あまり「オッズ解析」については書かないようにしているが... | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 テクニカル的にもっとも単純に見える勝馬投票券種の基本である「単勝」について少し書いて見ると、まず、基本認識として、この事をイメージして欲しい。以下、馬券が最も売れオッズ解析の立場からは、ノイジーな「有馬記念」を題材にするが、単勝馬券の売上推移(時系列)とは、リニア(直線的)なものでは無いという認識。以下、グラフに示すが、過去5年の推移のみ掲載したが、他の年度もほぼ同じようなものである。しかし、馬券の売上は発売時間のヴォリュームの影響を受けるから、これは、発走36時間前から単勝馬券が買えるケースとして見て貰えればいい。
 昨年、有馬記念は、従前の第10競走を第11競走に変更した。しかし、日照時間が最も短い冬至のこの時期、発走時刻は15時25分で変更にはなっていないから、そこを基準に何時間前時点での売上比率という方法でグラフ化した。最終売上は、発売している最中は解らないが主催者がメディア総動員で、最も販促を活発化する「有馬記念」である。目標は「前年比増」である。

 枠連がメインの頃に比較すれば、現在は多種多彩の券種が発売されており、現在、最も売上が高いのが全券種比3割以上をキープしている3連単であるが、その基本も「単勝」である事には異論は出ないだろう。単勝は3連単の1軸全頭流しと同じである。と当時は、当研が主張しても、誰も見向きもしなかった。
 3連単が発売開始された頃、単勝は、そのワリを喰ってか、馬券比率売上が3%を切る時期があったが、WIN5の発売開始が影響したのか否かは確認していないが、現在は、5%強をほぼ維持している。

 その比率はたった5%ではあるが、有馬記念で言うなら下のグラフ、単位は「億」である。今年も販促活動プロジェクト「オジュウチョウサン大作戦」が功を奏し単勝3300万(得票率12%)を売り上げている。この調子のまま取消、除外無く、売上れば、現在単勝2番人気の地位は単勝5番人気ぐらいで、収まることだろう。
 つまり、オッズで言うなら、10~15倍ぐらいなのだが、死んだオッズは解らない。オジュウチョウサンが・・・前にも書いた話だが、単勝4番人気を維持するのであれば、歴代4番人気優勝馬である直近ならジェンティルドンナ(2014)やハーツクライ(2005)、1枠02番の(外)グラスワンダー(1998)、復活の(父)トウカイテイオー(1993)、武豊騎乗のアイドルホース(地)オグリキャップ(1990)ら8頭も存在するグランプリホースの9頭目に仲間入りするかもしれない。選択の自由は貴方にある。但し、5番人気も5番ゲートも1着の歴史は無い事も記憶しておこう。
 いやいや、大事な認識に話を戻すと、単勝馬券の売上は、発走6時間前から、急激に、その傾きを加速し、昇りつめるのである。しかし、その時期の上位人気のオッズが激変する事は無い。つまり、上位人気の得票率は激変することなく、その時点の総売上に応じて相似形にほぼ維持されている事になる。ここに違和感があるか、「集団心理(メディアの力)とは、そんなものだ」と結論づけるかは、各位の感性に依存するものである。


過去5年の有馬記念の単勝売上時系列推移