来年からはひとりで来ようと思ってからもう1年
早すぎる
何も成長してない
山南さんのことやったり 桂さんのことやったり 二宮先生のことやっ
怒られてばっかやった気がする
それでも成長していない
毎回反省しとるつもりやったけどできてなかったってことやろうな
二宮先生のことやって
( 新年のあいさつ )
私『
二宮「………」
『 ? 』
「いや おめでと 今年もよろしく」
なんか機嫌悪い?
珍しいな
『あのこれ(論文)
「………」(受取)
『えっと… お忙しいのにすみませんでした 失礼します』
「忙しくないよ 座って コーヒーいれるから」
『いえ
「いいからほら」(引張)
『わっ』
なんか断りづらい…
いつもなら断りやすいのに
私何かした?
「はい ミルクだけでよかったよね」
『ありがとうございます』(飲)
にが…
『………(ちら)』
「………」(真顔)
これは…
たぶん先輩のことよね
私余計なことした?
『あの…』
「 ? 」
『えっと…すみませんでした 先生のこと 余計なことしちゃって』
「なんで? メールしたろ? ありがとうって」
『………』
全然ありがとうって顔してないんですけど
何もう訳分からん
言いたいことがあるならはっきり言ってくれ
『でも全然嬉しそうやないですよね』
「そんなことないよ まぁでも嬉しいっていう感情はないかな」
『え…』
「本気で許してくれた訳やないし いつか殴られるんやないかってちょっと怖いかな(苦笑)」
『………』
「それに今さらどういう態度とってええか分からんっていうか 正直困っとる」
『……本当に余計なことしてすみませんでした…(礼)』
「
『そんなことは…』
本当に余計なお世話やった
先輩の性格知っとるのに
逆に迷惑やった
浮かれてた自分に腹が立った
( お墓参り )
(拝)
『
(がさ)
『 !? 』
「久しぶり」
ぉおおおおじちゃん!?
なんで!?
「( にこ )」
『ごっごぶさたしております…!(礼)
』(パニック)
「おめでとさん いやー こんなとこで会えるなんて嬉しいなぁw」
『あっ!いえっ!そのっ!はいっ!』(パニック中)
「毎年ありがとうね」
『いえっ! あっ お花! 私が!』
「ありがとう」
『( 大慌 )』
どどどどどうしよう
手が ふるえる
ていうか感覚がない
大丈夫か私
(なんとかお供え)
『……ハァ…』
「
『……はい…』
「ありがとう(にっこり)」
『 !!(ぶんぶん)』
前から思っとったけど にっこりすると先輩にそっくり
顔あっつい
ぴゅ~
「うわっ さむっ(拝)」
『 (拝)』
「手 真っ赤にしちゃってごめんね」
『あ いえ これは』
「いつもこの時間に来てくれとるん?」
『いつもではないですが… 平日はこの時間しか…』
「そうか 寒いのにごめんね」
『違うんです…!来たくて!』
「そう(にこ) あ これ 片付けよう」
『いえ これは
「ええからええから 行こ 風邪ひいちゃう」(行)
『………』(追)
( 片付け終了 )
「じゃ 行こうか」
『 ? 』
「(カギ見せ) 同伴出勤」
『 !! 』
どどどどどどっどどうしよう…!
先輩と直にぃの車以外乗ったことない
もう昔みたいに気分悪くなったりせんと思うけど…
大丈夫かな…
「はい どうぞ(開)」
『すみません』(緊張)
ぶいーん
「あー このままどっか行きたいなー」
『 !? 』
「 ね 」
『( うんうん )』
「ふふw」
デジャブ!
セリフまで先輩と一緒!
そしてかっこいい!
どうなってんの 先輩の家系
「ごめんね 誕生日」
『 !(ぶんぶん)』
「
『そんなことは』
「留衣ちゃんの誕生日絶対お祝いしたいからって その日はないわ おめでとう言えたはいいけど自分だけ満足して逝っちゃった これから先留衣ちゃんの気持ち考えんで ひどいよね」
『 !(ぶんぶん)』
「ごめんな 許してやって」
『……ッ!』
これ ダメなやつや
我慢できんやつ
思い出しちゃうやつ
絶対たえられん
( 顔隠 )
「 ? 」
『……ずみまぜん……っ…思い出しちゃって…』(涙)
「留衣ちゃんは変わらんね」
『……?…』
「このまま連れて帰りたいわw」
『 え』
「ふふw」
『( 赤面 )』
「いつも直人の世話してくれてありがとうね」
『世話なんて…! お世話になっているのは私のほうです!
