この治療を最初に行ったのは50歳の女性で、いつも苦しそうに
「ヒーヒー・ゼーゼー」と息をしながら、
「先生、何とかしてくださいよ。」
と顔をゆがめ、
「夜も寝られないのですよ。」
と訴えている患者だった。
余りにも気の毒だったので、これこれ云々と臍の緒埋没療法の説明を、自分が聞いたとうりにしてみた。
「家に帰って相談してみます」
と言って帰った。
数日後、
「余りにも辛そうだから、費用は何とか工面するのでその治療をして貰いなさい、と家族が言ってくれたのでお願いします。」
との申し出があった。
この診療所には内科の先生しかいないので、
「院長に相談してから治療日を決めます。」と返事をして返した。
翌日院長に相談すると、
「私は内科だが傷の縫合くらいはできる。君、手伝ってくれますよね。」と言われ私はびっくりしたが、
「はい。」と答えざるをえなかった。