こんばんは。
観てきました。
アカデミー賞作品賞他多数のノミネートを果たしたと話題の「ドライブ・マイ・カー」
公開当時(夏だったかな)、見てきた人の評価が高かったので、観たい候補には挙げていたものの
原作が村上春樹っていうところと(あまり得意分野ではないです)
あと、複数の人の「チェーホフのワーニャ伯父さんを知っておいた方がより楽しめる」みたいな言葉を見かけて、私には楽しめない気がする…と思って躊躇しているうちに公開期間は終わりました。
と、、ここへきて、大いに話題となって、再上映も始まって、
何がそんなにいいんだ!?というのを確かめたくなりました。(ミーハーともいう)
結論から言うと、
面白かったです。それなりに。
グレイテストショーマンのような感動や爽快感やみんな見て見て!という感情までは湧かなかったけど(グレイテストショーマンはあくまで私の好きな映画の一例)
ほぅ、こういうのが海外で受けるんだね、というのはキャッチしました。
上映時間が3時間あり、ちょっと長く感じたけど、寝落ちはしなかったし終始集中してたから面白かったのでしょう。
予告でも、妻が亡くなることは示されているけど、亡くなるまでのプロローグは結構じっくりと長い時間を取っています。
そこまで来てようやく、キャストやスタッフのクレジットが流れる。
これはまるで、オードリーのオールナイトニッポンのようだ。←オープニングコールまでの時間が多分同じくらいよ。
その後、タイトルにもつながる主要な話に入っていくのだけど(タイトルは、たぶんだけど単純に車の運転だけのことを言ってるわけではないと思う)、プロローグで見せたシーンはなかなか重要で、それが主人公の密かに抱える悩みの大元となる。
これは。。。
私が思うに、
とっとこハム太郎や、タイガー&ドラゴンに似てる。
どこがかというと、
とっとこハム太郎は、ハム太郎たちハムスターの世界と、飼い主のロコちゃんの生活との話がリンクして進む。
タイガー&ドラゴンは、実生活での出来事と、落語の内容がリンクして話が進む。
ドライブマイカーでは、主人公の生活や悩みや想いや出来事を、チェーホフの舞台のセリフとリンクさせている。
「僕はこのテキストが怖い。セリフを読むと自分が引き出される」みたいなこと(セリフは不正確です、そんな感じだったというだけです)をまん丸の氷ウイスキーのグラスを傾けながらホテルのバーで話すシーン、印象的でした。
舞台だけではなく、主人公の亡き妻の音(おと)の生み出した物語のセリフも、映画内の出来事とつながっている。
音の秘密の片棒を担ぐ俳優、岡田将生演じる高槻。
女にはだらしがないし、すぐにカーっとなるし、ちょっとダメ男風イメージだったけど、後半・・終盤の車の中で主人公と肩を並べて語るシーンでは、人が変わったように、魅力的な語りをする。そのセリフはかなり音の物語に入り込んでいたよな。。いい目をしていました。
高槻が、「他人を見たければ、自分自身と深く、まっすぐに、正直に向き合って気持ちに折り合いをつけること」というような(これも正確には憶えていないけどそんな感じの)ことを言っていたのだけど、これもかなりずっしりと重要なセリフだったと思う。印象的でした。
落語を知らなくてもタイガー&ドラゴンを楽しめたように、チェーホフを知らなくてもちゃんとこの映画を楽しめました。
妻、音役の霧島れいかさん。
とてもアラフィフとは思えぬ美しさでした。
主人公家福役、西島さんも言わずもがなですが。
かなり肉体を作り上げてる感じが服の上からでもわかって、
同年代として、たるんでいることが恥ずかしく、しっかりせねばと思いました。
と言いながら、今日も甘いものに舌鼓を打っています。
ドライバー役の三浦透子さんも良かった。
若干23歳であの貫禄。
加速も減速もスムーズで車に乗っていることを忘れるほど心地良い運転をするとのこと。本当に上手そう。
家福は、舞台演出家なのだけど(舞台俳優でもある)その演出方法として、本読みの際キャストたちに「感情を入れず、ゆっくりと、はっきりと、ただ読め」ということを求める。
それと合わせたのか、村上春樹らしさなのか・・映画全体も同様に終始、淡々と静かで。
セリフも抑揚なく棒読みに近い感じというか、全体的に。
中でも広島演劇祭のコーディネーター?の女性が、どうして?と聞きたくなるほど淡々と棒読みで、監督の狙いなのかはたまたこの女優さんの味なのかしら。
一緒に登場した韓国男性は、粗品っぽかった。粗品と誰かを足したっぽかったな。なすび、、とかかな。
せっかくですから、アカデミー賞の授与式を楽しく観るために、まだの方は見ておくのも良いかと思います。
ではではまた