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#修学旅行の記憶


修学旅行でハワイだなんだ行ってる昨今。

信じられないかもしれないが僕の修学旅行はキャンプをしながらカヌーで1週間の川下りだったんだ。


朝から川を下りだし、夕方に陸に上がると、ハイテンションで『俺達はキングだ!』とかアホな事を言いながら、みんなより森に近い少し高台にテントを張ったんだ。


各グループ毎に飯を食べ、みんな川で洗い物をしたが、僕達のテントは川から少し離れていた為、Chicken Tonightの空きビンとかも洗わずに面倒くさがってそのままにした。


その後キャンプファイヤーをし、マシュマロを焼き、歌い、先生達に隠れてコッソリお酒を飲んだりしてテントに戻って休んだ。


深夜、動物達が食糧をあさる音で目覚めたが、サムと僕は恐ろしくてテントを開ける事ができなかった。

テント内から威嚇したが、全く効果なく5分もするとまた荒々しい鼻息達が戻ってきた。



結果、謎の生命体に初日の夜に持ち込んだ1週間分の食糧全部イカれたんだ。

その後の工程全てを、物乞い及び自給自足で切り抜ける原住民のような修学旅行だったんだ。


その日以降、僕達のグループだけ荷物も少なく機動性に優れ、まさにベトコンのようだったと引率したコーディネーターは語った。


#修学旅行の記憶

#トーランスの記憶


LAXまで取引先の担当がピックアップしにきてくれたんだ。



前任者が退職して引き継ぎで入ってから、その時が彼に合うのは初めてだった。

Jasonと名乗る彼はちょっと変わったヤツでどこがギークっぽいヤツだった。




LAXから本社へ向かう車中、インターステートハイウェイ405号を南下しながら彼は僕に語りだした。


『俺はもっとローカルのビジネスをサポートしたいんだ、例えばコーヒーだってそう。 スターバックスなんて世界中どこに行っても同じ味さ。日本も一緒だろ?』

そうだねと僕は答えるとカ―レディオのヴォリュームをぐっと落とした。
騒々しいロックが流れていたからKROQ-FMだった思う。


『だから僕達はローカルの個人経営のコーヒーショップをサポートしているんだ。 香りがぜんぜん違うんだ、毎日飲んでるよ。 奥さんが焼くマフィンやドーナツも絶品さ。』


対向車のヘッドライトに照らされ、時より浮かび上がる彼の目は熱を帯びていた。
そんな所でトーランスのオフィスに到着し、バタバタと挨拶を済ますと会議室に通された。


そこには堂々とスターバックスのポットとYum Yumドーナツが山のように積まれていた。


Jasonを横目で確認すると、複雑な表情を浮かべていた。



#トーランスの記憶

Young Man Killed Over His Skateboard in LA


ソース:http://goo.gl/ZXP50H


"Did they kill him for a skateboard? or just for fun?
Here's your fucking skateboard.
I looked at a dying man in the face last night.
Is this the first time you've killed?
Will you brag at school?
Did you get a Merit badge(*1)?"

『スケートボードが欲しくて殺したのか?それとも遊び半分で殺したのか?
これがお前達が欲しがってたファッキンスケートボードだ。
昨日の夜、俺は死に行く友人をこの目でしっかりと見た。
人殺しは今回が初か?
学校で自慢でもするのか?
株は上がったか?』


訳:ルイテック

*1) Merit badgeとはアメリカのボーイスカウトで一定の技能者に与えられる賞。原文では「メリットバッジはもらえたのか?」となっている。

#サンノゼの記憶


日程の都合上、SFOからタクシーでサンノゼ郊外に行く事になった。

例外なくインド系のドライバーだ。


ミーティングをして明日の早朝にまたSFOに戻るんだと話すと『そうか、なら俺がまた迎えにくる。$50でいい。』と言った。


朝7時にホテルに来てくれと伝えると『7時だな。わかった。6時45分にはここで待ってる。お気をつけてボス。』と力強くうなずく彼に僕は黙って$5のチップを握らせた。


ミーティングを済ませ簡単な夕食を取るとホテルに戻り、疲れていたのかそのまま寝てしまった。




翌朝7時。 


僕に力強くうなずいたインド系タクシードライバーは来なかった。


#サンノゼの記憶

躍動


近年スノーボード、スケートボード、BMXに代表されるアクションスポーツムービーは昔に比べかなりお気軽に見れるようになった。


背景にはインターネットの普及、機材の充実等が挙げられる。 

プロユースの機材と同等の性能を持ったカメラが家電量販店で売られ、一昔前なら専門スタジオでなければできなかった映像編集も今じゃパソコン一台でできてしまう。


スケートもスノーボードも1トリックに要する時間はアプローチ→トリック→ストンプで6秒前後(ruitek調べ)。

数トリックを組み合わせたいわゆる『ライン』のフッテージも長いと感じても1分に満たないものがほとんである。



単純計算で1分のフッテージを撮るのに約10トリック必要になる。
様々な作品に映し出されている美しい10トリックは1分で消化され、多くの人にとっては記憶にも残らないであろう。


しかしその裏側には、その記憶に残らない1トリックをメイクする為に何時間もかけ数日に渡り、幾度となくチャレンジしているライダー、それを黙って撮り続けるフィルマーがいる事を忘れてはならない。


リリースされた作品はいわば、スイカの甘~い一番先っぽ部分だけをカットして集めたものである。その甘い先っぽを作る為には種をまき、毎日水をやり、大きく育てる事が必要なのです。



とてつもない時間と労力がかかっているんだ。


6秒の積み重ねが紡ぎだすアートがそこにあるのである。



著:ルイテック