた首を隠密部隊(インビジブル)に蹴り飛ばして。
付けていた籠手の、指の間の接続部から伸びた、血に滴った糸を地に垂らして。
その糸の形をした兵器は『魔斬糸(ワイヤー)』。
速度と共に対象に触れれば、軽く切れる。いや、よく切れる。
岩であろうとも、人体であろうとも。


「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


頭(かしら)を失い血迷った隠密部隊(インビジブル)が数名、刀やらナイフやらの得物を手に襲いかかってくる。
ただし、ヘイズではなくわたしに。


「フラル頼むでー」
「……軽々しくいうな!!」


わたしに近づいたのが運のつきだと思え。
背負った剣を手にすると見せかけて、


「『吹き飛べ(ヴェルアード)』」


魔法で吹き飛ばす。
どちらかと言えば『焼き殺す』。
『光の眠りを(ヴェルアード)』は光属性の魔法。
その光に当たったものは、純粋な光にその身を焼かれる。
魔力が純粋であるほど、強く、強く。

わたしが込めた魔力の純度は『適当(はんごろし)』。
襲いかかった隠密部隊(インビジブル)は、体の大部分が炭と化し、一部は生身のまま地に転がって動かなくなる。
……『適当(はんごろし)』よりは強かったみたいだ。威力が。


「うわぁ、エグイなぁ」


わたしの魔法を見たヘイズは言いながら、先程から突き出したままの籠手を振る。
すぱっ、という効果音がつけられそうなほどきれいに、他の隠密部隊(インビジブル)の首や胴が転げ落ちた。
無論、残っていた人々全員。さっきの血塗れた糸で。
ヘイズが隠密部隊(インビジブル)の隊長と思われる人物の首を落としてからここまで約1分ほど。
会話を入れれば、約7分。


「……噂の割には、あっけないですね」
「せやなぁ」


血まみれになった魔斬糸(ワイヤー)を籠手に収納しながらヘイズが呟きを拾って返す。
籠手をいじっていたのは、コレの調整だったのか。


「に、してもフラルすげぇなぁ。『光の眠りを(ヴェルアード)』って高位魔法やろ?」
「そうですね、そういう分類です」
「ええなぁ魔法。一度使ってみたいわ」


目の前の惨状を無視して、会話を始めた直後に連続した爆音が響く。



それは、作戦決行(スタート)の合図。





「「任務開始」」