1着本賞金額による起用性の格差は存在しない。 | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 「揃目」について当研の独善を述べたので、次は賞金に触れてみる。今年、アベノミクスに便乗して重賞競走について一部、増額処理が為されているのは周知。それを俯瞰的に見ると、2歳G1競走は2番組とも据え置かれた。それに対して3番組存在するG2競走は、総じて300万増額。「ホープフルS」というノンスポンサード競走は6700万円に到達。
 昨年、「阪神JF」と同額戦となったのが只の通過点である事を示唆した。そもそも、このクラスがG1であれG2であれ、然程、関係が無い。というのは競馬番組で昔から目にする「2歳戦を除く」という文言による。
「ホープフルS」2歳G2(特し)1着本賞金6700万円2着2800万円※
「朝日杯FS 」2歳G1(指定)1着本賞金7000万円2着2800万円※
「阪神JF(牝)」2歳G1(指定)1着本賞金6500万円2着2600万円

 現行競馬に於いては1着本賞金額によってレース格や起用レベルが決定する訳では無い事を熟知するべきである。正論的にはG1とG2の2着馬の収得加算される金額が同じになるはずが無い。その2着歴の差は、その後の出走馬決定順位を左右するのであるから、その矛盾を敢えて競馬番組が取込む理由は無い。極論仮説すれば、「朝日杯」2着馬と1着馬との格差が拡大したという解釈を否定はしないがエアスピネルはリオンディーズを超える事が出来なかっただろうか?

 話が反れたので、俯瞰にもどして少し書くと...

2歳G3競走は、(指定)(特し)(性別)に関わらず総て100万増額で統一されている。それに「重賞」でも同じである。

 東京優駿(日本ダービー)は2億円を据え置き、タイムダグで「NHKマイルカップ」をはじめとする3歳G1競走は総じて300万増額しトライアルの為のG2競走は200万増額。

 古馬G1競走は「有馬記念」を3億にして「JC」との双璧にして海外にアピール。
出遅れていた「天皇賞」「宝塚記念」が便乗して1億5000万に1800万円だけ増額。
 
 一律1億3200万から「東京優駿」が1億5000万円に増額してから15年の経過を待った「春天馬」は、翌年賞金増額される「菊花賞馬」であった。これをマンハッタンカフェの反転現象と見るか否かは研究者の自由意志。

 他の古馬G1は、一律300万増額に終始。同様にG2競走も一律200万増額で統一されている。

 「有馬」と「JC」は賞金的には国内最高額だが、競馬番組は、これをピラミッド構造の頂点に置いているか?「天皇賞」を「秋・春連覇」すると獲得賞金は3億になる。

 当然、同一年の「天皇賞」を4歳馬が連覇する事が値打が下がる訳では無いが、「秋天」を3歳で起用され(つまり菊花賞は回避)明け4歳で「春天」で連覇する戦歴が今後、出現する可能性。春季クラシック歴の有無の必要性。今後の競馬番組大改革を目の当りにして、我々には考察すべき課題が山積。引き続き真摯に。