局麻を始める前に大切なことがある。
“外科医はある意味で職人である”と書いたが、職人は使う道具にこだわりをもつものだ。
局麻で必要なものは注射器と針そして局麻薬だ。
注射器は昔はガラス製で、煮沸消毒して使ったが、今では滅菌済みで使い捨ての面白味のないプラスチック製のものだ。
手術する部位や場所によって細かくコントロールする必要があるときには1ccのツベルクリン用の注射器、普通の皮膚麻酔では5ccの物を使用する。
ある程度強く麻酔を必要とし、多量に注射する場合でもこれを使うことが多い。
理由は、あくまでも安全が第一なので、5ccならば万一血管の中に麻酔薬がはいったとしても、致命的とはならないと教えられた。
ただし麻酔薬の濃度が問題ではあるが・・・。
針は長さと太さで規格化されている。
長さはインチ、1吋とか、1/2吋、1/4吋など、太さはゲージ(G)が単位でインチの逆数で表す。
例えば25Gの針の太さは1/25インチというようにGが大きいほど細い針という事になる。