みな様、龍です
久しぶりに那須に帰り、
いつもの日帰り温泉に行ってみた
ここのお湯はとても温まるし、
「源泉かけ流し」のうたい文句に
嘘は無さそうなので、
結構気に入っている。
いつもは興味が起きないので、
スルーしている打たせ湯に、
この日は何故か目が止まったので、
久しぶりに打たれてみることにした。
はじめのうちは、
肩や腰に勢い良く流れ落ちる湯を
うち当てていたのだが、ふと、
「アタマから打たれて」という声が
何処からともなく聞こえてきたので、
思い切って落ちて来る湯の下に、
アタマを差し出してみた。
百会の辺りを湯に打たせていると、
自然に姿勢が伸び、
百会が開いて身体の中に
何かが入って来ようとしている。
すると、大きな鱗を持った黒い龍が、
とぐろを巻いてのたうっているのが見えた。
どうやら直径20センチくらいの
墨黒色の龍が、
私の中に入りたがっている。
そして、アタマを打つお湯の流れと一緒に
一直線にアタマから私の身体の中に
入ろうとしているのが、分かる。
太い胴体が、
くねくねとのたうちながら、
ゆっくり入って来る。
そして、ついに龍は私のアタマから、
40㎝くらいのシッポを残すまで入り、
そのシッポもスルスルとアタマの中へ消えて行き、
ついにすべてが収まってしまった。
こうして、私と黒い龍は、
ひとつになった。
黒くて太い胴体とうらはらに、
顔はまさに、あの
「龍温茶」の龍の顔。
私の右側に顔があって、
時には私の肩にあごを乗せたりしている。
百会 （ひゃくえ）： 頭の一番高い所。脳天。
