先週の「シンザン記念」を皮切りに春季競馬番組内で明け3歳世代の為に施行される(特し)別定G3競走は、その増量権利賞金を従前の2000万円から1800万円に減額したのは、昨年の2歳重賞戦線の一部が賞金減額を稼動したからにほかならない訳だが、2歳牝馬限定重賞に関しては2008年に先行して減額を行っている。
と言っても当時は「ファンタジーS」が唯一だった訳だが、それを示す為に、「ファンタジーS」で1着加算した(地)イナズマアマリリスは、翌年の新しい装丁で施行される事になった「第25回フェアリーS」に増量馬として出走し8着に敗退している。
今年は、そのキャラを演じる資格賞金1800万馬であるコレクターアイテムもサウンドアリーナも、ここへの出走は無い。
では、なぜ、加算賞金額が差別化された牡馬と牝馬の増量規定が同一で施行されるのだろうか?いや、そう考えてはいけない。主催者は、性別に関係無く2歳G3競走を1着加算したキャラは総じて増量馬として扱う事に重点を置いていると考えるべきである。
これは、「フェアリーS」に留まらず、「京成杯」と向かい合う際にも重要となると思う点として、JRAにとって増量馬は重賞既勝馬である事が原則であるから、2歳オープン勝歴のある重賞2着馬ラウンドワールド(1750万)にもG2とG3をそれぞれ2着加算したクラウンレガーロ(1700万)にも増量権利の付与は無いのである。
しかし、重賞未勝利であっても3勝馬つまり500万条件と3歳オープンを1着加算した個性には増量権利を付与する。ここで初めて条件戦加算が機能する事になる。
今年は出現しなかった2歳の時点で条件戦加算を経てオープン加算をした3勝馬の所持する財布の中身は1650万円で、増量権付与条件を満足しないのは減額前でも同等である。
これらを鑑みると増量馬の存在しない今年の「フェアリーS」で重視すべきは「2歳OP加算歴」であるから、◎は人気馬であっても仕方ない。同馬は500万条件を加算していても、増量馬にはならない事を示唆・宣言する為の戦歴を持ち込んでここで3勝2850万馬という地位を確保する。
そうすると、2着馬の選定は500万条件加算馬は配した3枠か8枠が妥当となるが、オープンにも条件戦にも出走歴を持つ戦歴を持ち込んだ枠の方を重視したのは、新馬、条件戦を2戦2勝の無敗馬が存在するからである。