それから、手と脚を左右から縄をかけて、お腹が上になるようにして、ひっくり返して固定した。
書けば簡単のように思われるが、チイチャンもかなり「ギャー ギャー」と怒り猛反撃して、僕は手を嚙まれたり、引っ掻かれたりして痛い目にあった。
騒ぎを聞きつけて、お手伝いのおばさんが止めにきたが、強情でやめないので、おじいちゃまを呼びにいったようだった。
「何をしているのだ!」
一番怖いおじいちゃまの声が頭の上から響いた。
斯く斯く、云々とぼそぼそと半べそをかいて、僕は話した。
「人も動物も同じで、無理にやらせようとしても、絶対に思った様にはいかないよ。
西洋の例え話に、<水を飲みたい馬は一人でも川に連れて行けるが、飲みたくない馬は十人かかっても連れて行けない>
というのがある。」
おじいちゃまは、この様に諭して診察室に帰っていった。
僕はポタポタと涙をこぼしてその場にしゃがみこんだ。