』
「
『 !! 』
「
『……あ… あの…私…』
「 ? 」
どうしよう
言葉が出てこない
思い浮かぶ言葉は全部言えないことばかり
私はありがとうって言ってもらえる人間やない
『なんでもないです… すみません…』
「あともうひとつ 直人と縁切らずにすんだのは留衣ちゃんのおかげやから それもあり
『え…?』
「
『………』
「
『 ! 』
「あー やっと言えた すっきりしたぁw なんかお礼させて」
『とんでもございません…!
』
「何言うとるの 留衣ちゃんは俺らの恩人」
『
「仲良して(笑)」
『やからお礼とかほんとに本気で気にしないでください』
「
『えっ そんなことは』
「
『そんなことは…』
「やから思ってもないこと言うたりせんよ」
『すみません… 信じてない訳やなくて…』
「〇(おばちゃん)
『えっ』
「そういえば直人も言よったな 甘えるの苦手?」
『そんなことは…』
「それになんでもひとりでしょい込む癖もある」
『 ! 』
なんで
そういえばおじちゃんはどこまで知っとるんやろ
先輩はどこまで話しとるんやろ
そもそもまだ付き合っとるて思っとる?
まさかね…
「直人は頼りない?」
『Σえっ!?』
「まぁ 口悪いしな(笑)」
『そこは好きなので大丈夫です…!』
「え?」
『なんでもないです』
「
『………』
ほんま一体どこまで…(動揺)
「かっこええこと言うて それで頼られもせんで甘えてももらえんて ふ(笑) いつまで我慢できるかな」
『違うんです! 先生は何も悪くなくて 全部っ全部私が悪いんです』
「留衣ちゃんは何も悪くないよ」
本当の私を知ったらおじちゃんはどう思うやろ
私のせいで先輩は幸せになれない
おじちゃんと話すときいつも申し訳ない気持ちがあふれてくる
『私は… どうしたらいいか分からなくて…』
「どうしたらって?」
『先生とは立場が違うし…』
「立場? まぁ それはそうやけど やからってこんなちっちゃい頃から知っとるのに立場が違うからな
『えっ』
「直人なんかもっと寂しいやろうなぁ」
『えっ え…?』
「立場は違っても直人は直人よ たまには頼ってやって」
『………』
「ごめんなぁ おせっかいやったな」
『いえ…』
いたい…
おじちゃんから言われたらつらい
何も言えない
そんなこと分かってたけど
先輩は先輩やって分かってたけど
それでも私は先輩の夢を叶えたかった
叶えてほしかった
どうしてもあきらめられない
( 階段 )
先輩「留衣!」
私『Σ!?』(この声)
( 上見 )
やっぱり先輩…!
いいいいいま名前で呼んだ!?
ちょっ(周囲確認)
「なんで言うてくれんかったんや」
『 !! 』(階段上)
「おま
『ちょっとこっち!』(引張)
( 人気のない所 )
『どういうつもりですか』(焦)
「さっき親父から電話あった」
『あー… ビックリですよね… まさか会うなんて…』(動揺)
「なんで言うてくれんかったんや」
『すみません 勝手に行くのもどうかと思ったんですけど
「
『忙しそうやったので…』
「それも言うたよな 忙しくても言うてて」
『……すみません…』
「あー もう最悪」
『Σ(びくっ)』
「仕事する気なくなった 行こ(腕掴)」
『えっ ちょっと』
「もう一回付き合って(引張)」
『え!? ちょっと待ってください(引張返)』
「 何 」
ぶんぶん(引張剥)
『ハァ… 私はもう挨拶したのでひとりで行ってきてください』
「一緒に行きたかった」
『( どきっ )』
「お前と二人で行きたかった」
『………』
そんな顔されたら折れてしまう
ただでさえおじちゃんに言われたことが頭の中でぐるぐるしとるの
『大丈夫でした』
「 ? 」
『
私はいつも助けてもらってばかり
先輩 おじちゃん おばちゃん
子供のころから愛情いっぱいもらってきた
血はつながってなくても家族のように思ってくれた
みんなそう
直にぃも お母さんも
忘れちゃいけない
私はひとりやない
「そうか よかったな(にこ)」
『………』
「
『うれしい…?』
「嬉しない?」
『私は… うれしいというか… どっちかというと安心した…?
「そうやな 悪い うかれた」
『………』
私のことなのにこんなに喜んでくれる
「よかったな」って笑ってくれる
こんなに思ってくれるのに苦しい
どうしてうれしいって思えんのやろ
頭おかしい