大学の図書室で自分なりに文献を調べてみたが、どうしても納得できる理論的根拠が見当たらず、疑問の雲が自分の心の中に大きく膨らんでくるばかりだった。
思い余って、薬理の先輩に相談してみた。
「サンプルが有れば調べてみてあげる。」
との有難いお言葉を頂き、何とかその臍の緒の一部を手に入れようとしたが、これが非常に困難だった。
兎に角、非常な貴重品で自分の手の届かないところに厳重に保管されていたので、一部を切り取るのは無理だった。
どうして手に入れればよいかを四六時中考えた末、やはり、正攻法でいくしかないと決めて、院長にお願いしてみた。
「この治療法の理論が解明され世の中に普及すれば、どれだけ喘息に苦しんでいる人たちが救われることでしょうか・・・・・・」
と切り出して熱弁をふるった。
最初は逃げ回っていたが、自分は一月無給で働きますからと言いだしたところ、
「それほどの熱意があるならば……」
とサンプルの提供に同意してくれた。