フライデーナイターの秩父宮ラグビー場。80年近く、日本ラグビーの聖地として数え切れないほどの名勝負を作り出した場所は、再開発案が進み、「新しい秩父宮ラグビー場」構想も話題になっています。
3月12日(金)、葉桜に三日月が光る秩父宮ラグビー場で、首位を走る埼玉パナソニックワイルドナイツと、D1では10位に位置するリコーブラックラムズ東京との試合が行われました。日が暮れると、まだまだ寒さが残る4月上旬。
キックオフ前には、観客席から光る携帯のブルーやホワイトライトの中、選手が続々と入場してきました。
以下、試合結果です。
■DIVISION 1 第13節 4月12日(金) 試合結果
リコーブラックラムズ東京 26-50 埼玉パナソニックワイルドナイツ @秩父宮ラグビー場(8,547人)
首位を激走中。埼玉パナソニックワイルドナイツが13連勝へ
▶開始最初のトライは、前半5分・埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、ワイルドナイツ)坂手淳史のトライで5点を先取。しかし前半9分、リコーブラックラムズ(以下、ラムズ)4番LO山本嶺二郎が初選抜で、初トライし、CG(コンバージョンゴール)を12番CTBマット・マッガーンが決めて、7-5と逆転に。前半15分ワイルドナイツ8番NO8の大西樹のトライもあり、キックを決め12-7。ここから30分過ぎまで、4番LOエセイ・ハアンガナ、11番WTBマリカ・コロインベテ、8番NO8大西樹も2トライを決め、33-7と大きくリードした。前半33分には、ラムズ7番FLの松橋周平のトライもあったが、14-33で前半を折り返した。▶後半、最初の得点は、ワイルドナイツSO松田力也がPGを追加し、36-14と点差を広げた。更に、11番WTBマリカ・コロインベテが2トライ目を決め、41-14。更に、ワイルドナイツは13番WTB長田智希が追加点を加え、後半から入った23番SO山沢拓也がCGを決め、50-14。後半32分からは、ラムズ22番SO礒田凌平・14番WTBの西川大輔が続けてトライを決め追い上げを見せたが、26-50で試合終了となった。
以下、試合後の記者会見でのコメントです。
□埼玉パナソニックワイルドナイツ
□ロビー・ディーンズ監督(写真右)
「すごくタフな試合でした。このスコアのところを見ていくとそうだと思わないかもしれませんが、すごくタフでした。ブラックラムズさんのブレークダウンところですごく激しく来られていたところで、少し手こずったところもあるんですけれども、そのところっていうのは、選手たちがしっかりと吸収していって、相手が勢いつく中でも、自分たちのペースにできたなというふうに感じております。プラスとして、エセ選手、ヴィンス選手、ルード選手、長田選手が試合のゲームタイムをもらえたというところっていうのは、自分たちにとってもプラスだなというふうに感じておりますし、新しいコンビネーションで仕上げてきたというところが、プラスにつながりました。良い週末を過ごして、また向かっていきたいなというふうに感じております。」
□坂手淳史キャプテン
「本当にタフな試合でした。フィジカルのところもすごくレベルが高かったですし、トランジション(ボールのつなぎ)の部分もイレギュラーのボールがたくさん出るゲーム展開だったので、フィットネスだったりとか、自分たちのスキルだったりとかそういうところにチャレンジングなゲームだったかなというふうには思います。当然ミスもちょっとありましたけど、うまくゲームの中でみんな出してくれて、特定の取り入れたっていうところはすごく良かったですし、ただ最後の自分だったり、前半の時間を捉えられた部分というところは、しっかりと映像を見返しながら、やはりその部分でしかコミュニケーションがあって、もう一度成長できればなと思います。ただ総じていいゲームだと思うので、いいレビューをして、次にまた向かっていきたいなというふうに思います。」
■リコーブラックラムズ東京
■ピーター・ヒューワット監督(写真右)
「まずは、ワイルドナイツおめでとうございます。今日は、自分たちがなぜそこにいるのか見せたいという試合でした。特に、前半ターンオーバーをしすぎてしまった。ディシプリンのところで、ゲームスタートからあまりよくなくて、そこから自陣に侵入されました。侵入させるといいチームなので、あれだけ経験のあるチームに、あれだけのチャンスをあたえてはいけないです。代表キャプ250オーバー、うちは8です(笑)。その経験の差が表れたのかなと思います。うちは、ルーキーレベルでもない、アーリーエントリーの選手もいたり、NO8サムは、チームに加入したときはタイトヘッドプロップで、当分そこにいかないかなと思います。あとは、アーリーエントリーの山本もすごくよかったです。2人をすごく誇りに思います。」
■武井日向キャプテン
