骨髄腫セミナー2012午前の部では
骨髄腫研究助成の課題発表からはじまりました。
一つは今巷では有名な免疫療法が骨髄腫でも効果が得られるか、
という課題でした。
私の乏しい知識では、免疫療法は固形癌には有効でも
血液癌に対しては効果が定かではない。。。と聞いていましたので
この研究が進んで免疫療法が骨髄腫においてもされるようになれば
選択肢がまた一つ広がります。
また、免疫療法やガンワクチン療法は副作用が少ないため
体力が落ちている高齢者にはとても有効であろう、ということと
MGUS段階の方に予防の意味で使えれば
骨髄腫になることを防げるという効果もあるそうです。
もう一つは、ベルケード耐性に関与する分子病態の解明と克服、
という課題です。
このベルケードというお薬は骨髄腫にはよく効くお薬ですが
このベルケードにも耐性を持って効かなくなってしまう骨髄腫があるのも事実。
それがなぜなのか、を遺伝子から研究されるそうです。
ベルケードが効かなくなった遺伝子、そうでない遺伝子を比較研究して
その原因を解明する、というお話、
非常に興味深いお話でした。
ランチョンセミナーではお弁当を食べながら・・・・
緩和ケアについてのお話でした。
これについてはとっても興味があったのにも関わらず
利尿剤を飲み、人一倍水分も取る私はトイレ休憩に行ったついでに
2階で行われている骨髄腫学会に出席されているはずの
我が主治医ひこにゃん先生が気になって出待ちしていたので(笑)
最後まで聞きませんでした汗
それと今だから言うと、この辺りから体調がおかしくなってきてまして・・・・(・・;)
荷物を置いているところまで下りてPLを飲み、
もしも風邪なら人に移してはいけないのでマスクを装着しました。
そして午後は基礎講演「骨髄腫と骨髄腫の治療」についてから
始まりました。
内容は盛りだくさんなので全部は書けませんから
私目線で気になったことだけ、書かせていただきます。
MGUS、多発性骨髄腫の原因として考えられることは
放射被ばく
喫煙:否定的
職業 化学物質を扱う~ベンゼンなど
遺伝的要因 HLA-Cw2アレルなど
そしてこの病はずいぶん長く発現するまでにかかっている、とのこと。
子供時代からその種があることも考えられるそうです^^;
多発性骨髄腫における染色体異常に基づくリスク分類
高いリスク病型
染色体FISH法によるt(4:14)、t(14:16)、t(14:20)、17p13欠失
低2倍体
第13番染色体の欠失または染色体異常の存在
標準リスク病型
高リスク病型の異常を認めない、または
高2倍体、またはt(11:14)、t(6:14)陽性
染色体異常が予後に関わることは知ってはいましたが
ここまで細かく知ったのは初めてでした。
知るのは怖いような気もするけれど
敵を知らねば闘うこともできません。
勉強になりました。
骨髄腫細胞はIRF4蛋白に依存状態にあり、
サリドマイドとレナリドマイドはIRF4蛋白を減らします。
レナリドマイドの90%は腎臓から直接排泄されるので
腎障害を有する場合減量が必要であるそうです。
このお薬を減量することについては
ベルケードについても今回議題にあがっておりました。
副作用は効いている証拠・・・などと我慢することなく
異変を感じたらすぐ主治医に相談し、
ベルケードの減量をすることが
後の末梢神経障害を防ぐ、あるいは軽減することに繋がります。
私自身、ベルケードは2週で4回打つところを
副作用を考慮していただいて2週3回でした。
(一回分減らされています)
VADがよく効いて部分完解まで持っていけたため
ベルケードは2クール、都合6回打っただけですが
それでもしばらく足に痛みがありました。
今はおかげさまで全く痛みもなにもありません。
主治医とよくコミュニケーションを取り、
アメリカで研究が進み開発されるお薬ですので
日本人には副作用の度合いが違うのかもしれませんから
加減してもらうのがいいのかもしれませんね。
それとデノスマブ(ランマーク注)が最近認可されましたが
これは低カルシウム血症を来すことがあるので
ビタミンDとカルシウムを内服する必要があるそうです。
ゾメタもランマークも骨に効くお薬ですが
腎機能が関係してくるようですので
どっち道この病になったら腎臓要注意ということですね。
長くなりましたので続きは次で・・・・('-'*)