「春天」は世代対決構造による起用性が為されると断言しながら、その周辺の論点には触れていないようなので、蛇足になる可能性もあるが、もう少し書かせてください。
昨年がキタサンブラックの「連覇」なので、明け4歳の菊花賞馬が連覇したという事は、その世代は現6歳馬となり、そういう年だけは、これも、当研が言うところの「迎撃世代」になる。そして、その対象は昨年、明け4歳で敗退した現5歳世代と、新たなチャレンジ世代である明け4歳の2世代になり、前者を「リベンジ世代」と当研は定義している。
フェノーメノの「連覇」と似ていると見る方には、前年2着馬シュヴァルグランは、ゴールドシップと同じように見えるかもしれないし、集票力もそれなりに十分満足しているのが今年の「春天」である。されど、それも部分的に切り出した戦歴である。
確かに、現6歳世代が春天を占有することで、その前後がリベンジ世代となる事は、外形的には整頓されたものに見えるが、現在のJRAは「同じ事を繰り返す事が出来ない」というルールを背負っている。という事を日頃から言い放っている当研は、そこに疑義を唱えざるを得ない。
今年は主役となるべき明け4歳クラシック馬も、リベンジ世代が強力陣営を組み込むことも無い状況で、これを「大阪杯」の昇格に責任転嫁したり、海外遠征、この時期だと香港になるのだろうが、その影響が大きいとする方もいるだろうし、一部、そのような出走状況が存在するのも事実ではあるが、それでもG1馬が唯一、クラシック制覇馬不在という現況の「春天」は非常に体たらくである事に変わり無い。