五郎丸歩・松田力也インタビュー(トップリーグ年間表彰式) | ラグカフェ編集部の取材メモ

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ジャパンラグビー トップリーグ 2017/2018年間表彰式が開催されました。ベストフィフティーンの半数の選手が会場にいなかったのは残念でした。まずは受賞したチーム・選手を振り返ります。

 

 

【優勝】

サンントリー・サンゴリアス (2 季連続 5 回目)

【準優勝】

パナソニック・ワイルドナイツ

【第3 位】

ヤマハ発動機ジュビロ

【フェアプレーチーム賞】

パナソニック・ワイルドナイツ (3 季ぶり 7 回目)

■個人表彰

【トップリーグ MVP】

松島 幸太朗 [サンントリー・サンゴリアス] 

(初受賞)

【新人賞】

姫野 和樹 [トヨタ自動車ヴェルブリッツ]

【最多トライゲッター】

山田 章仁 [パナソニック・ワイルドナイツ] 12 トライ (5 季ぶり 2 回目)

【得点王】

ライオネル・クロニエ [トヨタ自動車ヴェルブリッツ] (初受賞)

【ベストキッカー】

五郎丸 歩 [ヤマハ発動機ジュビロ] (5 季ぶり 3 回目)

【ベストホイッスル賞】

麻生 彰久 (5 季連続 5 回目)

【AIG 賞】

大槻 卓 (初受賞)

 

【ベストフィフティーン】

PR1 稲垣 啓太 パナソニック・ワイルドナイツ 5 季連続 5 回目

HO 堀江 翔太 パナソニック・ワイルドナイツ 2 季ぶり 7 回目

PR3 ヴァル アサエリ愛 パナソニック・ワイルドナイツ 初受賞

LO サム・ワイクス パナソニック・ワイルドナイツ 初受賞

LO ジョー・ウィーラー サントリー・サンゴリアス  2 季連続 2 回目

FL デービッド・ポーコック パナソニック・ワイルドナイツ 初受賞

FL 姫野 和樹 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 初受賞

NO8 リーチ マイケル 東芝ブレイブルーパス 2 季ぶり 5 回目

SH 流 大 サントリー・サンゴリアス  2 季連続 2 回目

SO ベリック・バーンズ パナソニック・ワイルドナイツ 2 季ぶり 4 回目

WTB 福岡 堅樹 パナソニック・ワイルドナイツ 初受賞

WTB 山田 章仁 パナソニック・ワイルドナイツ 3 季ぶり 5 回目

CTB マット・ギタウ サントリー・サンゴリアス  初受賞

CTB 松田 力也 パナソニック・ワイルドナイツ 初受賞

FB 松島 幸太朗 サントリー・サンゴリアス 2 季連続 3 回目

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まずは新人ながらベストフィフティーンに選出された、パナソニック・ワイルドナイツ松田力也。 今シーズンの活躍は目にみはるものがありました。山田とのコンビネーションは各チームの脅威となったはず。今後の日本ラグビーを背負っていってほしい選手の1人です。

 

■今シーズンを振り返ってください。

「充実したシーズンでした。そのなかで、最終的にベストフィフティーンに選ばれて心から嬉しく思います。これに満足することなく、ステップアップしていきたい」

 

■今シーズンで手応えを感じたことを、教えてください。

「ポジションが10番(スタンドオフ)から12番(センター)に変わって、これからもっとどういった点を成長しなくてはいけないのか、わかったシーズンでした。また通用するところも、みつかったので、そこをレベルアップしていきたい」

 

■具体的にどういうところを成長させていきたいですか。

「センターというポジションはコンタクトが多いので、フィジカル面での成長です。あとディフェンス、アタックの面でも、もっと前にでたいです。そのなかでスピードは落としたくないです。そのあたりは、ワイルドナイツのスタッフと話しをして、きちんとトレーニングを積んでいきたい」

 

■センターで見本としている選手はいますか。

「はじめてセンターでプレーしたので、立川さんを目標にプレーしてきました。そのなかでチーム内では、バーンズと、どういう動きがセンターとして必要なのか、コミュニケーションをとりながら、プレーできたのは良かったです」

 

■ワイルドナイツに入社をして1年ぐらいだと思いますが、生活は如何ですか。

「ラグビーをするのに素晴らしい環境だと思います。チームの中に世界基準の選手がいるので、そういう、選手とコミュニケーションをとりながらプレーするのは勉強になります。練習外でも学ぶことが多くありました。まだ、成長できると思うので、この1年間の成長を次へと繋げていきたいです」

 

■今シーズン印象に残った試合は。

「最後に負けてしまったサンゴリアスとの試合が印象に残っています。勝ってシーズンを終わりたかった。リーグ戦では勝っていた相手なので、悔いが残ります」

 

