デュラメンテの特殊性と非トウカイテイオー性 | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 他では知らないが当研は「有馬記念」が、その昔、馬齢戦で施行された歴史を持つG1競走である事を根拠に、その起用特性の基本が「世代対抗戦」であるとして来たから、前年出走不能世代である当年3歳馬の、その年のクラシックの状況に著しく影響を受けるという仮説の元、これまで検証して来た。
 今年の3歳クラシックの特徴としては単純に「2冠馬誕生」と「菊花賞不出走」という2点の特徴だけは採り上げて着眼した場合に浮上するのがトウカイテイオー(1991)やサニーブライアン(1997)、代替に目を瞑ってサクラチヨノオー(1988)、「NHKマイルC」を「2冠馬」構成要素にした緩慢な基準でキングカメハメハ(2004)ぐらいが該当するのだろう。
 だが、そもそも我々の「戦歴解析」の基本に「皐月賞」を(優)を持たずに1着した戦歴は「東京優駿」に対して無力だというものが存在した。それを覆したのが今年のドゥラメンテで、JRAVANのPOGで無ければ当研も単勝馬券など買う事も無かった。
 先に挙げた「菊花賞に出なかった2冠馬」でも皐月賞馬となる為に(優)を所持して臨んだものである。つまり、経験則に基づく似たもの探しを主催者は完全否定した2015年クラシックと言う事になるが、「戦歴解析」とは、そうやって紡いで行くものであって「今年の有馬記念は1年だけの1着本賞金2億5000万戦だから一過性だ!単発戦だ!」と単純に番組特性を見切るものでは無いし、集められるのは、どれが勝っても辻褄の合う特殊で一過性な戦歴を持つ馬ばかりだ。
 例外は無い。。例外になる部分を切り捨てて合致するとこだけ見れば良いと思っている研究者が多いのも悲惨的事実で、主催者もそれを承知なのか、そのような状況を示唆して来る。例えば、無理矢理トウカイテイオーにサンプル性を見出すと今年の有馬記念はこれになる。
 そんなファジーで合致するとこ獲りの戦歴解読では、ダイユウサクは当年「金杯」覇者でしかないからラブリーデイでも良いことになるし、逆に荒れなければダイユウサクにならんという者にとっては「阪神マイル戦1着歴」に着目すれば5枠配置のトーセンレーヴの「ポーアイS」*1着同枠歴を無理強いすることになる。仮に同馬が単勝14番人気になるなら、もうそこ(5枠配置の14番人気馬)しか見えないのである(おいおい去年の戦歴やんww)。しかし、ダイユウサクが一過性な戦歴の持ち主であることには異論は出ない。

◆サニーブライアン2冠の1997年の「有馬記念」