シーン32 工場で・モスクワは・・・  На заводе.  | 映画でロシアとロシア語

映画でロシアとロシア語

ソ連・ロシアの映画を選んで、詳しく説明します。
言葉を学び、ロシアを実感しましょう。

  颯爽とマイカー出勤したカーチャの職場風景。化学の専攻を望んでいた彼女はその希望を果たしたようで、化学繊維工場で働いています。

 

 Мы с вами вместе посидим и погорюем!

わたし達一緒に、ちょっと座って愚痴を言いましょう!

 

 カーチャはさかんに会話しながら工場を見回っています。

仕事が順調に行かないことを訴えたらしい工場の責任者への言葉が始まります。

それまでの会話はわからないのですが、このセリフで相手がその前に何を言ったかが推察できます。

 

相手が言ったことを繰り返す「説明セリフ」なしで、相手の言ったことも観客に伝えていて、会話が生きていますね。

 

 Погоревать (погорюю, погорюешь…) は、嘆き悲しむ、の完了体。「ちょっと座って、少し愚痴を言いあいましょう」という言葉の内実は、

「あなたのぐちは聞きたくない、それはあなたの問題で、自分で解決して!」です。

この後に、「問題を解決するのが自分の仕事というのはわかってますね、」と、具体的な指示の言葉が出てきます。 

 

Вопрос к отделу сбыта: почему не выполнили план по отгрузке продукции?

販売部に、製品出荷計画がなぜ遂行されなかったのですか?

 

「コンビナートの電話会議」の様子で、ここでカーチャがこの化学工場の代表者であることがわかります。

 

「(荷物などを)積む」という不完了体動詞грузить に接頭辞от が付くと、動詞はотгрузить 名詞はотгрузкаで、「発送する、(貨物の)発送」という意味になります。 

単に「荷物を積み込むという意味の、погрузить、 погрузкаとは区別されます。

 

会議は「分離式電話(селекторное совещание)による配送調整会議(диспетчерское совещание)」と呼ばれるもので、地方支所を結ぶ電話会議は盛んに行われていました。

会議というと皆が一堂に会するイメージがあるのですが、日本でもこのような電話会議が行われていたのでしょうか?今のリモート会議に近いものは半世紀近くも前から行われていたのですね。

 

会議の終わり近くに、カーチャが秘書にИрочкаと呼びかけます。

愛称で話しているので、「社長と秘書」がとても良い関係にあることがわかります。

 

 

    ところで、今日から大寒。外は白一色で昨日から吹雪交じり。

    お花をいただいて、部屋の中だけ「春」です!

 

 

 

    昨日はロシア正教の神現祭(主の洗礼祭)Крещение Господне

熱心な正教徒は、厳寒の野外で水浴びをします。

 

今年はコロナウイルス感染の問題もあって禁止された地方もあったようですが、

御年68才の大統領が、伝統行事に参加したビデオがさっそくアップされています。

昨日のモスクワの気温はマイナス20℃! 

見ているだけで、風邪をひきそう!!! みなさんも、気を付けて!