■チーム内では同世代の選手が多いですが、いかがですか。

「同年代の選手が活躍しているので、良い刺激をもらいながら、お互いに成長できています。チーム環境も若手だからというのはなく、のびのびプレーさせてもらっています。本当に良い環境だと思います。特に森谷さんは大学も同じ(帝京大学)なので、仲が良いです」

 

■帝京大学の同級生の姫野さんが新人王でしたが。

「今年は、彼の方が良いプレーをしていたので、仕方がないと思います。この悔しさを、次のバネに活かしていきたい。ここからがスタートなので未来に向けてポジティブに考えていきたいです」

 

■2019年日本開催ワールドカップに向けていかがですか。

「もっと成長しないと代表レベルでは活躍できないとわかりました。その中でトップリーグでおおきな経験ができました。判断力、世界でも勝てるフィジカルコンタクト。スピードも大事だと思うので、スピードを落とさず、フィジカルもあげる必要があると思います。また、もっと試合で経験をつんで、その場に応じた判断ができるようになりたいです。さらに貪欲に、成長すれば、2019年も可能性はあると思います」

 

■来期の目標を教えて下さい。

「今シーズンは怪我なく、プレーできたのでさらにパフォーマンスをあげてチームの勝利に貢献したい。来年はしっかりタイトルをとりたいです」

 

 

続けて、久しぶりにトップリーグに復帰した五郎丸歩。日本国民を熱狂に導いた、彼のキックを日本代表で、みれる日は再びくるのだろうか。

 

■日本に戻ってきた今シーズンを振り返ってください。

「キックに関しては、海外に行ってルーティンを変えて望んだシーズンでした。それが、結果として、のこったのは個人として満足しています。ただチームの目標であったチャンピオンには届かなかったので、また、来年しっかりと頑張っていきたい」

 

■シーズンを通しての満足度を教えてください。

「後半は怪我人が多くいて、厳しい戦力になりました。決勝トーナメントでサンゴリアスに負けて、このままシーズンが終わってしまうと、思いましたが、ずっとヤマハを支えてくれた、大田尾さんが引退というともあり、チーム一丸となってしっかりと勝てた試合だったと思います」

 

■印象に残ったゲームを教えてください。

「ラストの試合ですかね。苦しいなかでチームがひとつになって大田尾さんを送りだせました」

 

■ベストキッカー賞についてはいかがですか。

「ずっとキック成功率80%を超えることを目標にプレーしてきました。ただこれまで1回も80%を超えることが、できなかったので今回83%という数字がでたことに関しては非常に満足しています。キックのルーティンをよりシンプルに、したことがうまくいきました。ルーティンを変えることに対しての恐怖はなかった。ボールが変わったのもおおきかった。次はキック成功率85%を目標にしていきたい」

 

■日本に帰ってきて、トップリーグのレベルはいかがでしたか。

「ワールドカップの準備期間というのもあって、試合数が海外と比較をすると少ない。試合数を重ねないと世界レベルからは、おいていかれると思います。サンウルブズとか、日本代表のトップ選手は、海外と比べて、さほど変わらない試合数だと思いますが、そうでない選手に関しては対策を考えていかないといけないと思います。2019年終わったあとのことを、考えたときにレベルが落ちてしまうと思います」

 

■国内のラグビーの盛り上がりについてどう思いますか。

「日本ラグビーは海外のラグビーと比較をして、会場に行きたい、雰囲気ではない状況が続いていると思います。もちろん各チーム努力はしていると思いますが、サッカー、野球と比べると、満足して帰っていくお客様さんの比率は少ないと思います。やっぱり試合を見にきてくれるファンは、試合だけではなく、1日トータルで楽しんでほしいなと思います。今年からヤマハでは、イベントだったり、フードコートを準備しました。選手も以前は裏からロッカールームに入っていましたが、今期から正面からロッカールームに入ることによって、1日トータル楽しんでもらう活動を始めました。これは、ヤマハスタジアムだからできることで、他でやるのは厳しいと思いますが、ファンの人も満足しているので、来期も引き続きやっていきたいです。ファンも喜んでいますが、選手達も応援してもらっていると感じることができるので、非常に大きなモチベーションになります。スコットランドでは騎士と馬と一緒に選手が入ってくるところをファンの人が応援したり、フランスでもそういう取り組みをしています。今後、日本ラグビーもエンターテイメント要素を含んだ取り組みをしていくことが必要だと思います」

 

■日本代表、復帰について教えてください。

「残り2年になりましたし、若くて素晴らしい選手がでてきています。日本ラグビーにとっては、良いことだと思います。今は代表に戻ってプレー したい欲はあまりないですね。自分のキックの技術を追求することにフォーカスしていきたいです」

 

(匂)