映画でロシアとロシア語

映画でロシアとロシア語

ソ連・ロシアの映画を選んで、詳しく説明します。
言葉を学び、ロシアを実感しましょう。

KOKOKO(コココ)(1)ピーチェル行き夜行列車

КОКОКО: Эпизод 1-6. В поезде, в полиции, у вокзала, в машине

 

 

 

17本目です。

紹介したい映画が沢山あるので、次はコレ、と順番をイメージしているのですが、

「ピーチェルFM」の途中で、この映画を見たくなりました。

 

「KOKOKO」そのまま「コココ」が題名です。映画の中で種明かしがありますが、

何か特別な意味のある言葉ではありません。

キリール文字とラテン文字が同じ綴りになりますので、原題も残しました。

 

「ピーチェルFM」が2006年の作品、「KOKOKO」は2012年。21世紀の作品が続きます。

メルヘンチックな前作とは違い、これは、見ていて「気持ちがざらついたり」する、「奇妙な味」の映画です。

以前に見たやはりペテルブルクが舞台の「秋のマラソン Осенний марафон」と同じ

悲喜劇(трагикомедия)ですが、もっとリアルで苦い。

でも、なぜか忘れられない魅力があります。

 

 

 

二人が主役で、黒い衣装のふくよかな女性は Анна Михалкова(役名は Лиза Воронцова )、

あのニキータ ミハルコフの長女です。1974年生まれで、映画俳優、プロデューサーとして活躍、

私生活では離婚と再婚を繰り返した夫との間に3人の子供があります。

 

隣は Яна Троянова(役名  Вика Никонова)エカテリンブルクからペテルブルクへ

やって来た役柄と同じ、ウラルの出身です。

 

 

 

 

Вика: Здрасьте!

Лиза: Добрый вечер!

Вика: Так… Sorry…Отлично, едем без мужиков, как в СВ!

Проводница: Билеты!

Вика: Билеты…

Лиза: Пожалуйста!

Проводница: На стол потом положите.

Вика: Не-не-не, вот он! Так! Хорошо… Так, слушай!

 Я щас в ресторанчик пойду, ты дверь не закрывай, ладно?

 

ヴィーカ:こんちは!

リーザ:こんばんは!

ヴィーカ:さてと、Sorry、すごい、おとこ無しでいくのは、特別車両みたい!

車掌:切符!

ヴィーカ:切符・・・

リーザ:どうぞ!

車掌:あとでテーブルの上に置いてください。

ヴィーカ:イーヤ、イヤ、ホラコレ!さてと!よし・・・。

ネエ、私レストランに行くから、あんたドアを閉めないで、いいね?

 

 

Лиза, Елизаветаの愛称

Вика, Вероника, Викторина の愛称

СВ  Специальный вагон 1コンパートメントに二人のテーブル付車両

Щас  сейчасの略

 

ゆっくりと穏やかに話すリーザと違って、ヴィーカはスラング連発。

初対面の人にもすぐ「ты」で話しかける乱暴な言葉遣いです。

 

 

 

Лиза: Девушка! Девушка, проснитесь!

Вика: Чё, приехали уже?

Лиза: Девушка, мы мою сумку не видели, а?

Вика: Какую сумку?

Лиза: У меня сумка пропала! Там всё: там деньги, документы, всё!

Вика: А я тут причём? Ё-моё! Так, и моей сумки нету.

Лиза: Я же вам сказала вчера: «Заприте дверь»!

Вика: Так, я заперла!

リーザ:あなた!あなた起きて!

ヴィーカ:へ、もう着いた?

リーザ:あなた、私のバッグを見なかった?

ヴィーカ:バッグ?

リーザ:私のバッグがなくなったの!全部入ってるの、お金もパスポートも、全部!

ヴィーカ:それが私に?畜生!わたしのバッグもない。

リーザ:あなたに言ったでしょう、「ドアのカギをかけて」と!

ヴィーカ:かけたよ!

