こんばんは。
昨日、観てきましたのは、今回の第92回アカデミー賞で「脚色賞」を受賞しました、ジョジョ・ラビットです。
脚色賞とは・・・歴史上の出来事にうまく脚色を加えたものにおくられるものかと思いきや、ちゃんと調べてみましたところ、「小説や舞台劇から起こされた脚本におくられる賞」なのだそうです。
舞台は第二次世界大戦下のドイツ。
年号でいうと、1944年~1945年くらいです。
ドイツが舞台と言っても、セリフは英語です。
オープニング曲でビートルズのI want to hold your handが確かにかかるのだけど、全然”I want to hold your hand”と歌っておらず、てっきり替え歌なのかと思ったのですが、どうやらドイツ語バージョンだったようです。
主人公はこの男の子、ジョジョ。
ローマン・グリフィン・デイビスくん。
隣にいるのはかの有名なナチスドイツの総統アドルフ・ヒットラー、なのだけど、実在するヒットラーではなく、あくまでジョジョの頭の中で作り出されている空想上の人物です。
ですから、実在のヒットラーのように冷酷残忍な人物ではなく、ユーモアにあふれたキャラとなっています。
彼は、あまり人付き合い友達付き合いをしないジョジョの希少な友達のうちの一人です。
空想上の人物だからなのか、おなかがポヨンとしているときもあれば、シュッとベルトを締めているときもあり、同じ軍服でもいろいろなパターンで登場します。
上がらないテンションを上げたい時などに登場させるようです。
(↓おなか、ポヨンとしていません??)
ちなみにこの、アドルフ・ヒットラーを演じるのは、この映画の監督や脚本も手掛けられている、タイカ・ワイティティさん。
ジョジョは気弱で優しい男の子。
戦闘に加わるための訓練に参加するも、「うさぎも殺せないのか」とみんなにバカにされます。
一度はふさぎ込んだものの、空想上の友達、ヒットラーを登場させ、テンションを最高潮に持って行った結果、つかみ取った手りゅう弾で大けがをしてしまったことから、訓練には参加できなくなってしまいます。
ある日、ジョジョは自宅の屋根裏部屋に一人の女の子が匿われているのを発見。
女の子はエルサといい、ジョジョのお母さんが匿ってくれていると言います。
なぜか?
彼女がユダヤ人だからです。
この時代のユダヤ人は悪魔やら魔女やらいろいろな噂を立てられ、差別されるだけでなく、見つかればナチスによって強制的に収容所へ連行され、生きては戻れません。
(余談ですが、私が高校2年の時の政治経済の先生がアウシュビッツの収容所のドキュメンタリー映像を、何日にもわたって観せてくださいました。彼女(先生)にとって、みんなに知らせたい事実だったのでしょう、当時はぼんやり観ていました。)
エルサ、、、トーマシン・マッケンジーちゃん。
うろ覚えのインタビューウィズバンパイヤのキルスティン・ダンストを思い起こしたのだけど、あとでその画像を調べてみたら全然違いましたゎ。。
ナチスを正しいものと信じ込んでいるジョジョは当然、ユダヤ人が同じ家にいることに恐怖や嫌悪を感じます。
しかし、交換条件を出して、彼女が屋根裏に住み続けることを許可します。
優しくて、勇敢で、ユーモアたっぷりの母親を演じるのはスカーレット・ヨハンソン。
綺麗ですよねぇ・・・
彼女を知ったのは、「モンタナの風に抱かれて」という映画だった気がします。
「あなたくらいの年齢の子は、政治や社会のことを考えるんじゃなくて、木に登ったり落っこちたりしなきゃぁ」なんて素敵なセリフ口にしたり、息子の靴紐を結んであげるふりをしていたずらをしたりします。
この靴がね・・・可愛いんですよね。(ほしい…そして、映画を観た人にしかわからないけど、悲しい)
ジョジョの実在する唯一の友達、ヨーキー。
(実在とは、空想上に対してです)
アーチ―・イェーツくん。
彼の存在が、素晴らしかった。
この赤いロボコンみたいなの、すごく可愛いの、映画を観てこれが一体何なのか確かめてください。
サム・ロックウェルが演じるのは、キャプテンKこと、クレンツェンドルフ大尉。
なんだったかの理由で前線を退いて、子供たちの指導に当たることになった。
彼がいい人なのか悪い人なのかは、劇場でお確かめください。
この、ユーモアセンスに、、泣かされることになります。
余談ですが、サム・ロックウェルを最初に知ったのは、「キャメロットガーデンの少女」という映画でした。
この映画、すごく好きでした。
主人公の少女、ミーシャ・バートンちゃんは当時10歳で、現在はスラーッと綺麗なお姉さんになっています。
同じく準主人公、彼女の相手役?であるサム・ロックウェルは、ミステリアスで物憂げで・・・ギューッと抱きしめたくなるような役どころでした。それがすごく良かったのだけど、以後の彼の役どころは結構キャラ的に強そうなのが多いかな。
ジョジョに戻りまして。
この映画の中では「ハイ、ヒトラー」という挨拶が随所に出てきます。
ハイって"Hi"ではなくて、”Heil Hitler"(ハイル、ヒットラー)です。
ドイツ語で、「ヒットラー万歳」ということだそうです。
ゲシュタポのみなさん。
このように、右手をあげて、「ハイル、ヒトラー」というと、言われた方も同じように返します。
これは、ユダヤ人を見分ける、踏み絵のようなものだろうな、と思います。
後半、重要なところが出てきます。
戦争映画は好きではないのだけど、これらの出来事は、過去に起こってきた紛れもない事実であるし、目を向けて知らねばならないところでもあると思います。
この映画は、そんな残酷で理不尽な出来事を、とてもユーモラスにハイセンスに可愛らしく観せてくれます。
本当に、すべての登場人物たちが可愛いです。
衣装も靴も可愛いです。
おすすめです。
そうそう、とても好きな映画なのに、タイトルで★★★★★としなかったのは、せつないからです。
切なさでマイナス1としました。
ではではまた