「自分たちの精度が悪くて、ターンオーバーを起こしてしまう場面が多かったですし、そこからパナソニックさんのアタックでスコアが開いていったっていう感じだと思います。その中で、自分たちの規律の部分であったり、プレッシャーかかってる中でも精度。そういうのを上げていけば、自分たちのいいアタック、精度高くできてるときは良いアタックできてるので、そこの精度を上げていくことが、次に向けて改善すべきポイントなのかなというふうに思いました。」
以下、試合後のミックスゾーンで話を聞きました。
□埼玉パナソニックワイルドナイツ マリカ・コロインベテ選手
ーーこれで13連勝ということですが、今日の試合を振り返っていかがですか。
「すごいい試合だったなというふうに思ってますし、このブロック5試合あるんですが、もう二つ勝っておいて、あと三つ残っております。ただ決勝に進んでいこうというような話っていうのをまだ全然していなくて、この1試合1試合、1週間1週間というのを大切にして、自分たちのベストを尽くしていこうという話をしといている中で、選手たち自分たちはすごくいい仕事をしたなというふうに思っております。」
ーーご自身のトライについても、振り返っていただいていいですか。
「1つ目ですね。セットピースからのトライになるんですけれども、週の中でコーチ陣が戦術のところを落としてくれていて、それがすごくうまくいってるなと思っているので、トライっていうのはコーチのおかげだなというふうに思っております。二つ目のトライというのは、本当に後ろからもらったトライなので、すごく幸運で、良かったなというふうに思っています。」
ーー(マリカ選手)、壁しかとれ止められないっ.....て言われてるんですけども.....そのあたりどうですか。
「どうでしょう(笑)。そんなことは決してないですね。そんなことは、思っていないです。」
ーー残り3試合となりますが、意気込みをいただいてもいいですか。
「1週間一貫性を持って取り組んでいくっていうことをしていて、プレーオフに向かっていきたいなというふうに思っております。もっと大事なことは、自分たちのコンビネーションのところを、メンバーのところで上げていって、それを1週間1週間出していくことっていうのが、大事だなというふうに感じてます。」
■リコーブラックラムズ東京・西和磨選手
ーー26対50という結果になりました。試合を振り返っていかがでしょうか。
「そうですね。やっぱり終始ブレークダウンでプレッシャーを受けて、やりたいようにやらせてしまったっていう80分間でした。相手のやりたいことをやらしてしまったっていうところは反省して、今後の試合にフィックス(落とし込みを)していくところなのかなと思います。」
ーーワイルドナイツという、ブレークダウン(接点)が強いチームだったと思うんですけども、どんなところに今日はフォーカスして戦っていこうっていうのは、何かあったんでしょうか。
「やっぱりジャックカラー(ボールをブレイクダウン部分で奪う選手)がワイルドナイツのは沢山いるので、そこに対してしっかりとone by one(1人づつ)で倒していこうっていうところをフォーカスしていたんですけど、やっぱりそこでプレッシャーを受けてしまったっていうところが、この50点以上取られたっていうところのスコアに表れたのかなと思います。」
ーー実際、スクラムを組んでみて、いかがでしたか。
「安定を目指していたんですけど、プレッシャーをかけられる部分もあって。自分たちペナルティ(反則)をスクラムではゼロにしていきたいので、ここも次節は、すぐ修正していきたいなと思います。」
ーーご自身のパフォーマンスとしては、いかがでしょうか。
「自分が出ているプレーの中で波があるので、そういうところを減らしていって、試合の頭からパフォーマンス、自分の中の100%を出せるように今後またレビューして、頑張っていきたいと思います。
ーー波っていうのは、ミスとかっていうことですか。
「そうですね。やっぱりいいタックルがあったり、逆に次は悪いアタックやキャリーをしてしまったり、自分の中でいいもの悪いものっていうのが、まだ交互に続いているので、いいものを積み重ねていけるようにしていきたいなと思います。」
ーー今週はナイターだったので、土日が休みっていうことで、何かオフの日こんなことでリフレッシュしてるとかありますか。
「自分自身も子供がいるのでそういうところで癒してもらって、ファミリーの時間に使っています。晴れたら公園に行ったりだとかして、リフレッシュするようにしています。」
ーー残り3試合となって、次戦が花園戦ですね。意気込みいただいてもいいですか
「花園さんと前節やったときには、試合には勝っているんですけど。やっぱり常にチャレンジャーの気持ちというか相手が誰っていうことよりも自分たちにフォーカスして、自分たちのやるべきことっていうのを取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます。」
(インタビュー:有働)
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