 

 

Ё-моё!「畜生」、これ以上はない程の粗野な言葉、

 

Ё で始まる言葉は「性」に関係する卑猥な単語を連想させるので、

日本語の「よ」はЁではなく、Йоと翻字することも。

特に「よ」で始まる姓名は、Ёсида  ではなくЙосида(ヨシダ) 、

Ёсиоではなく Йосио(ヨシオ)を使う人が多いようです。

 

 

 

Полицейский: Где живём?

Вика: В Ёбурге.

Полицейский: Место проживания, полностью!

・・・

Полицейский: Цель приезда в Петербург?

Вика: Да, просто так.

Полицейский: Просто так не бывает.

 

警官:何処に住む?

ヴィーカ:ヨーブルグ。

警官:住所を完全に!

・・・

警官:ペテルブルクへ来た目的は?

ヴィーカ:うん、ただ単に。

警官:ただ単に来るものではないぞ。

 

駅警察に被害届を出す二人。

 

Ёбург Ё好きなヴィーカが言う、エカテリンブルクの別名。

 これは、決して言わないようにと先生から。

 

Екатеринбург の愛称は、Екат 、Еката

 

Где живём?

不思議な言い方ですよね、住所を聞いているのですから、

Где вы живёте? が普通。

 

会話で医師などが、「Выや Тыの代わりに、親しみを現わすМы 」を使うことが。

例えば、

Как мы себя чувствуем? 気分はどうですか?

 

 

Кирилл: Даже искать никто ничего не будет. Ты рожи эти видела?

Потому что сколько раз тебе было сказано «езжай Сапсаном»?

Сэкономила две тыщи, молодец?

Лиза: Слушай, подожди меня здесь, а? Я так не могу, подожди!

 

キリル:誰も何も探しさえしないぞ。あいつらのツラを見たか?

何回も言ったろ「サプサンで行け」と?二千を節約、偉いか?

リーザ:ねえ、ここで待ってて?こんなことできない、待っていて!

 

 

引受人の男性が来て、取り調べから解放されたリーザ。

Сапсан モスクワ・ペテルブルク間を4時間程で結ぶ特急列車。

夜行では時間は倍かかりますが料金は安い。

 

 

Полицейский: Давай! Давай заходи!

Вика: Не надо! Ну, пожалуйста!

Лиза: Хватит! Отпустите её! Всё – никаких заявлений, никакой кражи не было!

Это вообще моя подруга.

Полицейский: Так, всё! Садимся и пишем заявление об утере.

 

警官:さあ!さあ入って!

ヴィーカ:イヤ!おねがい!

リーザ:もうたくさん!彼女を放して!これでいい、申告書は無し、盗みはなかったわ!

この人は、私の友達のようなもの。

警官:そうか、わかった!座って紛失届を。

 

バッグを盗まれたのですから、「盗難届」を出したリーザ。

警官はヴィーカが泥棒の仲間ではないかと疑って拘束しようと。

「紛失届」に変えることで、二人とも取り調べは無しに。

 

Вика: Да не, я просто позвоню, чтобы мне деньги «Вестерн Юнион» выслали, 

и сразу уйду. Я найду, где перекантоваться. Вам и так огромное спасибо!

Лиза: А как же вы деньги получите, если у вас документов нет?

Кирилл: Ты её сразу прописывать будешь или сначала на работу поедешь?

Лиза: Может, хватит, а?

 

ヴィーカ:ううん、わたし、只、ウエスタンユニオンでお金を送るように電話して、直ぐに出ていく。

ちょっと泊るところを見つける。本当にありがとう!

リーザ:パスポートもないのに、どうやってお金を受け取るの?

キリル:直ぐ、彼女の住民登録をするか、それとも仕事へ行くか?

リーザ:いいかげんにしろ、ってこと?

 

перекантоваться(完) 別の場所に移る。

 スラングで「一定の期間を過ごす」。

 Денег нет, но как-нибудь перекантуемся.

 金がない、でもなんとかやって見せる。

 

Ты её сразу прописывать будешь

知り合ったばかりの女性を自分の住まいに登録するなど、ありえない話を持ち出す

リーザの引受人ですが、何か訳がありそう。